今回のサイファーを振り返ってみていかがでしたか?
とりあえず楽しかったっす。オファーあってからなにをラップするか考えてたんですけど、あまりまとまんなくて。でも3日前くらいにイメージが湧いてきて、そこから今日に向けて準備したって感じでした。自分がラストって聞いた瞬間にスイッチが入ったっすね。
リリックのテーマは『XROSS CULTURE』っていう、自分が所属する名古屋のクルーD.R.C.が7月に主催する野外イベント。あとはアニメのことを織り交ぜつつ。なかでもいちばん気に入ってるのは“でらファッキンやべぇ”って言葉を言えたことかな。これは自分の住んでる南区の地元スラングみたいな感じで。
ラップをはじめたきっかけを教えてください。
ラップをかじってみたところから本格的にはじめるまでにちょっと時間があって。最初は自分が高校生のときにクラスのヤツがラップしてて、そいつをバカにするためにラップしたんですよ。でもそいつに“ラップって本当にカッコいいから”って言われて、半分バカにするために地元でやってたMCバトルのイベントに遊びに行くんだけど、そこで完全に食らったんですよ。それがフリースタイルをはじめるきっかけでした。そこからラッパーと遊んだりしはじめるんだけど、いろんな揉めごとにも巻き込まれて。そのときにあったトラブルをもとに作ったのが“RIOT”で、音源を作るようになったきっかけです。
これまで発表した楽曲で、自身の代表曲を挙げるなら?
Campanellaといっしょにやった“Ⅲ MY SLF”って曲っすね。いままで、名古屋のなかで自分はどうとかって言ってこなかったんだけど、この曲ではじめて名古屋の若いヤツらで自分がいちばんやばいっていう自覚が持てた曲だなって思います。リリースの1年以上前から完成してて、ライブでやったりして出てないうちから勝手に広まってた感じもしてて。そういう流れもあって、自分が自信が持てた曲でもあるっす。
自身のラップスタイルの特徴はどんなところですか?
フロウも大事だし、韻も大事だけど、自分はいちばんリリックの内容を重視してて。名古屋の先輩たちに自分が食らってきたのが歌詞の中身だから。どんなにフロウがやばくても、リリックがよくないと首振れないんすよ。自分のリリックに関しては比喩表現とかよりも、実際に目にしてきたこととか視界に入ってくる現状を歌うことが多いかもしれない。
影響を受けた人物は?
XXXTentacion。彼のタトゥーも入れてるくらいで。自分と同年齢だし、トラップがなんだかわかんないくらいの時期に聴いて“やばっ!”って思って。存在そのものに影響を受けてるし、これから彼以上に影響を受ける人間は出てこないんじゃないかなと思います。
今後の予定と将来の展望について教えてください。
いまアルバムを作ってて、そこに収録される予定の曲がそろそろリリースされますね。年内にはアルバムが発表できたらと思ってますけど。
で、将来か……。とりあえず日本のラッパーのトップにはなりたいと思ってます。自分は世界を見てるし、自分の曲も日本語として聴いてほしくないです。自分としては“そこじゃないんだよなぁ”と思うこともあるし、もっと広い尺度で、全身で自分の曲を感じてもらいたいっすね。
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