これまでメッセンジャーたちのヨーロッパ大会から、パリで行われた世界大会までを紹介してきた。メッセンジャーという職業がいかに世界中に独自のネットワークを持ち、長い期間をかけてそれを育て、文化として発展して来たか。そういった部分も伝えて来た。それぞれの都市にいるメッセンジャーが他国のメッセンジャーをサポートする習慣は、グローバル化された社会でより絆を深くしている。インターネットで個々が簡単に繋がれる環境をメッセンジャーはポジティブで有意義に使っているように感じる。なかでもそんな環境をフルに使って活動する世界18都市のメッセンジャークルー「SLOW SQUAD INTERNATIONAL」(以下SSI)の動画を紹介する。
SLOW SQUAD INTERNATIONAL EUROBEAT TOUR 2016
SSI各国のメンバーは、それぞれが撮影した映像をみんなで共有し動画の制作をしている。SNSを見ていても感じるが、スマートフォンを持ち歩く多くの人がカメラマンであり、スマートフォンさえあれば映画さえ作れてしまうような昨今。クリエイティブを日常の生活へ自然と取り入れるのがSSIの考えである。自転車にGoProを取り付けたり、散歩しながら動画を回したり。カッコつけずに、普段のままの、素人くささが残った動画がちまたに溢れる”綺麗っぽい動画”より個人的に好みで、よりリアルさを感じる。この動画は記事( vol.1~)でお伝えしてきた、デンマークからパリのCMWCまでの様子を数カ国のメッセンジャーが撮影したものだ。それぞれが別々に旅をしながら、最終的にはパリの世界大会で合流する。こういった旅をメッセンジャー達は、毎年楽しみにしている。そして新しい仲間が増えていく。CMWC(Cycle Messenger World Campionship)は25年間続いている年間行事でもある。
SLOW SQUAD TOKYO CHAPTER 「#stillskidding 」
この動画は、SSIが誕生した日本ツアーでの映像。MASHの来日時に行なわれたアーレーキャットや、東京でのメッセンジャー生活、ストリートライディングが収められている。他にもオリジナルメンバーであるシドニーのマックスやマーセル、東京のフォーショーが、大阪や京都をママチャリで旅した映像を収録。ふざけた作品なのでリラックスしてチェックして欲しい!
[ Bikepacking in Japan ] INTERNATIONAL KOOK EXCHANGE PROGRAM
おまけは、2017年の夏、バイクパッキングの映像。先日発売されたLOOP MAGAZINE(vol.24)で紹介されたINTERNATIONAL KOOK EXCHANGEの日本でのバイクパッキング動画。富士山付近のトレイルライドをしていた、マーセルとジョージャと合流し、湖でキャンプ。自然の中でのライディングをKOOK流にエンジョイ!!
SLOW SQUAD INTERNATIONALの動向がメッセンジャーたちのアクションの全てではないが、ノリやピースフルな行動、雰囲気は世界のメッセンジャーに共通する部分。スケーターやスノーボーダーたち同様にメッセンジャーという生き方にも注目してみてもいいんじゃないだろうか。
■記事協力
最新のバイシクルカルチャー発信する『LOOP MAGAZINE』
■過去記事
■Profile
Kosuke Aoki
ニューヨークでミクストメディアアート、ノイズバンドの活動を経て、帰国後2007年より東京にてメッセンジャーとなる。同時に東京のメッセンジャーシーンをはじめ、様々なアンダーグラウンドカルチャーの撮影を開始し、フォトグラファーとしてのキャリアをスタート。現在は活動の幅を広げ、世界各地のメッセンジャーやそれにリンクするカルチャーの取材を精力的に続けている。
【Instagram】toydog88