Social Innovation4分

【ラグビー南アフリカ代表キャプテン】シヤ・コリシが語る成功の条件

ワールドカップで優勝してラグビーの頂点に立ったあと、社会に変化を起こす慈善団体を立ち上げた世界最強フランカーが成功を収めるために必要な条件を教えてくれた。
Written by Trish Medalen公開日:
シヤ・コリシは、逆境を乗り越えてラグビー南アフリカ代表キャプテンになり、さらにはチームを2019年ラグビーワールドカップ優勝へ導いたことで知られているが、ソーシャルイノベーションで恵まれない子供たちを助けることを目的として自ら立ち上げた慈善団体Kolisi Foundation(コリシ・ファウンデーション)の活動にも積極的に取り組んでいる。理想の自分と社会を実現するための必要条件についてコリシに話を聞いた。

1:「変えられる」と信じる

貧しい環境で育ったコリシは、新しい言葉を覚えたり、新しいカルチャーを受け容れたりしながら、逆境をひとつずつ乗り越えてラグビー南アフリカ代表キャプテンとなった。
「僕の最大のモチベーションのひとつが自分のコミュニティだ。ジャージを着るたびに彼らのために頑張ろうと思う。僕と同じ環境、もしくは僕よりも過酷な環境に置かれている全員のためにプレーしている。環境が理由で夢や目標を諦めることはできない自分の夢や目標に到達するまで、あらゆることと戦わなければならない

2:モチベーションを見つける

2019年ワールドカップでラグビー南アフリカ代表を優勝へ導いたコリシは母国の子供たちのロールモデルとなっている。コリシにできるなら自分たちにもできると思わせているのだ。さらに彼は、スポーツだけではなく社会のあらゆる部分での公平の実現を自分の目標に定めている。全員が平等な社会の実現を目指しているのだ。
「何よりも重要なのは、目的を見つけることだ。自分にとって意味があることを見つけたい。そうすれば、しっかりと力強く立つことができる。信念が生まれるからだ。強さは内面からもたらされるんだ」

3:インクルーシブな環境を作る

コリシ・ファウンデーションのスローガンは「One By One」で、これには、コミュニティひとりひとりが重要であり、ひとりひとりが変化を起こせるという意味が込められている。このマインドを広めるためには、まず財団のスタッフ間でこれを共有しなければならない。コリシは次のように説明している。
「コリシ・ファウンデーションのオフィスは色々な人たちで構成されている。全員に価値があることを伝え、全員が快適に感じていて、全員が自分らしく振る舞える環境を作らなければならない。そういう環境でなければ自分のベストを尽くせないからだ。誰が何をしていようとも、それが重要だということを全員が理解していなければならない」
シヤ・コリシ
シヤ・コリシ

4:コネクション&コラボレーションが重要

コリシは、Red Bull Basementのようなイベントの魅力のひとつは、世界の人たちと繋がったり、コラボレーションをしたりできるところにあると感じている。
「自分のアイデアを表現できるプラットフォームがあるというのはとても重要だ。とてもパワフルなイベントだよ。なぜなら、世界はひとりでは変えられないからね。世の中には、自分が不得意なことを得意としている人や自分のアイデアに不足している部分を足してくれる人がいる。僕たちはお互いに助け合えるんだ」

5:コミュニケーションを常に取り合う

コリシはラグビーとRed Bull Basementには共通点があると考えており、どちらも非常に大きな学習機会になるとしている。
自分たちの出自や背景を相互理解する必要がある。何に刺激を受けているのか、誰のためにやっているのかをお互いに知っておく必要があるのさ。僕のチームで一番重要なことは、自分たちの気持ちをさらけ出すことだ。キャップ数が100の選手でも1の選手でも、必要なタイミングで発言できる。誰もが安心して自己表現できる環境が大切だ」
シヤ・コリシのトレーニング
シヤ・コリシのトレーニング

6:パーフェクトなタイミングを待たない

幼少期にラグビーを始めたコリシは、2020年3月に妻レイチェルとコリシ・ファウンデーションを立ち上げる遙か前、まだ10代の頃からコミュニティへ恩返しをしている。
特定の立場になるまで待つ必要はない。いつだって自分のコミュニティの中に変化を起こせるんだ。また、その変化の大きさも気にすることはない。変化を起こせていて、自分が信じる何かのために戦っているならそれで十分なんだ」

7:自分の価値を知る

幼少期は「生き残ること」だけしか考えていなかったため、他のラグビー選手たちからリーダーとして認められていることに最初は戸惑いを感じていたと振り返るコリシは「謙虚な姿勢は大切だが自分を過小評価してはいけない」とアドバイスを送っている。高く評価されたら素直に受け容れるべきなのだ。
「自分には今の位置にいる理由と価値があることを理解するべきだ。それだけの努力をしたんだよ。自分を卑下してはいけない胸を張って立ち、自分に責任を持つんだ」