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サイクリング

ロードバイク:無視すべきアドバイス

一般常識とされてきたことが実は間違いだったということは良くあるが、ロードバイクの世界も変わらない。役に立ちそうで役に立たないアドバイスが存在するのだ…。
Written by Ben White
読み終わるまで:5分Published on
ロードバイクの世界にはありとあらゆるアドバイスが溢れているが、その中には正しいものもあれば間違ったものもある。以下に紹介するのは、まともに聞こえるが、実は無視すべきアドバイスだ。

間違ったアドバイス1:「タイヤの空気圧はなるべく高くしろ」

かつてのロードバイクのタイヤのセットアップは極めてシンプルだった。昔のサイクリストたちはできるだけ細いタイヤを装着し、可能な限り高い空気圧を設定していた。これが転がり抵抗を少なくすると思われていたのだ。
しかし、競輪用ベロドロームのような極めて平滑な路面でもない限り、ワイドタイヤ+低空気圧で走った方が遙かにベターだ。まずは25c、もしくは28cのタイヤを選び、空気圧は95psi前後を基準にすると良いだろう。
ワイドタイヤは路面の微妙な凸凹を吸収するため、結果として転がり抵抗を低減する。また、ワイドタイヤなら注入される空気量も増えるので、乗り心地も快適になり、リム打ちパンクに対する耐性も高くなる。

間違ったアドバイス2:「ロングライドやビッグレースの前夜は炭水化物を大量摂取せよ」

ロングライドやビッグレースの前夜に500gほどのパスタを腹に詰め込めば、確かに体内のエナジーは満タンになるだろう。しかし、これが理想的な状態かどうかは別問題だ。
炭水化物を大量摂取すると、翌朝に酷い膨満感に悩まされる場合がある。前夜に胃の中へ流し込まれた食べ物を完全に消化できていないからだ。
これを避けるためには、栄養バランスに優れた食事を適量で抑えておく必要がある。忘れないで欲しいのは、ライディング中に補給することだ。これができれば、ペダリングが快調に進み、ロングライドの最中に腹を壊して草むらに駆け込むこともないはずだ…。

間違ったアドバイス3:「冬にグローブを着けるな」

サイクリングの世界には古くて男臭い迷信がいくつか残っているが、その最たるものが「冬はグローブを着けるな」というアドバイスだ。寒さへの耐性を高めることが目的らしい。
もちろん、これは完全なるナンセンスだ。自分を屈強なベルギー人サイクリストのように見せたいならどうぞご自由に、といったところだが、我々はライディング中に手の感覚を保っておきたいので、冬は保温性に優れたグローブを常に用意するつもりだ。

間違ったアドバイス4:「ステムの位置は低くしろ」

これは、プロライダーの多くがそうしているように、ステムを目一杯低いポジションにしておく方がベターというアドバイスなのだが、ちょっと待ってもらいたい。そもそも我々はアマチュアで、プロのように気が遠くなるほどの時間をかけて体幹を鍛えているわけでもなければ、低いステムのバイクの上で極端な姿勢を保てるほどの柔軟性もない。
確かに、ステム位置を下げれば空気抵抗を低減できるが、その代わり身体の特定の部分に望ましくない負担がかかってしまう。愛車のルックスがどれだけクールになろうと、これは避けたい。ステムの位置を適度な高さに設定し、身体に不要な負担をかけることなくサイクリングを楽しもう。

間違ったアドバイス5:「脚力アップを狙うなら常にハイギアで走れ」

常に高いギアで走れば脚力がアップできるというアドバイスには、いくらかの真実が含まれているが、高いギアのライディングは "適宜" 使用するトレーニング方法で、"常時" ではない。
トラックスプリント競技専門のサイクリストならともかく、基本的にサイクリングは有酸素スポーツであり、強い脚力の必要性は比較的小さい。さらに言えば、常に高いギアでライディングをしていると膝に過度な負担をかけてしまい、怪我を誘発する恐れもある。
高いギアを使ったライディングは適宜取り入れつつ、時間をかけて負荷を高めていくのが正解だ。

間違ったアドバイス6:「冬のライディングはペース維持を重視せよ」

これもまた典型的な過去の迷信のひとつだ。冬の間、一定のペースでライディングを続ければ、体力維持には確かに効果的だが、レースシーズンを迎える頃にはスピードを失っている。
現代は正しい知識が広まっており、サイクリストたちの大半は冬の間に高強度トレーニングも取り入れている。週末のグループライドで単発的な高強度スプリントをこなしている人がいれば、毎週ジムでインターバルトレーニングをこなしている人もいる。オーバートレーニングにならない限り、高強度トレーニングはトップスピードを高めてくれるので、春のシーズンスタートを万全の状態で迎える助けになるはずだ。

間違ったアドバイス7:「クランクは長いほどベター」

長いクランクはより大きなパワーを伝えられるので、クランクは長ければ長いほど良いとされてきた。長いクランクがより大きなパワーをペダルに伝えられるのは事実だ。しかし、これはペダルストロークで脚を大きく動かさなければならないことを意味する。
このデメリットを考慮すると、長いクランクがもたらすパワー上のメリットは差し引きゼロになる。通常のクランクでやや低めのケイデンスでペダリングした時のパワーとほぼ変わらないのだ。
というわけで、かなりの高身長でない限り、クランクの長さは気にしなくても良い。大半のサイクリストは165mm〜175mmのクランク長で問題ないはずだ。