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© Yusuke Kashiwazaki
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9forインタビュー『この声を活かすフロウへ常にアップデート。シーンを盛り上げる存在に』

Red Bullがキュレートするマイクリレー《RASEN》EP10 参加ラッパーたちのプロファイル ②
Written by Tetsuro Wada
読み終わるまで:4分Published on
今回のサイファーを振り返ってみていかがでしたか?
新鮮でしたね。バトルにも出てるんですけどそっちは即興なので、今回はリリックを用意してやって。自分のためにもなったと思います。
自分のバースで気に入っているのは、ビートの間が空いたところから一気に出す声色の雰囲気を変えたところです。ビートもまさにYamieZimmerという感じでよかった。やっぱりYamieZimmerのまわりの空気感に横浜の若いラッパーは憧れてるし、横浜独自のスタイルが生まれてるんだなと思います。
RASEN EP10

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ラップをはじめたきっかけを教えてください。
自分は中高一貫校に通ってて、高校で外部から入ってくる生徒に、ヤンチャでジャイアンみたいなヤツがいたんですね。そいつがヒップホップ好きで“明日までにD.Oの“悪党の詩”聴いてこいよ”って言われて。で、聴いてみたら“こんな歌詞、歌っていいの?”って衝撃を受けたんです。そこからMSCとかを聴くようになっていって、『高校生ラップ選手権』にたどり着いてフリースタイルを知るようになった。“フリースタイルおもしろいな”と思って、ひたすら練習していたときもありましたね。
RASEN EP10

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最初はバトルに出ることしか頭になかったっすね。でも、ある時期からUSのヒップホップを聴くようになって、カッコいい音源を出すほうがいいなと思いはじめてシフトチェンジしたんです。最初はバトルのフロウの癖がなかなか抜けなくて、ビートメイカーのoddy lozyに半年間くらい鍛えてもらって。
いちばんの変化はトラックのどの部分を聴いてフロウを作っていくかという点。最初に20曲くらい作ったんですけど、全部ダメって言われて。“これを聴いたほうがいい”ってプレイリストも作ってくれて、いろいろ教えてもらいました。ダメ出しは正直イヤだったけど、もっと音源をよくしていきたいと思っていたから苦ではなかったですね。
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これまで発表した楽曲で、自身の代表曲を挙げるなら?
挙げるとしたら“admission”、“JDM”、“A1M POINT”の3曲ですね。それまで自分で自分の曲を改めて聴いたりしなかったけど、この3曲は自分でも普段から聴くような曲になったと思います。
自身のラップスタイルの特徴はどんなところですか?
ほかのラッパーとかぶらないフロウをする、というのは根底にずっとありますね。あと、自分は声も特徴的だと思うので、そこも武器かなと。
自分では最初は気づいてなかったんですが、声の評価はいろんなひとに言われるので、それによって自信を持てた。だからこそ、この声をもっと活かせるようなフロウを作ろうと思えることができたかな。
RASEN EP10

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影響を受けた人物は?
男として、孫GONGさんのような生き方をしたいと思ってますね。これまでの影響でいったらoddy lozyの影響はすごく大きいんじゃないかな。自分が病んでいるときにポジティブな言葉をくれたり、自分が曖昧に思ってる部分を理由もつけて納得させてくれる。つねに背中を押してくれる存在です。
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今後の予定と将来の展望について教えてください。
YamieZimmerのアルバム『TEMPLATE』に参加してるのでぜひ聴いてもらいたいですね。illrainとのアルバムもリリースされたのでそちらも聴いてください。
将来はどうなるかわからないけど、まだまだこれからもラッパーとして最前線で戦っていきたいと思ってます。常にアップデートを忘れないよう活動することが今の目標で、シーンを盛り上げる存在になりたい。
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