SiM02
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ミュージック

SiM楽曲インタビュー

曲作りの裏話、SiM目線。
Written by 阿刀大志
公開日:
 
 
先日情報が解禁され、多くのラウドロックリスナーを驚愕させたSiMとCrossfaithによるコラボレーション楽曲「GET iT OUT」。今回はこの楽曲制作の裏側を探るためにSiMのメンバーに話を聞いた。大した苦労もなかったかのように制作を振り返る4人だが、彼らの口から語られるエピソードは耳を疑うようなものばかり。この話題沸騰のコラボレーション楽曲は、前代未聞のレコーディングの末に生まれたものだったのだ──。
──SiMとCrossfaithの初対面はいつ頃だったんですか?
MAH(Vo) 2008年頃、僕らが今のメンバーになる前、大阪のCLUB DROPってハコで対バンしました。Crossfaithのメンバーはまだ高校生ぐらいだったのかな? お客さんは10人ぐらいしかいなかったんですけど、とにかく格好よかったからCDを交換して、たくさん喋ったのを覚えてます。いい意味で日本人臭さがなくて、ああいうメタルコアをやってるバンドを他に知らなかったんでとても衝撃を受けましたね。
SHOW-HATE(Gt) 当時は自分たちも尖ってたから、他のバンドをあまり好きになる感じじゃなかったんですけど、ライブを観て素直に「こいつら、別格だわ」って思いましたね。
MAH あと、その時にもらったCDを機材車の中でよく聴いてたんですけど、うちのバンド内でも「また一緒にやりたいね」って話をするようになりました。そうこうしてる間にあいつらが最初のCDを出して、そのツアーファイナルに呼んでもらったんです。そこにいたSiM以外のバンドは全部ハードコアバンドだったし、SiMはもっとレゲエの要素が強かったんですけど、Crossfaithが「ハードコアのファンにあえてSiMみたいなバンドを見せたいんですよ!」って言ってくれて。それ以来自分たちのツアーにも呼んだりして、「対バンどうする?」 って話になると最初に名前が出てくるバンドのひとつになりました。
─Crossfaithの魅力はどういうところですか?
SHOW-HATE ハードコアだけじゃなくて、他のジャンルとクロスオーバーしてるところにSiMと通じるところがあるというか。人間的にも面白い奴らなんで、一緒にいると楽しいですね。
──ところで、今回の曲作りはどうやって進んだんですか?
MAH 限られた制作期間の中で、お互いの良さを表現するためにはどうすべきかを考えました。結果、僕が曲を作って、この話をもらって2週間後に2バンドのメンバー全員にデモを聴いてもらって「これでいいですか?」っていう感じで進んでいきましたね。
──Crossfaithのメンバーの反応はどうでした?
SHOW-HATE ─CrossfaithのKoie(Vo)のモノマネで─「めっちゃええやん! めっちゃええやん!」って(笑)
MAH その後、Crossfaith側が細かい希望を挙げてくれて、それをSiMメンバーが総合的にまとめてレコーディングしたって感じです。
──MAHさんとしては、Crossfaithをイメージしてのデモ作りは難しくなかったですか?
MAH あいつらのことはずっと知ってるし、“Crossfaithの曲を自分が書くとしたら”みたいに遊びで妄想したりもしてたので自然にできましたね。
──3人は曲を聴いてどんな感想を持ちました?
SHOW-HATE 素直にCrossfaithとばっちり合いそうだなって思いましたね。そのうえで、レゲエパートも入っててSiMらしさもちゃんと表現されているなあと。
SIN(Ba) MAHくんが作ったのに、ところどころ「わ、めっちゃCrossfaithっぽい!」っていうところがあって、しっかりバランスが取れてるのが印象的でしたね。
──歌詞に関してはどうでしょう?
