AI
© Tasuku Amada
ミュージック

AIインタビュー『生きて、ヒップホップをやり続けることが大事』

レッドブルがキュレートするマイクリレー《Red Bull RASEN》EP30 参加ラッパーたちのプロファイル ⑥|DJ RYOW‬‭ が手がけた今回のビートは、2002年にリリースされた名曲「D.O.I. feat. TOKONA-X “EQUIS, EX, X”」がサンプ‬リングされている。伝説のラッパー TOKONA-Xへの思いについても話を聞いた。
Written by namahoge
読み終わるまで:4分Published on
—今回のマイクリレーを振り返ってみていかがでしたか?
むかしはマイクリレーで曲を作ってパフォーマンスすることもあったけど、ひさしぶりにこういう空気を味わいましたね。間違えたら申し訳ないなという緊張感が、自分ひとりでやるのとはぜんぜん違うというか。今回はTOKONAについてということで、彼とむかし遊んだころを思い出して歌詞を書きました。すごくいいラッパーだったから、本当に悔しい気持ちがあります。彼が亡くなったのがどういったことだったかを考えてほしいなって、いまの若いひとたちへのメッセージになればいいなと思います。
AI

AI

© Tasuku Amada

—TOKONA-X氏への思いや本人とのエピソードなどあれば教えてください。
〈Def Jam Japan〉のレーベルメイトとしては2年間くらいですが、それ以前のプラプラしてる時期から彼が東京に遊びに来ることもありましたね。わたしがはじめてのホールツアーをやったときも来てくれて、打ち上げにも参加してくれて。当時からモロ名古屋弁でラップする感じもすごくインパクトがありました。〈Def Jam Japan〉に入ってからいっしょにステージ上で歌うことはあったんですけど、結局1曲もいっしょに作ってないんですよ。わたしが“E.O.”という曲を作るちょっと前に“そろそろふたりで曲作ろうよ”みたいなことを言ってくれたんです。でも、それをやる前に亡くなっちゃったから、“ぜんぜん約束と違うじゃん”って。悲しかったですよね。
AI

AI

© Tasuku Amada

—現在の日本のヒップホップ・シーンについてはどう考えていますか?
根っこの部分ではわたしたちが20代のころとそんなに変わらないと思いますけど、技術的な面ではすごくクリエイティブなものに変わりましたよね。音楽にもっと詳しいひとたちが出てきた感じがするし、YouTubeやSNSで世界中の曲を聴いてきたひとたちが活躍していますよね。
当時は日本に洋楽っぽい曲自体がすごく少なかったし、ラッパーもいたけどやっぱりめずらしかった。ヒップホップはクラブに行かないと聴けないような音楽でした。あれだけ流行ってるSnoop DoggやDr. Dreも、街のひとたちはだれも知らないんですよ。わたしが帰国してそれを知ったときは“マジ?”って、本当にびっくりした。だからこそ〈Def Jam Japan〉に誘ってくれたRIKOさんやレーベルメイトたちと出会えて本当によかったなって。あのレーベルがなければ、日本の音楽に失望してたかもしれないから。それぞれ仲がいいとか悪いとかあるけど、でも好きなものがいっしょで、わたしにとっては“やっと仲間ができた!”という感覚だったんです。そういう意味ではいまのシーンと当時はぜんぜん違うかもしれませんよね。
AI

AI

© Tasuku Amada

—影響を受けた人物は?
たくさんいるのでむずかしいですけど、ひとりだけってなったらLauryn Hillかな。彼女の声も好きだし、ラップがうまくて歌も超うまくて、ノリもいいしバラードもいける。さらにルックスも可愛くて、すべてがもう最高だなって思います。憧れですよね。
—今後の予定と将来の展望について教えてください。
今年で活動25周年になるので、節目というつもりで5月からツアーで30カ所ほど回ります。もういつまでも踊れると思っていないし、いつ歌えなくなるかもわからないので、これまでの全部を出し切ろうかなと思っていて。こういった機会に“これで最後”と思ってやらないと、出し切れないんです。この仕事って終わりがないから、浮いた浮かない、当たる当たらないとか関係なく、ずっと続けていかないといけないじゃないですか。生きて、健康で、ずっとやり続けることが大事なんですよ。そんな感じだから今年のツアーはとにかく出し切って、休みたくなったら休んで、そしたらまたやりたいと思うかもしれないし。将来的にやりたいこと自体はいっぱいあります。でも、あんまり言わないで、やってみせていこうと思っていますね。
 
👉AIインタビュー『生きて、ヒップホップをやり続けることが大事』