A shot of Sébastien Loeb's 2008 Citroën C4 WRC car.
© Milestone
ゲーム

ひと味違うオフロードレーシングゲーム ベスト4

世の中には、誰よりも速くゴールに辿り着くことが第一目的ではないラリーゲームが存在する。ユニークで奇妙なオフロード・エクスペリエンスが得られるゲームをリストアップした。
Written by Jamie Hunt-Stevenson
読み終わるまで:5分Published on
ラリー特有の激しさと汚れは、このモータースポーツの本質 — 恐ろしい地形がどれだけ続こうともスタートからゴールまで最速で走り抜けるレース — を捉えた素晴らしいビデオゲームの開発を促してきた。
しかし、この世の中には、ラリーの魅力を捉えながらも通常のオフロードレーシングゲームとは異なるゲーミングエクスペリエンスを提供するユニークなオフロードレーシングゲームがいくつか存在する。
そこで今回は、そのようなひと味違う新旧オフロードレーシングゲームの中からベスト4をピックアップして紹介する。

1:『Overpass』(PS4・Switch・Xbox One・PC)

この鬼難度のオフロードドライビングシミュレーターは、トップスピードへの到達やパーフェクトなコーナリングよりも “パズルを解く” に重点を置いている。
Overpass』ではATV(全地形対応車)をドライブすることが可能で、“滅びの山”(ロード・オブ・ザ・リングのあの山)もビックリのコースに挑むことができる。しかし、非常にリアルなハンドリングと適切な障害物が用意されているため、最初から最後まで叫び続けることはなく、その代わりにマシンを停めて、ベストルートを探さなければならない。ただの岩がここまで厄介に思えることはこれまでなかった。
ルートを考える必要がある『Overpass』

ルートを考える必要がある『Overpass』

© Zordix Racing

我慢強く考え続けられるプレイヤーが報われる高難度レーシングシミュレーター『Overpass』のゲーミングエクスペリエンスはアーケードからは程遠いが、チャレンジを求めているプレイヤーならその悪魔的魅力に取り憑かれるだろう。

2:『Dakar 18』(PS4・Xbox One・PC)

ダカール・ラリーはレースという意味ではレーシングゲームと共通点があるのかもしれないが、ダカール・ラリーに通じている人は、この世界的に有名なラリーレイドのすべてが常軌を逸していることを知っている。開発を担当したBig Moon Studiosは、様々な車種(カテゴリー)で世界で最も過酷な地形を走破するこのラリーレイドの魅力を忠実に再現しており、広大なオープンワールドと危険な障害物を用意している。
Dakar 18』はダカール・ラリーの過酷さをそのまま取り入れた、ナビゲーション重視の精緻なダカール・ラリー・シミュレーターで、タフなコースをクリアするために必要なドライバーのガイドブックも再現されている。プレイヤーはランドマークや距離の図表をチェックしながら、コ・ドライバーからの指示も聞く必要がある。
一般的な「A地点からB地点を目指すレーシングゲーム」とは大きく異なる『Dakar 18』は、史上最高のスリルを提供するダカール・ラリーを忠実に再現している。

3:『セバスチャン・ローブ ラリー EVO』(PS4・Xbox One・PC)

セバスチャン・ローブはモータースポーツ史に残るトップラリードライバーのひとりで、ワールドチャンピオンに9回も輝いた経験を持つ。そのローブの名前を冠しているこのゲームも本人同様突出しており、モダンなWRC(世界ラリー選手権)用ラリーマシンだけではなく、往年の名ラリーマシンでもドライビングを楽しめる。
ラリーファンなら外せない『セバスチャン・ローブ ラリー EVO』

ラリーファンなら外せない『セバスチャン・ローブ ラリー EVO』

© Milestone

セバスチャン・ローブ ラリー EVO』には17メーカーのマシンが収録されており、1970年代のラリーマシンをはじめとする様々な時代のラリーマシンをドライブできる。その中には、あの美しくも危険な “グループB” のレジェンドマシンやパイクスピーク専用マシンも含まれている。
ラリー史を彩ってきた様々なクラシックラリーマシンをドライブしたいという理由でラリーゲームの購入を考えているなら、『セバスチャン・ローブ ラリー EVO』の右に出るゲームは存在しない。

4:『Art of Rally』(PC・Mac)

ラリーに泥は必須ではない。こう書くと驚く人がいるかもしれない。何しろ、史上最高のラリーゲームシリーズのひとつは泥をタイトルに使っているくらいだ(念のため正解を書いておくと『DiRT / ダート』)。
しかし、2020年にリリースされた『Art of Rally』は、『Absolute Drift』を開発したNoodlecakeがラリーファンのために用意したセピア色のノスタルジア・ラリートリップで、一般のラリーゲームが好む残酷なリアリズムよりもスタイリッシュで温かみのある雰囲気を重視している。
トップダウンビューは往年の『マイクロマシーンズ』を想起させるが、『Art of Rally』はラリーを心から愛しているゲームだ。シンプルだが驚くほど忠実にラリーを再現しており、グループB時代を含む1960年代から1990年代までのラリーマシン50種類が収録されている。
スタイリッシュでありながらやり応えもある、美しくも大胆な『Art of Rally』は、"ひと味違うオフロードレーシングゲーム" そのものだ。
Twitterアカウント@RedBullGamingJPFacebookページをフォローして、ビデオゲームやeスポーツの最新情報をゲットしよう!