興奮するユリアン・ナーゲルスマン監督
© Alexander Hassenstein/Bongarts/Getty Images
サッカー

【RBライプツィヒ】ユリアン・ナーゲルスマン監督の情熱と才能

UEFAチャンピオンズリーグ 2019-20シーズンでベスト4進出を果たし、同大会ベスト4進出最年少監督記録を更新した若きドイツ人監督が指導哲学や未来について語った。
Written by Ian Chadband
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現在33歳のユリアン・ナーゲルスマンは、現在ヨーロッパで最も勢いのあるサッカークラブのひとつを率いており、先日、チャンピオンリーグ準決勝進出最年少監督記録を更新した。
しかし、ナーゲルスマンがRBライプツィヒでの旅を “チャンピオンズリーグ準決勝” で終えるつもりはない。
「ベスト4最年少チームになれたのは嬉しい話ですし、ベスト4進出最年少監督記録を更新できたのも嬉しかったですよ」と語るナーゲルスマンは、笑顔になって次のように続ける。「ですが、チャンピオンリーグ最年少優勝監督になれた方が嬉しかったですね」
RBライプツィヒがチャンピオンズリーグ準決勝で対戦したパリ・サンジェルマンでキャプテンを務めるチアゴ・シウヴァより2歳も若いナーゲルスマンの活躍は目覚ましく、その記録を成し遂げても誰も驚かなかっただろう。
下馬評は気にしません。どこが相手でもとにかくハードワークするだけです
ユリアン・ナーゲルスマン
しかし、躍進のシーズンを送ったあとも彼は一切浮かれておらず、自分が英雄視していた監督たちにはまだ遠く及ばないと考えている。
ペップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ監督)、ディエゴ・シメオネ(アトレティコ・マドリード監督)、ジョゼ・モウリーニョ(トッテナム・ホットスパー監督)など、僕には沢山のヒーローがいます。彼らとタッチライン上で顔を合わせるのはとても興味深い経験になっています」
「彼らのような偉大な監督たちと交流を深めることは非常に重要です。なぜなら、彼らはいくつものタイトルを獲得していますからね。一方、僕はまだホッフェンハイム時代にU-19ドイツ王座を獲得しただけです。僕はこれだけでは満足できません。もっと多くのタイトルを獲得したいので、彼らから学ぶ必要があります」
シメオネがチャンピオンズリーグ準々決勝で気付かされた通り、ナーゲルスマンの学習スピードは非常に速い。また、ネイマールをはじめとするタレントが揃い、ナーゲルスマンの監督キャリア初期のメンターだったトーマス・トゥヘルが監督を務めるパリ・サンジェルマン戦の前も、ナーゲルスマンはその優れた学習能力の一部を見せていた。
「下馬評は気にしません。どこが相手でもとにかくハードワークするだけです。ネイマール、キリアン・ムバッペ、アンヘル・ディ・マリア、マウロ・イカルディのような得点力に優れたタレントが揃っていて、1分たりとも気が抜けないビッグクラブが相手なら尚更です」
「ですが、パリサンジェルマン戦では攻める必要もあります。彼らは僕たちに攻められるのが一番嫌なはずなので、攻撃の回数を増やしたいですね。僕たちが守備に回ってしまえば、完全に飲まれてしまうでしょう」
RBライプツィヒを率いるユリアン・ナーゲルスマン監督
RBライプツィヒを率いるユリアン・ナーゲルスマン監督
結局、パリ・サンジェルマンに敗れてチャンピオンズリーグはベスト4で終わってしまったが、ナーゲルスマン率いるRBライプツィヒがヨーロッパに新風を吹き込んだのは事実だ。ナーゲルスマンは自分たちのサッカーについて次のように表現している。
「アトレティコ・マドリード戦を確認すれば分かりますが、僕たちは、勇敢で、攻撃ができて、ゴールを狙って90分間戦い続けることができる若いチームです」
膝の怪我でティーンエイジャーで現役引退を強いられたナーゲルスマンはまだ若いが、RBライプツィヒではベテラン監督を思わせる人心掌握術を備えていることをたびたび証明している。
たとえば、アトレティコ・マドリード戦では88分に途中出場のタイラー・アダムスが決勝ゴールを決めたが、ナーゲルスマンは、この21歳の若きアメリカ代表MFが奮起した要因のひとつだった。
この日、アダムスは先発を外れたことに不満を持っていたが、ナーゲルスマンはアダムスのモチベーションを保つことに成功していた。ナーゲルスマンは「アダムスには、途中から入って個性とプレーで試合に大きな変化を加えられる選手が必要だと伝えていました」と振り返っている。
RBライプツィヒのここまでの道のりはあっという間だった。11年前はドイツ5部リーグに所属していたこのクラブは、今やチャンピオングリーグのトップ4に残るまで成長しており、その成長スピードには目まいさえ覚える。しかし、ナーゲルスマンの口ぶりは、我々がまだ何も見ていないように思わせる。
チャンピオンズリーグでさらに試合を重ね、2020-21シーズンのブンデスリーガもトップ4で終えたいと考えているナーゲルスマンは、クラブにフィットする選手 − 彼が言うところの「短期間で急成長できる才能溢れる若手選手」 − を加えたいことを強調し、次のように締め括っている。
「そのような選手たちで補強できれば、僕たちはこれまでと同じスピードでさらに成長するでしょう」
ナーゲルスマンは、RBライプツィヒの未来は2019-20シーズンと同じくらいエキサイティングなものになると信じているようだ。