今回のサイファーを振り返ってみていかがでしたか?
近いようだけどあんまりいっしょにやったことないひとたちと共演できてよかったなって。新鮮な感じでおもしろかったです。
やっぱりメンツも個性的で。RENZOもFARMHOUSEくんもソロでは今回はじめてちゃんと共演できて。YDIZZYくんもおもしろかった。みんなすごくフレッシュなヤンガンで以前から活躍してるの見てきたし、それぞれ個性的でカッコいいなって思いました。
気に入ってるヴァースは“ヤカラじゃないぜ、オレはラッパー/名前はRyugo Ishida”ってところ。見た感じやっぱヤカラっぽいだろうけど……自分の地元もそういう友達がすごい多いんですけど。オレはラッパーだし名前はRyugo Ishidaだぞって。あと、このあいだたまたまテレビ点けたらWBCの決勝戦をやっていて、大谷選手がすげえ活躍してるのを観て。彼と日本へのリスペクトを込めて名前を使わせてもらいました。自分は野球ファンとかではないんですけど、ほんと偶然、タイムリーに決勝戦を観て、すげえいい試合だったから野球のおもしろさがわかったというか。なんかすごいブチ上がっちゃって。
現在の日本のヒップホップシーンについてどのように考えていますか?
いまのシーンってたくさんのスタイルがあるなって思うし、縛られていないじゃないですか。昔は……昔はっていう言い方はアレかな、でも“こういうのがヒップホップだ、ああいうのがヒップホップだ”みたいな言われ方をしたと思うし、いま、いろんなフロウとかリリックとかファッションとかの人たちがラップをしているのはすごくいいことだなって思う。いろんなスタイルがあって、いろんな音楽がある日本のシーンは盛り上がってきているんだろうなって。
自分もこれからもカマしていくし、これ以上にどんどん切り開いていきたいなっていうか。自分たちが最前線に立った時には、もっと広い世界、もっといい環境になっているんじゃないかなと思う。ソロでラップはじめてからは10年くらい経って、まだまだゴールは高い位置、遠い位置にあるけど、マイク1本だけでこういう場に呼んでもらったりして、自分にとってはやっぱりうれしいし、表現を続けてきてよかったなって思いますね。
自身の現在のアーティストとしてのモードを自己分析するなら?
うーん、曲の作り方が変わったのかって言われるとそうでもないし、根本的な部分は変わんなくて。自分が今思ったこと、できることを表現しているっていうか、ビートもそうだけど常に新しいものがやってきて塗り替わっていって、常にそこにぶつけていくっていうのがずっと変わらない自分のスタイルだと思っていて。これからもそうだし、ぶつけていきたいなって思います。
影響を受けた人物は?
スタイル的にはやっぱりLil Wayneみたいなラッパーがすごい好きで。だけど、ラップを始めたきっかけになったのはEminem。あとは人間性というか、こういうふうになりたいなっていうのはやっぱりKendrick Lamarです。
まわりの環境が決して簡単にはいかない街だったから、イリーガルなこともあったし、そういうひとがたくさんいたし、オレも経験したし、でもそんなハードな状況を音楽でいい方向に昇華するっていうか、抜け出せる、乗り越えていけるような、そういうアーティストになりたいなって思っています。
今後の予定と将来の展望について教えてください。
予定は……まだ未定ですけど、今年はソロアルバムも出すし、ゆるふわ ギャングの新しい作品も出す。昨年はアルバム『GAMA』のリリースパーティーとしてレイヴをやったから、今年はそれをもっとレベルアップして、次のステップにどんどん進んでいきたいですね。止まらずに、作り続けてなにか表に出せるようにやっていきたいなと思います。
👉Ryugo Ishidaインタビュー『塗り変わり続けるシーンに常にぶつけていくのが自分の変わらぬスタイル』