Red Bull Stratosのミッションに挑む
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人類の歴史に新たな一歩が刻まれる『Red Bull Stratos』が成功!

前代未聞のスカイダイビングプロジェクトが見事成功し、合計4つの世界新記録を樹立!!
Written by Red Bull
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『Red Bull Stratos』が成功!!

『Red Bull Stratos』が成功!!

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Red Bull Stratos』の舞台裏を追ったドキュメンタリーが公開中。試聴はこちらをクリック>>
10月14日(日)昼 【日本時間 10月15日(月)早朝】、レッドブル・アスリートのフェリックス・バウムガートナー(オーストリア人、43歳)が、アメリカ合衆国 ニューメキシコ州ロズウェル上空38,969.4メートル(127,900フィート)の成層圏からジャンプし、フリーフォールの世界新記録の樹立と、高高度での安全性の発展に向けた情報収集を目的としたミッション、Red Bull Stratos(レッドブル・ストラトス)を成功させました。
フェリックス・バウムガートナー

フェリックス・バウムガートナー

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今回、フェリックスとレッドブル・ストラトス・チームが達成した世界新記録(暫定)は下記の3つです。
1)動力補助不使用での音速を超える人類初のフリーフォール(スカイダイビング)
─ 時速1,357.6km(マッハ1.1)
2)最高高度からのフリーフォール(スカイダイビング)
─ 38,969.4メートル(127,900フィート)
3)フリーフォール(スカイダイビング)における最長垂直落下
─ 36,402.6メートル(119,400フィート)
※フリーフォール時間は4分20秒
Red Bull Stratos

Red Bull Stratos

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これにより、フェリックスはアメリカ空軍大佐(当時)、ジョセフ・キッティンガーが1960年に樹立した31,333メートル(102,800フィート)からのフリーフォールの記録を更新。また1947年10月14日に、アメリカ空軍のパイロット、チャック・イェーガーが実験用ジェット機で樹立した人類初の音速超えの記録を、65年後の同日(現地時間)にスペース・スーツの着用と重力による落下だけで達成しました。
また、今回のミッションでは超音速への加速や減速時に人体へどのような影響があるのかを調査するため、フリーフォール最中のフェリックスの体温・心拍数・心電図などをモニタリング。今回のミッション用に開発したスペース・スーツや最先端の安全システムを有するパラシュート、ジャンプの際の一連の確認事項や手順などと合わせ、今後の高高度での活動に役立てる予定です。
ミッションを成功させたフェリックスは着陸後「離陸は完璧でしたが、バイザーの動力に問題が発生したり、落下中に激しく回転したりと、非常に浮き沈みの激しい一日でした。回転し始めた際は2、3回転位はするかもしれないと思っていましたが、回転の速度がどんどん速くなっていき、一瞬気を失うかと思う程でした。態勢を元に戻す事に必死で、ソニックブームには全く気付きませんでした。想像していた以上に難しいプロジェクトでした」とコメント。 
最高高度からのフリーフォール、動力補助不使用での音速を超える人類初のフリーフォール、フリーフォールでの最長垂直落下と、3つの世界新記録を同時に樹立したRed Bull Stratosの成功により、人類の歴史に新たな一歩が刻まれました。

Red Bull Stratosハイライト映像

8分

Red Bull Stratos

世界記録を樹立し、文字通り人類史にその名を刻んだプロジェクト『Red Bull Stratos』。挑戦者、フェリックス・バウムガルトナーが自身のカメラで撮影した落下中の映像をご覧あれ。

