5Leaf
© Suguru Saito
ミュージック

5Leafインタビュー『自分の強みと経験を音楽に込めて、誰かの背中を押せるように』

レッドブルがキュレートするマイクリレー《Red Bull RASEN》EP31 参加ラッパーたちのプロファイル ③
Written by namahoge
読み終わるまで:4分Published on
—今回のマイクリレーを振り返ってみていかがでしたか?
いつも画面で観てたRed Bull RASENを自分がやることになって、新鮮な気持ちで楽しめました。響かせるリリックを書くことはもちろんですけど、発声やフローでどれだけ多くのひとの耳をジャックできるかに重きを置いて臨んだので、カッコいいパフォーマンスができたと思います。なかでも〈プライドだけ持って乗り切ったんだ貧乏時代〉っていうラインは自分の強みを歌えたんじゃないかなと思っています。
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—ラップをはじめたきっかけを教えてください。
幼少期からダンスをやっていて。最初はヒップホップという認識すらなかったんですけど、ずっと触れてはいたんですよね。それから4歳離れた姉がAK-69さんを聴いていて、そこから自分でも日本語ラップをディグるようになって。自分的に刺さったのはZORNさんやMACCHOさんとか。当時は自分がプレイヤーになるとは思わなかったんですけど、もともと歌うのが好きだったので、あるオーディションを力試しで受けてみたんです。そこで優勝して自分の曲を作ってもらうことになって、というのがはじまりですね。その半年後くらいに『ラップスタア誕生2024』のサイファーまで残ることができ、以降いろんなライブに呼んでもらえるようになりました。
—これまで発表した楽曲で自身の代表曲を挙げるなら?
“bittersweet”ですね。自分は家庭環境がよくなかったので、家に帰らず友達と遊んでばかりいて。遊ぶ時間だけを切り取ったら楽しいだけの甘い記憶なんですけど、それって本当は家にいたくなかったり、問題から目を背けたかったり、甘いだけじゃないほろ苦い思い出でもあったんです。広島のまわりの友達にも近い境遇の子がいたから、“bittersweet”は仲間たちに聴いてほしい曲として書きました。
昔から“ステージに立ちたい”っていう夢を家族や地元の仲間には話していたんです。だからミュージックビデオも地元で撮っていて、楽曲はもちろん、映像としても思い入れの深い作品ですね。
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—自身のラップスタイルの特徴はどんなところですか?
小さいころからヒップホップだけじゃなくてロックやポップス、いろんなジャンルの音楽を聴いてきて、それぞれの良さを吸収してきた自負があります。わたしの強みとしてのメロディーのあるラップは、他ジャンルからの影響が大きいんだと思います。もちろんリリックを届けることがいちばん大事だと思っているんですけど、音楽である以上、耳で楽しんでもらいたくて。
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—影響を受けた人物は?
ZORNさんですね。わたしが中学生のころにディグるようになってから、最初に印象に残ったのが"My life”で。それから"All My Homies”も。ほんと好きな曲はめちゃくちゃあるんですけど、こんなに全曲食らわされるアーティストってほかにいないなって思います。共感できるリリック、言語化するスキル、発声やフロー……いろんな面で尊敬していて、真似するとかではないですけど“こんなラッパーになりたいな”って思います。
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—今後の予定と将来の展望について教えてください。
今年の2月にアルバム『bud』を出してからいろんなチャンスをいただいている真っ只中なんで、去年よりスピード感を上げて、とにかくたくさんの楽曲を出していきたいなって。ライブはいま『bud』のツアーで全国を回っていて、大きいステージでは『POP YOURS 2025』『MUSIC CIRCUS FUKUOKA』がありますね。
自分はまだ活動のゴールを決めていなくて。でも、自分がどれだけ大きくなったとしても、かならずリスナーの子たちに寄り添うアーティストでありたいなって思います。わたしの経験を音楽に昇華して、“5Leafもこういう思いをしてきたんだ、ならわたしも大丈夫”って思えるような、だれかの背中を押せるような存在になりたいなって。
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