Representing Japan, Ayaka Toyomasu is seen at the Red Bull Doodle Art World Final 2017, held in San Francisco, USA.
© Nicholas Bruno / Red Bull Content Pool
アート&デザイン

【Red Bull Doodle Art】日本人ワールドチャンピオンが語るラクガキアートイベントの魅力

2017年のワールドチャンピオンに輝いた豊増彩華氏がラクガキアートを通じて世界中の人たちと交流できるイベントの魅力について語った。
Written by Trish Medalen
読み終わるまで:4分公開日:
豊増彩華氏は幼稚園からラクガキを続けており、ラクガキなしの人生は考えられないとしている。「私はラクガキが大好きです。自分の原動力ですね」と彼女は語る。
九州産業大学造形短期大学でグラフィックデザインを学んでいた彼女は、2年生だった2017年に教授から【Red Bull Doodle Art】への参加を勧められた。そして、ペンで紙に描かれた彼女の作品は日本予選で優勝し、ワールドファイナル行きの切符を手にしたのだった。
「本当に驚きました」と彼女は振り返る。「自分のラクガキで世界に挑戦するチャンスが得られてとても嬉しかったですね。日本予選で優勝したことを家族や友人が喜んでくれたのは、私の人生で最も幸せな瞬間のひとつでした」
豊増氏は米国・サンフランシスコへ向かい、世界から集まった40人のラクガキアーティストのひとりとしてワールドファイナルに出場した。この瞬間を思い返すと今でも興奮すると彼女は振り返る。
「それまで海外へ行く自分を想像したことがありませんでしたし、“本当にサンフランシスコに行くのかな?” と疑っていました(笑)。私のような若いアーティストに出会えたのは大きな刺激になりましたし、様々な文化的背景を持つ様々な国の優秀な人たちとひとつの場所に集まって一緒にラクガキを楽しめたのは信じられないほど素晴らしい体験でした」
自分と同じくらいの若いアーティストに会えたのは大きな刺激になりました
豊増彩華氏
豊増氏が現地で緊張することはなく、「体験できるすべてのことに興奮を覚えていました」と振り返る。その体験のひとつが、自分のラクガキのレベルアップだった。ワールドファイナルでは参加者が自分のラクガキアートをテクノロジーでレベルアップさせるチャンスが得られる。
サンフランシスコでは、VRギャラリーで自分たちのラクガキアートに命を吹き込むことができた。豊増氏にとってこれは完全に新しいフォーマットだったが、現地でメンタリングを受けられたため、すぐに取り組むことができた。
2017年のワールドファイナルを制した豊増彩華氏のVRラクガキアート

2017年のワールドファイナルを制した豊増彩華氏のVRラクガキアート

© Nicholas Bruno / Red Bull Content Pool

「VRは夢のような体験になりました。自分のラクガキの世界に入り込めたのが楽しかったですね。実は、このときの体験が卒業制作のインスピレーションになりました。卒業制作では3Dのイラストでアートの遊び心と無限の可能性を表現しました」
そして、エキスパートで構成されていたジャッジパネルが豊増氏の作品に圧倒されると、そのあとは豊増氏がグローバルウィナーに選ばれたことに圧倒された。
優勝した瞬間はまるで映画の中にいるような非現実的な感覚でした
豊増彩華氏
「優勝した瞬間はまるで映画の中にいるような非現実的な感覚でした。ジャッジの皆さんからいただいた “あなたのスタイルは非常に特別で、オリジナリティがあり、あなたにしか作り出せないものです” という選評は今も私の心の中に残っています」
大学を卒業した豊増氏は現在佐賀県で暮らしている。介護福祉士として働いている彼女は絵や裁縫を通じて施設利用者たちと日々交流している。彼女は「自分の好きなことをして皆さんを助けられていることに感謝しています」と語る。
豊増氏はオフの時間も絵や裁縫、ミニチュア製作でクリエイティブな才能を発揮している。彼女は2017年がアーティストとしての自分のターニングポイントになったと感じているようだ。
「【Red Bull Doodle Art】は、世界に飛び出せば情熱とエナジーに満ちた楽しい人生が送れるということを考えるきっかけになりました」と語る彼女は、それまでは比較的 “静か” な人生を送ることを想像していたと続ける。
「サンフランシスコは人生最高の時間でした。毎日アートに囲まれていましたし、若いアーティストの皆さんと一緒に過ごせたことで絵を描くのが好きなことと世界は広いことに気づけました」
「それまでは、私と絵を描くことは別々だったのですが、今は私と絵を描くことは同じです。“絵を描く” は私が得意なことではなく、私のアイデンティティなのです」
【Red Bull Doodle Art 2023】の日本予選(豊増氏も審査員を担当)は広島市立大学で学ぶYoh K.氏が優勝した。5月末にはYoh K.氏を含む世界各国の予選通過者たちがワールドファイナルの開催地オランダ・アムステルダムに集結する。豊増氏はワールドファイナルへ向かうアーティストたちに次のアドバイスを送っている。
「全員と友だちになってください。素晴らしい体験をしながらクリエイティブな人たちと出会える【Red Bull Doodle Art World Final】は想像を遙かに超える忘れられない日々になります。今年も素晴らしいイベントになるはずです」
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