チームメンバーの紹介

フェリックス・バウムガートナー/Felix Baumgartner
レッドブル・ストラトス・パイロット
誕生日:1969年4月20日
出身:オーストリア
職業:スタント・コーディネーション、B.A.S.E.ジャンプ、フリーフォール撮影、スカイダイビング
経歴:
【1997年】
アメリカ、ウエスト・バージニア州にてB.A.S.E.ジャンプの世界タイトルを奪取
【1999年】
マレーシア、クアラルンプールのペトロス・ツインタワーからのB.A.S.E.ジャンプでビルからのB.A.S.E.ジャンプ世界記録を樹立
ブラジル、リオ・デ・ジャネイロのChrist the Redeemer像からの世界最短落差 B.A.S.E.ジャンプ記録を達成
【2001年】
ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにおいて開催されたワールド・スポーツ・アワードにおいて、エクストリーム部門にノミネートされる
【2003年】
ドーバー海峡の両端、ドーバーからカライスまでの距離を、高さ32,808フィート(約10,000m)から世界で初めて、ウィングスーツを着用してスカイダイビングによる横断を成功させる
【2004年】
クロアチア、Velebit国立公園内の深さ623フィート(約190m)の洞窟内へ B.A.S.Eジャンプを成功させる
【2007年】
台湾、台北市に位置する世界で最も高いビル(当時)、101タワー(1,669フィート、約509m)からのB.A.S.Eジャンプを成功させる
B.A.S.E.ジャンプは、ビルディング(Building)、アンテナ(Antenna)、橋桁を表すスパン(Span)、断崖等の自然を表すアース(Earth)の頭文字と、飛び降りる場所としてのベース(BASE)の意味があります。飛行機から飛び降りるスカイダイビングと比べて非常に危険で、エクストリーム・スポーツの中でも最も高度な技術を要する競技とみされています。
ジョー・キッティンガー/Joe Kittinger
アメリカ空軍(退役)、ジョー・キッティンガー大佐
レッドブル・ストラトス・フライト・オペレーションズ・アンド・セイフティー、カプコン
宇宙の探求という分野において、ジョセフ・キッティンガーという名前は必ずしも有名ではない。しかし、彼の素晴らしい勇気と度胸を持って残された功績は、間違いなく宇宙科学の陰の功労者として賞賛に値するものだ。
キッティンガーの偉業は、宇宙飛行士がプレッシャー・スーツ(加圧されたスペース・スーツ)を着ただけの状態で過酷な成層圏を生き永らえることを示し、人間が超高度の上空から飛び降りて生還できることを証明した。そして40年以上を経た今も、パラシュート・ジャンプの世界記録はキッティンガーのもとにある。キッティンガーは18,000フィート(約5,500m) の高さでパラシュートを開くまでの、実に4分36秒もの間、フリーフォール(自由落下)を経験した。飛んでから地上に降り立つまでの合計時間は13分45秒、速度は時速614マイル (時速 約988km)、マッハ0.9に等しい速度に到達した。
マール・ヒューエット/Marle Hewett
プログラム・マネージャー&シニア・フライト・テスト・エンジニア
航空宇宙産業のシニア・コンサルティング・エンジニアで、NASAドライデン・フライト・リサーチ・センターのエンジニアも務めた。
退役海軍司令官のマール・ヒューエット博士は、アメリカ海軍学校のエアロスペース・エンジニアリング部門を統括した。レッドブル・ストラトスのオペレーションをコーディネートしており、テストや打ち上げの手順を指揮している。航空宇宙産業のシニア・コンサルティング・エンジニアであるマールは、設計、飛行テストのエンジニアリング、管制、パフォーマンス、安定性、そして非常時の安全分析に精通している。
20年にわたる軍隊でのキャリアで、パイロットそしてテストパイロットとして勲章をもらい、飛行テスト部門でのフライング・クオリティーズ・パフォーマンスのトップ、アメリカ海軍学校のエアロスペース・エンジニアリング部門の代表を務めた。その後、ノースドロップ、NASAドライデン・フライト・リサーチ・センター、そしてスパイラル・テクノロジーのエンジニアを務めた。G&Cシステムのファウンダーとして、世界的に好評を得た飛行テスト・ソフトウェア・プランニング・パッケージを開発し、アラバマ大学のハンツビル部門で飛行テスト・エンジニアリングを教えている。
アート・トンプソン/Art Thompson
Sage Cheshire Aerospace, Inc. 副社長
