Artwork for Sonic CD
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ゲーム

『SEGA AGES』に登場してもらいたいクラシック 10本

あの金庫の扉が再び開かれる…。Nintendo SwitchでプレイしたいSEGAのクラシックタイトルをリストアップ!
Written by Damien McFerran
読み終わるまで:10分Published on
Nintendo Switch版バーチャルコンソールの公式発表を待ち続けるのに耐えられなくなったのか、先日、SEGAがNintendo Switch向けにクラシックタイトルシリーズを独自にリリースすることを発表した。
日本が誇るデベロッパーが以前から手掛けてきた「復刻プロジェクト」の完全リニューアルとなる今回の『SEGA AGES(セガ エイジス)』は、マークIIIメガドライブサターンドリームキャストアーケード筐体などを含む、全SEGA製プラットフォームから選りすぐったクラシックタイトルをカバーする予定だ。
2018年4月18日現在、『SEGA AGES』には『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(メガドライブ)、『アレックスキッドのミラクルワールド』(マークIII)、『ファンタシースター』(マークIII)、『ゲイングランド』(アーケード)、『サンダーフォースIV』(メガドライブ)の5タイトルが用意されることが決定しているが、SEGAは自社開発タイトルの全てを対象にすることを明らかにしているので、我々は今後の予定について自由きままに妄想している。
というわけで、今回はNintendo Switch版『SEGA AGES』で是非ともプレイしたいクラシック10タイトルをピックアップしてみた。

『AZEL -パンツァードラグーン RPG-』

サターンからの『ファイナルファンタジーVII』への回答だった『AZEL -パンツァードラグーン RPG-』は、1998年にリリースされると同時に高評価を勝ち取ったが、サターン本体のセールスが海外では振るわなかったため、このゲームは北米と欧州ではほとんど流通せず、現在でも中古が高額で取り引きされている。
しかし、「レアだから」という理由だけで高額で取引されているわけではない。革新的なバトルシステム、美麗なヴィジュアル、ゴージャスなサウンドトラック、魅力的なストーリーを備え、4枚組としてリリースされた『AZEL -パンツァードラグーン RPG-』は史上最高のRPGタイトルのひとつだ。
しかし、Nintendo Switchでリリースされる可能性は難しいと言わざるを得ない。SEGAがこのゲームのソースファイルを紛失したと言われているからだ。Nintendo Switchへ本当に移植されるとしても、実現までにはかなりの時間が必要になるだろう…。

『ファイターズメガミックス』

SEGAの格闘ゲームについて話をすれば、『バーチャファイター』の名前が必ず挙がる。では、なぜ我々はこの名作をリストアップしないのだろうか? 理由はたったひとつ… 単純な答えだ。そう、『バーチャファイター』と、同じく優秀なアーケード格闘ゲーム『ファイティングバイパーズ』のキャラクターを同時収録した『ファイターズメガミックス』が存在するからだ。
この2タイトルの組み合わせは『ファイターズメガミックス』を “天国で作られた格闘ゲーム” と言えるゲームにしており、『バーチャファイター』の奥深いゲームプレイと、『ファイティングバイパーズ』の壁に囲まれたリングと革新的な “アーマー” システムを同時に楽しむことができた。
また、『バーチャコップ2』のジャネットや『デイトナUSA』のホーネットなど、様々な隠しキャラクターも含まれていた。そう、このゲームでは “” で戦うことができたのだ。

『ゴールデンアックス デスアダーの復讐』

ゴールデンアックス』シリーズはSEGA最大のアーケードヒットのひとつだが、その理由は、SEGAが『ダブルドラゴン』スタイルのゲームプレイに映画『コナン・ザ・グレート』的世界観を組み合わせて非常に素晴らしい横スクロールアクションタイトルを実現していたところにある。
1989年にリリースされた第1作もメガドライブの移植版と共に大ヒットとなったが、シリーズ最高傑作とされているのが、1992年にアーケードで稼働したこの続編だ。
ゴールデンアックス デスアダーの復讐』は第1作のすべてをレベルアップしており、スプライトはさらに大きくなり、キャラクターは増え、ステージも広がっていた。しかし、悲しいことにこのレベルアップがメガドライブへの移植を不可能にしてしまった。最終的にメガドライブでは、第1作のメガドライブ版を多少進化させただけの別作品『ゴールデンアックスII』と、方向性を変えたものの内容は平均的だった『ゴールデンアックスIII』が用意された。
是非ともSEGAにはこの過去の失敗から学んでもらい、SEGAアーケードタイトルのベストに数えられる『ゴールデンアックス デスアダーの復讐』の正規移植版を『SEGA AGES』としてリリースしてもらいたい。

『エターナルアルカディア』

どの家庭用ゲーム機にも優秀なJRPGが1本は必要だ。ドリームキャストのそれに相当するのが『エターナルアルカディア』だった。
空中に浮かぶ島と “空賊” で満たされた世界を舞台にしたこのユニークな作品は、この128ビット機を代表するゲームのひとつで、魅力的なゲームプレイを心ゆくまで楽しむことができた。
ドリームキャストでリリースされてからまもなくしてゲームキューブ版もリリースされたが、それ以来、SEGAはこのシリーズに一切手をつけていない。Nintendo Switchでの再発は、ファンの溜飲を下げると同時に、何百万人もの新規プレイヤーにその素晴らしい魅力を体験してもらう最高のチャンスになるはずだ。

