CHICO CARLITO
© Suguru Saito
ミュージック

CHICO CARLITOインタビュー『自分にしか言えないことを、ちゃんと、ずっと、ラップしてく』

Red Bullがキュレートするマイクリレー《RASEN》EP20 参加ラッパーたちのプロファイル ④
Written by namahoge
読み終わるまで:5分公開日:
今回のサイファーを振り返ってみていかがでしたか?
バッチリできたんじゃないかなと思ってますね、みんなプロだなって。この4人でやれるのはなかなかないんで、やりながら嬉しかったです。
気に入っているラインは“Red Bullの案件も全部クリアしたぜ/暇人は見とけアダルトサイト”。とりあえずこれはオレしか言えないんじゃないかな。ほかにも好きなラインはいっぱいあります。“座間味の海マジでクリスチャン・ラッセン/フリスタだけなら 瓜二つじゃね?”とか、今回は結構サクッと書いたんですけど、わかりやすい言葉でうまく決められたんじゃないかなと思います。
Red Bull RASEN EP20

Red Bull RASEN EP20

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ほかの出演者との関係性を教えてください。
唾奇はちょうど10年前ぐらいに国際通りで出会って、オレの最初のデモを録ってくれたり、ライブしたり、ずっといっしょにやってきた感じですね。
OZworldは高校生ラップ選手権に出たときに画面で見たのが最初。第一印象でナチュラルさ、スピリチュアルさを感じて。あいつの地元の嘉手納の感覚をそのまんま、いま、全国規模で活躍しているのにまったく失っていないのはやっぱすごいなって。
Awichさんも最初は画面越しで、YouTubeで見たんですよ。“なんだ、このめっちゃラップ上手いひと”って。いまはその動画消えちゃっているけど、本当にだれなんだろうって思っていたところから、瞬く間にって感じですね。
CHICO CARLITO

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自身にとって沖縄とはどんな場所ですか?
死ぬなら沖縄がいいし、もし子供を育てるんだったら沖縄がいいなと思います。自分にとって大事な場所だし、帰る場所。それにみんなが沖縄が好きって言ってくれるのは嬉しいですね、そこで生まれ育った人間としては。
……ただ、どうやったら沖縄がもうちょっとよくなるのかな、と思いながら動いています。生活面だったり、賃金だったり、社会として、どうにかしたいなって。早くラップでお金を稼いで小学校とかに寄付するとか、そういう夢がたくさんあります。まあ、口で言うのは簡単なんで、行動できるように頑張るしかないなって。みんなにラップを聴いてもらって、夢にどんどん近づけるために、まずは自分がなにを言うべきかっていうのを、ちゃんと、ずっとやっていくのが大事かなと思っています。
沖縄のシーンに関しては、最近は盛り上がっているけど、YouTubeとかSNSだったり、発信する方法が増えたおかげで、前からイケてたのがようやく注目されはじめたなっていう感覚です。先輩世代もすごいパワーがあったかもしれないけど、世に出ていなかっただけなんじゃないかなって。
Red Bull RASEN EP20

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現在の日本のヒップホップシーンについてどのように考えていますか?
10年前よりいまのほうがたぶんよくなってると思うんですよ。箱のキャパだったり、企業の案件があったり、CMに使われたり、ドラマの曲になったり。だから、いまも成長中って考えると、10年先はもっと大きくなっているんじゃないですか。経済成長的にいえば、大きくなっていないとおかしい(笑)。自分はちょうどラップやりはじめてから10年なんで、そのころを思い出すと景色変わりましたよ。
あとは若い子でうまいなあって思うひとがボンボン出てきてますね。BonberoとかSkaaiとか、見ていてカッコいいなって。あとは神奈川がすごい勢いあるな、とか。自分しか言えないことを言って、カッコいいラップを出し続ければシーンも大きくなっていくだろうし。そういう希望は見えているっすね。
自身の現在のアーティストとしてのモードを自己分析するなら?
いまはまたさらにラップを勉強していて。やっと韻とか踏めるようになってきたなって思うんですよ……これまで全踏みしてなかったな、とか。ひとに訊いたり、練習したり、まだまだぜんぜん勉強中です。それと、最近はここ10年でいちばん制作意欲があって、曲を作るスピードも早くなってきてます。もっと早くできると思うし。ちょうど次のステップに登る変遷期だなって思います。コツコツやってますね、毎日。
CHICO CARLITO

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影響を受けた人物は?
この2年くらいは本当にもうELIONEっていうラッパーの影響をめっちゃ受けています。ものの考え方、音楽との向き合い方、あと人付き合いだったり、物事の運び方だったり。3月1日に彼のアルバムが出たんですけど、それにオレと唾奇も入っている"Keep Going"って曲があって、それとかやっぱ好きっすね。ぜひ聴いてみてほしい。
今後の予定と将来の展望について教えてください。
アルバムがもう完パケするので、今年の上半期には出せるかな。ツアーとかワンマンもやるつもりだし、今日のサイファーの曲もやれたらいいなって。デカいステージも狙って、コツコツと。あと、今年で30歳になるんですけど、ここから先の5年間をがんばれるような礎を作る1年にしたいなって思ってるんで、まだまだやってきます。
それと、もし沖縄のラッパーが気になるようだったら、12月に『AREA47』っていう年末のビッグパーティーを今年もやるつもりなんで、遊びに来てもらえればなって思います。
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