NENE
© Yusuke Kashiwazaki
ミュージック

NENEインタビュー『常に好奇心が途切れない。いろいろ吸収して60歳で形になればいい』

Red Bullがキュレートするマイクリレー《RASEN》EP11 参加ラッパーたちのプロファイル ③
Written by Tetsuro Wada
読み終わるまで:4分公開日:
今回のサイファーを振り返ってみていかがでしたか?
RASENは観ていても緊張感が伝わってくるから、そういう現場なんだろうなと思っていたけど、それよりも“みんなでやろうぜ”ってバイブスのほうが自分は強かったし、結果そうなったからすごいよかったですね。
自分のなかで気に入ってるラインは“JODYはヤバいピットブル/噛んじゃうかもあの子のチワワ”って部分。最後のアウトロも、自分のヴァースが決まったと思ったから、開放感でテンション上がってアドリブでやっちゃいましたね。こういうビートは得意だと思ってるので自分としても乗りやすかったですね。
RASEN EP11

RASEN EP11

© Yusuke Kashiwazaki

現在の日本のヒップホップ・シーンについてはどう考えていますか?
アーティストが多様化していることはすごくいいことだと思います。“時代”って言葉を使うのはあまり好きじゃないけど、そういうアーティストが増えてる時代だと思うし、自分もヒップホップを固定概念で捉えてるわけじゃないから、もっと可能性が広がるかなと。その一方で、いわゆるヒップホップらしいヒップホップも好きだから、どちらの軸にしても振り切ってるのが好きだし、自分もそうでありたいかな。
NENE

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自身の現在のアーティストとしてのモードを自己分析するなら?
今はゆるふわギャングとしての作品を作っていて、そこに集中してる状況。AUTOMATICさんとの制作も再開できる状況になってきたし、3人で改めて作るのがすごく楽しい。次の作品は期待してもらっていいんじゃないかな。
JODYとかSHINKAN1000みたいなプロジェクトは、コロナの時期だからこそみんなでスタジオで遊ぶことでできた作品だったと思ってて。今後はまだどうなるかわからないけど、コロナが収束したらみんなブチ上がるわけじゃないですか? そういう未来を想像しながらゆるふわギャングの曲を作ってますね。
自分たちもフジロックや海外の大きいフェスに出るのが目標だし、そこに向けて作品を作ってる感じ。あと、個人的にいまはトランスとかテクノを勉強していて。ビートも自分で作れるようになりたいし、そのビートにいろんなラッパーに参加してもらいたいなって。
RASEN EP11

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© Yusuke Kashiwazaki

影響を受けた人物は?
ヘンタイカメラとの出会いは衝撃でしたね。ほんとにキャラクターがすごくて。はじめて会ったとき、“このひと、本当に人間?”って思ったくらい(笑)。ピンクのキラキラのスパンコールを着てたりしてビジュアルもヤバいし、音も普通のトランスじゃなくって、フレッシュで聴いたことのない音楽だったから。自分たち自身もこれまで聴いたことのない音楽を作りたいと思ってるから、そういうところに衝撃を受けたんだと思います。
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今後の予定と将来の展望について教えてください。
自分たちは常に好奇心が途切れないし、あれもやりたい、これもやりたいってずっと思えてて。でも、これは生まれ持った性格だから、ひとつのことを突き詰めるのももちろんありだし、自分もそうしたいけど、いまはまだいろんな吸収をして、最終的に50歳とか60歳で形になればいいかなって思ってる。以前、The Chemical Brothersのフジロックでのライブを観たときに、照明や映像など含めて完璧だったんです。あれだけのパフォーマンスを、自分たちもステージ側から観たいってあのとき思ったから、彼らくらいの年齢ですべてが完璧になっていれば、いまがグニャグニャしたスライムみたいになっていてもいいのかなって思ってて。
RASEN EP11

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だから、いまは楽しいことにフォーカスしてやって、最終的にああいう完璧なパフォーマンスができれば満足かな。そういうふうに生きられたら絶対しあわせだと思う。
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