『バーニングレンジャー』

今となっては信じられないが、サターンでは『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズの新規タイトルがリリースされなかった。
ソニック3Dブラスト』の移植版『ソニック3D フリッキーアイランド』、レーシングゲームの『ソニックR』(『マリオカート』にやや似ているがカートは登場しない)、そしてメガドライブ時代の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズをコンパイルした『ソニック ジャム』はリリースされたが、“オリジナル” は用意されなかったのだ。
しかし、ソニックチームがこの32ビット機の時代をただぼんやりと過ごしたわけではない。彼らは名作『NiGHTS into Dreams…』を開発した他、サターン最高難度と言われるこの『バーニングレンジャー』も開発した。
近未来が舞台に設定されている『バーニングレンジャー』は、ハイテクレスキューとして炎に包まれたビルに進入して生存者を救出することが目的に据えられており、ボイスガイドに従って屋内を進むユニークなシステムと美しいヴィジュアル、臨場感溢れるサウンドエフェクトが用意されている。
間違いなくサターンのベストゲームのひとつと言える『バーニングレンジャー』は『SEGA AGES』の有力候補だ。

『魔王ゴルベリアス』

海外のゲームファン全員が『ゼルダの伝説』シリーズに夢中になっている頃にリリースされた『魔王ゴルベリアス』は、マークIIIの熱心なファン以外には不当に無視されてしまった。
リンクの冒険』のような見下ろし画面と横スクロール画面を組み合わせたシステムに、ショップ、アップグレード可能な武器、パワーアップアイテムなどの典型的なRPG要素を加えていたこのゲームは、8ビットとしては実に優秀なヴィジュアルと美しい音楽を誇っていた。もう少し注目されても良い "忘れられたクラシック" と言える作品だ。

『ヘルツォーク・ツヴァイ』

ヘルツォーク・ツヴァイ』は、正確に言えばSEGAが開発したゲームではないが、オリジナルデベロッパーのテクノソフトが開発した全タイトルの権利をSEGAが買い取ったため、現在、このユニークなリアルタイムストラテジータイトルはSEGAのゲームとなっている。
リアルタイムストラテジー / RTS” という単語がまだ存在しなかった時代に開発されたこのゲームは、『Dune II』や『コマンド&コンカー』シリーズの先駆けで、プレイヤーはロボットに変形可能な戦闘機を操作し、ユニットの生産・配置などを繰り返していく。最終目的は敵基地の破壊で、プレイヤーは本拠地を守りながら、マップ上の拠点を巡回して戦力を高めていく。
2プレイヤーモードも非常にユニークで、『Airmech Arena』のクリエイターはこのメガドライブの名作からインスピレーションを得たとしている。

『シャイニング・フォースIII』

SEGAの『シャイニング』シリーズは今も続いているが、このシリーズを生み出したデベロッパー、キャメロットはもう関わっていない。近年の彼らは『黄金の太陽』シリーズや『マリオゴルフ』シリーズ、『マリオテニス』シリーズなど、任天堂タイトルの開発に携わっている。
シャイニング・フォースIII』はキャメロットが開発に携わったシリーズ最後の作品で、今もシリーズ最高傑作と高く評価されている。ただし、日本で3部作展開されたものの、海外では第1部しかリリースされなかったため(当然ながら海外では高額で取引されている)、『SEGA AGES』は、3部作としてグローバルリリースし、世界中のプレイヤーに世界最高のタクティカルRPGのひとつをプレイしてもらうビッグチャンスになるだろう。
我々は同じくサターンでリリースされた『シャイニング・ザ・ホーリィアーク』の『SEGA AGES』版のリリースにも期待している。

『ソニック・ザ・ヘッジホッグ CD』

多くのファンが『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズ最高傑作としている『ソニック・ザ・ヘッジホッグ CD』は、世間の期待に応えられなかったメガドライブの周辺機器 “メガCD” 専用タイトルとしてリリースされたことが裏目に出てしまった不運な1本だった。
ソニックマニア』を除き、近年の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズがどれもいまいちなので、にわかには信じられないかもしれないが、SEGAが生み出したハリネズミは、かつて “世界を驚嘆させる” 存在として扱われており、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ CD』も、オリジナルと第2作のスピードを維持しながら、各ステージの過去と未来を行き来できる画期的なタイムワープシステムが組み込まれていた。
『ソニックマニア』の開発にも携わったChristian Whiteheadによる優秀なゲームアプリ版が、この名作がこの世から消えていないことを証明しているが、Nintendo Switchでのリリースはこの名作の評価をさらに高めてくれるはずだ。

『SCUD RACE』

『ゴールデンアックス デスアダーの復讐』と同じように、『SCUD RACE』(海外では『SEGA SUPER GT』)もアーケードから移植されなかった名作のひとつだ。
1996年にSEGAの優秀なアーケードゲーム基板MODEL3を組み込んでリリースされた『SCUD RACE』は、サターン版とドリームキャスト版がリリースされると噂されていたが、結局移植されずに終わった。よって、このゲームを実際にプレイした経験があるSEGAファンの数は多くない。
デイトナUSA』と『セガラリーチャンピオンシップ』に一切引けを取っていなかった『SCUD RACE』には、Porsche 911McLaren F1など公式ライセンスを取得したマシンが多数収録されていた。
『SEGA AGES』でプレイしたいクラシックタイトルはあっただろうか?
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