© Kentaro Matsuda / Red Bull Content Pool
ランニング

世界一過酷な400m走、Red Bull 400とは!? 筋トレ好きライター目線の考察

スキージャンプ台を逆走するレース、Red Bull 400が今年も開催。なんと過去最大となる約2,000名がエントリーしているらしい。なぜ世界一過酷な400m走と言われるのか? トレーニーならではの視点も交え、分析してみた。
Written by alex shu nissen Edit by Hisanori Kato
読み終わるまで:4分Published on
01

プロローグ

“使えない筋肉論争”に終止符を打つ! と意気込んでいた前回のHYROX挑戦では、かなり悔しい結果に終わった。
少し落ち込んでいたところに、また友人からメッセージが。

「Red Bull 400、出てみたら?」

そういえば、SNSで見たことがある。
スキー場の急斜面を駆け上がるレースで、山岳ランナー上田瑠偉選手が60人ごぼう抜きチャレンジをしていた。
どうやら、“世界一過酷な400m走”と呼ばれているらしい。
一体誰が考えたんだ! という、なんともRed Bullらしいエクストリームな競技。
これはリベンジとして不足はない。
筋トレ好きライター、Red Bull 400に挑みます!

© Kentaro Matsuda / Red Bull Content Pool

ということで、トレーニーの視点からRed Bull 400の攻略法を考察していこう(個人の見解です)。
02

Red Bull 400のコースはほぼ崖!?

日本大会の会場は北海道の札幌大倉山ジャンプ競技場。
このトップ選手が滑り降りるスキージャンプの聖地を、下から頂上まで逆走する。普段は立ち入り禁止なので、なんとも貴重な経験だ!

© Suguru Saito / Red Bull Content Pool

距離は400m。短く感じるかもしれないが、もちろんただの400mじゃない。
  • 高低差約130m
  • 最大斜度約37度
  • 制限時間15分
トップ選手のタイムは3分前後。一般参加者は8~12分くらい。400mなのに10分かかる理由は、コースがほぼ崖、むしろ壁だからだ。
過去大会の動画をチェックしてみると、走れるのは最初だけ。途中からはほぼ歩きのスピードで、四つん這いになる人も多い。
短距離でも長距離でもない。もはやランでもなく、ひたすら登る競技のように見える。

© Suguru Saito / Red Bull Content Pool

03

ランナー VS トレーニー。有利なのはどっち?

ここで筋トレライターとして気になるのが、「筋トレしてる人って、この競技強いんじゃないか?」ということ。
Red Bull 400で使う能力を考えると、大臀筋、 大腿四頭筋、ハムストリング、ふくらはぎ、体幹、心肺、乳酸耐性。
もうお分かりですよね?
つまりこれはランニングというより、ほぼ、ブルガリアンスクワット(※)である。
  • ※ 片脚ずつ行うスクワットで、大臀筋と大腿四頭筋に強烈な刺激が入る。避けては通れない下半身トレの王道種目。
普段やっている脚トレが、そのまま武器になる気がする。
もしかするとこの競技こそ、“ランナーよりトレーニーにチャンスがあるレース”かもしれない。
04

最大の敵は重力。つまり、軽い方が有利!?

いや、待てよ。ここで大きな問題に気がついた。

それは、重力!

男子400m走の世界記録は43秒03。一方、Red Bull 400のトップタイムは約3分。同じ400mなのに、こんなにもタイムが違う。これはなぜかというと、もちろん平地ではないからだ。
Red Bull 400のコースの高低差は約130m。つまり自分の体を130m上に持ち上げることになる。
ということは、体重が重いほど、持ち上げる重量も増える。悲しいことに、筋肉が増えて体が重くなるほど、重力は強くなるのだ。
筋肉は上に登る武器になる。しかし体重は重力の負債になる。いかに筋肉を身体に搭載するかを常に考えているトレーニーたちには、厳しい闘いが待っているということか。
この競技に向けた身体作りは、無駄のない筋力と体重のバランスが鍵になりそうだ。
05

【まとめ】結局、最後は根性ってことでしょ?!

トップ山岳ランナーの上田瑠偉選手もこう言っている。

© Jason Halayko / Red Bull Content Pool

「ゴールまでの距離を見ずに、前傾姿勢で今に集中する。レース終盤は、自分の心との勝負です」
なんと彼は、2019年に3分23秒13という驚異のタイムで優勝しているのだ。
20秒遅れてスタートする2024年大会の企画でも、先行の59人をぶち抜く姿がカッコよすぎる。今日からは、完全に自分が上田瑠偉選手になりきったイメージでトレーニングに励もうと思う。彼のようにリズミカルな走りをノンストップでどれだけ保てるかが重要になりそうだ。
重くなる脚。呼吸は限界。心拍数はMAX。でも止まったら終わり。ひたすら上に登り続けるというシンプルな内容だけに、ごまかしの効かない、極限のレース。
身体が限界を迎えても一歩を出す。そのメンタルが問われる競技。たぶん人生で一番長い400mになることでしょう。
またまた最後は精神論という、いかにも脳筋な結論になってしまったが、次回のレース本番レポートもお楽しみに!