MAH  レッドブル・エアレース千葉2016のテレビCMソングということで、空を飛ぶとか、レースに勝つみたいなイメージをインスピレーションの元として、自分がいつも書いてるような歌詞にしたつもりです。あとはKoiちゃん(Koie)とふたりで相談しながら書きました。
──コンセプトはMAHさんの方から?
MAH デモの時点で仮歌もしっかり乗っけていて、「一応、こんな歌詞あるけど、気にしないで新しいの作ろう」って言ったんですけど、Koiちゃんが「いや、これで良くないですか?」って(笑)。結局、サビのパートは自分で考えてもらいましたけど、サビ頭のキャッチーなパートはデモのままで、メロウなパートとかはだいぶ話し合いましたね。
SiM - Recording at Red Bull Studios Tokyo
SiM - Recording at Red Bull Studios Tokyo
──では、レコーディング前に一緒にスタジオに入って合わせることもなく……?
MAH 一回もないっすねぇ。
──すごいっ! では、実際のレコーディングに関してなんですけど、どうやって録ったのか全く想像できません。一番気になるのはベーシックの部分、ベースとドラムはどうやって録ったんですか?
GODRi(Dr) 最初に自分のパートを録って、次にCrossfaithのTatsuya(Dr)が自分のパートを録っていったっていう。一般の人が聴くとどっちがどっちだか分からないと思うんですけど、そこを聴き分けてもらえると楽しめるんじゃないかなって思います。
MAH 僕が歌ってるところはだいたいSiMが演奏してて、Koiちゃんが歌ってたり、シンセが鳴ってるところはCrossfaithが演奏してるっていう感じですね。
──では、ベースもドラムと同じ様に交互に録ったんですか?
SIN はい。音色がなるべく被らないようにレコーディングしました。
SHOW-HATE ギターはバッキングとか全部弾かなくちゃいけないし、ふたりのグルーヴの違いがちょっとでも出ると目立っちゃうから、音の切り方とかミュートの感じをどういう風にやるか細かく話し合いながら録りました。
──ボーカルはどうですか?
MAH Koiちゃんにはシャウトをやってもらって、自分がメロを歌うっていう想定で作ったんで、思ったよりすんなりいきました。あと、Crossfaithのメンバーが「歌、こうしたらいいんじゃないですか?」って言ってきてくれたんですけど、それが僕としては衝撃で。SiMはお互いのパートには基本的に口出ししないので、こういうやり方もあるんだなと勉強になりましたね。普段、僕らは自分のパートに集中してストイックにレコーディングするんですけど、彼らは和気あいあいと喋りながらやってて、「こんなに違うんだなぁ」って。
SHOW-HATE キャッキャしてた(笑)。俺らは静かですからね。さっき楽屋にKoiちゃんが入ってきたときもびっくりしました。静まり返った部屋の中に、「おはよー!!」って(笑)。レコーディングもそんな感じでした。
MAH あの、ずっとうるさい感じはいい意味で新鮮でしたね。なんであんなに楽しい感じでああいう曲ができるんだろう(笑)
一同 爆笑
──それにしても、パートごとに交互に演奏するっていうのは前代未聞の試みですね。
MAH ライブでやることはいったん外に置いといたんですよ。パートごとに音が変わったり叩き方が変わった方が面白いんじゃない? って気持ちでやりました。
──完成したものを聴いてみてどうですか?
MAH 思ってた以上にいい仕上がりになりましたね。
──SiMらしさとCrossfaithらしさが驚くほど上手く融け合ってますよね。さあ、これからプロジェクトの全貌が徐々に明らかになります。
MAH お互いのファンのみなさんにとってはもちろんですが、僕たちのことをはじめて知るといった方にとっても、このコラボはかなり面白い試みになるのではないでしょうか。
今回は、コラボ楽曲の制作に対するSiMの強いコダワリをお伝えした。次回「ARTICLE 03」では、Crossfaithの「GET iT OUT」にかける熱き想いをお伝えする。なお後日、楽曲制作の模様を追った「ドキュメンタリー写真集」を掲載予定なのでそちらも乞うご期待。