このプロジェクトに必要なチームを編成し、エンジニアリング・プログラムの陣頭指揮を執るのがこの人物である。そして、プロジェクトに必要とされるあらゆるエンジニアリングの技術要件を計算し、例えば、カプセルのデザインに至るまでの細部にわたって全体の計画を立案する。特に、彼のチームのビル・ドッドゾンは、プレッシャー・カプセルのCFDエンジニアリング、そして統合されたシステムを作り上げる。 Sage Cheshireは、NASAを始めとした世界各国の宇宙開発機関に対して、宇宙探査機械や乗り物のデザイン、エンジニアリング、製造に至るまでのサービスを提供してきた世界のリーディング・カンパニーである。30年以上に渡る先進的な設計経験で航空宇宙産業に大きな足跡を残してきたこの会社において、アートはB-2ステルス戦闘機を始めとした最新鋭航空機の開発に深く携わってきた。
ルーク・エイキンス/Luke Aikins
スカイダイビング・コンサルタント
ルーク・エイキンスは、20年で16,000回以上のスカイダイビングの経験を持つプロのスカイダイバーであるルーク・エイキンスは、生涯にわたって航空において並々ならぬ挑戦に取り組んでいます。彼は、フェリックス・バウムガートナーが降下中に見舞われる危険の高い状況を想像し、組み立て、安全に解決することができるバックグランドと身体意識を持つ数少ない人間だ。新しいパラシュート機構、減速用パラシュート展開機構や最善な飛行姿勢の決定へ助言をしつつ、ルークはミッションチームのために、最悪を想定したシナリオにもテストの被験者として快く身を投じた。彼は、フェリックスともマンツーマンで集中的に空中でのトレーニングセッションを行っている。
ルークの隠れた努力により、フェリックスはプレッシャー・スーツのフィッティングやカプセルの操作訓練のような準備に集中できるようになる。酸素ボンベやカメラの位置のフェリックスの重心に影響や、またスカイダイビングにおけるフェリックスの技術を評価するために、フェリックスと一緒に28,000フィートの高度からテストジャンプを行っている。ルークは、フェリックスが120,000フィートの高度からの挑戦を成功させるために欠くことのできないメンバーだ。
アンディ・ウォルシュ/Andy Walshe
ハイ・パフォーマンス・ディレクター
フェリックスがミッション中に最高のパフォーマンスを発揮できるようサポートをする、華やかではないがレッドブル・ストラトスのようなミッションには必要不可欠な存在である。
アンディ・ウォルシュ博士は、レッドブルのグローバル・アスリート開発プログラムのハイ・パフォーマンス・ディレクターとしてレッドブル・ストラトスのプロジェクトに参加している。プログラムでは、業界をリードするスポーツ科学者、栄養士、生物力学の専門家、そしてスポーツ心理学者からなるチームを統括しており、数多くのインターナショナル・アスリートたちと仕事をするとともに、優れたスポーツ・パフォーマンス・モデルを開発している。
またレッドブル・ストラトスのパフォーマンス・マネージャーとして、アンディと彼のチームはフェリックス・バウムガートナーの身体的そして心理的な準備を包括するパフォーマンス・プランの実行を支援し、ハイ・パフォーマンスを管理とミッションチーム全体をサポートしている。
アンディの専門は人類の潜在性を引き出す計画的な方法論を提供すること。彼は世界中のビジネス、スポーツ、そして軍組織のコンサルタントです。生物力学(動作の科学)の博士号を持ち、パフォーマンス・トレーニングにおける専門知識のコーチングに応用しており、過去にアメリカのスキーとスノーボードのオリンピック・チームのために成功率を高めるパフォーマンス・プログラムを立案し、世界の舞台で多くのアスリート達を勝利に導いている。
マイク・トッド/Mike Todd
プレッシャー・スーツのテスト・アドバイザーと管理を兼任
アメリカ軍や、高度飛行の分野にプレッシャー・スーツを導入してきた経歴によって、彼は周囲からの揺るぎない尊敬と信頼を勝ち取った。彼の担当範囲は広く、エンジニアリング、システム・デザイン・エンジニアリング、コーディネーション、ハンドリング、オペレーション、プレッシャー・スーツのフィッティング、パラシュート・リカバリーシステムのコーディネートとサポート、トレーニングと研究室のオペレーション、カプセルの装備の配置とデザイン等、多岐に渡る。国内でも有数のプレッシャースーツ・プロバイダー、デビッド・クラーク・カンパニーの出身である。
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