Social Innovation

Red Bull Basement 2020:グローバルワークショップ ハイライト&結果

© Mark Roe/Red Bull Content Pool
シャワーの排水を再利用する洗濯機をはじめとするイノベーティブなアイディアが3,800以上集まった “キャンパスライフと世界にポジティブな変化をもたらすグローバルイベント” が無事終了した。
Written by Trish Medalen公開日:
キャンパスライフと世界にポジティブな変化をもたらすアイディアを学生から募集するイベントRed Bull Basement 2020は世界中から3,800組以上の学生チームからの応募があり、過去最大規模となった。
集まったアイディアの大半はサステナビリティをテーマに据えていたが、約1,250組が教育、約1,000組がアクセシビリティをテーマに据えており、スマートシティ代替エネルギーをテーマに据えたアイディアも確認できた。その中で、英国・ブルネル大学でプロダクトデザインを学んでいる2人、パラムビア・バチュ(Paramveer Bhachu)ジョアンナ・パワー(Joanna Power)浄水 / クリーンウォーターをテーマに据えたアイディアを用意した。
英国はあと25年で水不足に陥ると言われているので、恐怖を感じています」と語るパラムビアたちがこの問題を解決するために考えたのが、ほぼすべてのシャワールームの床から集めてフィルターに通した水を再利用する洗濯機《Lava Aqua X》だ。《Lava Aqua X》は時間・経済・資源をセーブしてくれるだけではない。英国内の全学生がこれを使用すれば、スウェーデン総人口分に相当する飲料水が確保できるのだ。
パラムビアは「《Lava Aqua X》は学生にも地球環境にも役立つアイディアです」と語っている。
Red Bull Basement 2020の英国代表に選ばれたチーム《Lava Aqua X》は、ワークスペース、その他リソース、業界トップで活躍するメンターたちからのアドバイスを無償で受けながら5週間をかけてこのアイディアを現実に変えていった。
Red Bull Basement 2020グローバルウィナーに輝いた英国代表《Lava Aqua X》
Red Bull Basement 2020グローバルウィナーに輝いた英国代表《Lava Aqua X》
「最初に得ることができたサポートのひとつが3Dプリンタでした。ノンストップで動かしてプロトタイプを作っていきました」とジョアンナは振り返っている。
パラムビアは「知的財産権意匠権商標の保護についても学ぶことができました。このアイディアを1ヶ月で実現できたので、1年あればもっと凄いアイディアを現実に変えられるかもしれません」と続けている。
5週間を経てアイディアを煮詰めた2人は、グローバルワークショップに参加した。グローバルワークショップは日本代表を含む38カ国の代表チームがバーチャル空間に集い、世界中のヴィジョナリーたちからレクチャーを受けたり、他のチームとのネットワークやコラボレーションのチャンスを得たりできるファイナルイベントで、各チームには【Women in Tech】エスプリ・デボラ(Espree Devora)によるポッドキャストチュートリアル、【Girlboss】創設者ソフィア・アモルーゾ(Sophia Amoruso)の基調講演、セルフリーダーシップや信頼醸成などについてのメンターリングセッションなどが提供された。
「ワークショップでは、他のチームのピッチなど、大学での勉強や普段の生活に役立てられることを学べました」とパラムビアは振り返っている。
ジョアンナは「個人的には、強い意志と優秀なアイディアを備え、世界にポジティブな変化をもたらしたいと思っている素晴らしい人たちに出会えたことで、未来への希望を強めることができました」と続けている。
グローバルワークショップのクライマックスとなったのが上位10チームがVRスタジオでホログラムで行ったファイナルピッチで、マティアス・ハース(Mathias Haas:SuperSocial創設者兼CEO)マンジュラ・リー(Manjula Lee:World Wide Generation創設者兼CEO)ルース・ローワン(Ruth Rowan:NTTチーフマーケティングオフィサー) がジャッジパネルを務めた。
参加チームの投票で選ばれるコミュニティアワードは、消失しつつあるカルチャーを展示するデジタルミュージアムを用意したケニア代表チームのアブドゥル・ラーマン・レムトゥラ(Abdul Rahman Rehmtulla)ハミシ・ローリンズ(Hamisi Rawlins)が獲得した。
情熱を注げるアイディアを持っているなら、恐れずに挑戦してください
パラムビア・バチュ
そして、トップ3には《Lava Aqua X》と、フィールドリサーチ支援ツール《UniThink》を用意したパキスタン代表の女性チーム、手を動かすだけでエネルギーを生み出せるデバイス用充電器《Charging Revolution》を考案したスロバキア代表が選ばれた。
《UniThink》のヒラ・シッディーキーは「今回のワークショップは大きな励みになりました。自分たちについてより深く理解できましたし、自分たちではできないだろうと思っていたことができました。限界は自分で勝手にイメージしているものだということに気が付きました」と振り返っている。
トップ3に入り、さらにはグローバルウィナーに選ばれた《Lava Aqua X》は、製品化に向けてリソースや人脈を引き続き活用できるが、他のチームもRed Bull Basement 2020に持ち込んだアイディアの製品化に取り組み続ける意志があることを明らかにしている。
パラムビアは次世代の学生イノベーターたちに向けて次のようにメッセージを送っている。「イノベーションが本当に必要とされている時代を迎えているので、是非取り組んでみてください。自分が好きなことをやりましょう。自分が情熱を注げるアイディアを持っているなら、恐れずに挑戦してください。あなたたちなら世界を変えられます」