Benjamin Karl is one of the all-time great of alpine snowboarding
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スノーボード

スノーボード・アルペン:初心者用ガイド

スノーボード・アルペンとはどのような競技なのだろうか? 競技種目や必要なテクニック、用具などを簡単に解説!
Written by Ben Kissam
読み終わるまで:6分Published on
「自分のスポーツの頂点に立っているアスリート全員が素晴らしいと思いますが、“尊敬している” は表現として少し間違っています。そうではなく、私は彼らと同じモチベーションを得られるようになりたいのです」
世界選手権を5回制しているスノーボード・アルペン選手ベンヤミン・カールはこのように語っている。
これは、スノーボード・アルペンの競技者が持っていなければならない強力なマインドセットだ。この競技ではスピード敏捷性、そしてフィジカルとメンタルの強さが求められる。なぜなら、何万回ものランを練習で積み重ねて、最高レベルを目指し、そこで競い合う必要があるからだ。
ベンヤミン・カール

ベンヤミン・カール

© Arvid Auner/Red Bull Content Pool

1998年に正式競技に採用されて以来、スノーボード・アルペンは成長を続けており、近年は北米、オセアニア、アジア、ヨーロッパに競技シーンを抱えている。バックカントリーほどラフ / スリリングではないかもしれないが、最も人気が高いスノーボード競技のひとつで、アクセシビリティも高い。
本記事ではスノーボード・アルペンの競技種目、テクニック、はじめ方などの基本情報を紹介する。
01

スノーボード・アルペンの競技種目

スノーボード・アルペンには5種目存在するが、どの種目も最高時速80km〜115kmでダウンヒルを滑降しながらゲート(旗門)を通過していき、ゴールまでのタイムを競い合うレースフォーマットが採用されている。旗門とはポールに旗が装着されたもので、これによってコースレイアウトが分かるようになっている。種目ごとに必要なスキルと筋力が異なる。

スラローム / 回転

名前が示す通り、スラロームでは狭い間隔で旗門が設置されているコースを滑降する。競技者は各旗門をできる限り早いタイムで通過しなければならない。クイックなターンアジリティが不可欠だ。
スラロームコースでトレーニングをするロランド・フィシュナラー

スラロームコースでトレーニングをするロランド・フィシュナラー

© Damiano Levati/Red Bull Content Pool

ジャイアントスラローム / 大回転

ジャイアントスラロームでは、スラロームよりも広い間隔で旗門が設置されているコースを滑降する。この種目では、旗門の間隔が広がるため高速でのコントロール能力がアジリティよりも重要になる。競技者はスピードをなるべく落とさないように旗門と通過しなければならないので、パワー筋力テクニックが重要になる。

スーパージャイアントスラローム / スーパー大回転

スーパーGとも呼ばれるこの種目は、当然ながらジャイアントスラロームよりも高速で、旗門間の距離はさらに広がり、ターンはさらに高速になる。つまりは、より大きなコントロールパワーが求められる。スーパージャイアントスラロームはスノーボード・アルペン最速種目だ。

パラレススラローム / パラレル回転

パラレルスラロームでは、競技者2名が10〜15m離れて設置されているスラロームコース2本を同時に滑降してタイムを競い合う。スラロームに似ているが、競技者同士の接触が禁じられているため、上手く回避しながら滑降する必要がある。スピードとアジリティに加えて、ストラテジーも重要だ。そのため、競技前に数回の試走が認められている(スラロームも同じ)。

パラレルジャイアントスラローム / パラレル大回転

パラレルジャイアントスラロームはパラレル回転に似ているが、旗門間はより離れており、スピードはより高く、アジリティよりもコントロールが重要になる。並走する競技者がいるため、エンターテインメント性が高く、テレビ中継での人気種目となっている。
ジャイアントスラロームはスピードとターンのバランスが重要になる

ジャイアントスラロームはスピードとターンのバランスが重要になる

© Arvid Auner/Red Bull Content Pool

02

コースと用具

スノーボード・アルペンのコースは、整備された急峻で狭いスロープだ。種目ごとにセットアップは異なるがコース長は2〜5kmで、垂直下降距離は最大1,000mとなる。

スノーボード・アルペンの旗門

スノーボード・アルペンの旗門は種目ごとの間隔と角度で設定されており、素早さと精度が求められる。たとえば、スラロームの旗門はジャイアントスラロームの旗門よりも狭い間隔で設置される。旗門の最短設置間隔は13フィート(約4m)で、1コースに55〜75個設置される。通常のコースにはコブやバンク付きターンも含まれる。
地形と天候がコースに影響を与える可能性がある。雪が多く標高が高い場合は特に影響が大きい。
スノーボード・アルペン用の旗門と用具はユニーク

スノーボード・アルペン用の旗門と用具はユニーク

© Gabriele Seghizzi/Red Bull Content Pool

スノーボード・アルペンの用具

スノーボード・アルペンで使用される用具は、レジャーで使用される用具とは少し異なる。スノーボードは通常のものより少し長くて高強度で、高速での安定性が優先されている。また、競技者はパワーを効率良くボードに伝えられるように設計されている専用ブーツとビンディングを使用している他、ボードにワックスを塗っている。
他の用具にはヘルメットゴーグル腰と上半身のプロテクターが含まれる。競技者はスピードを得るためになるべく軽量のプロテクターを選択している。
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ルールとレギュレーション

コンマ数秒が1位と2位を分けるため、最高峰レベルの大会では厳しいルールとレギュレーションが設定されている。共通のルールとレギュレーションは以下の通り:
  • フライング:スタートのブザー(号砲・合図)が鳴る前にフライングとなる。大会では審判が判断し、再スタートまたは失格となる。
  • 旗門不通過:旗門を通過しなかった場合は失格となる。
  • 旗門を両足でまたぐ:旗門をボードでまたいでしまった場合は失格となる。
  • オブストラクション:並走する競技者を妨害することは禁止されている。妨害した場合は失格となる。
ローカルレベルではルールおよびレギュレーションがわずかに異なる可能性があるが、国・世界・国際大会ではペナルティおよび違反の基準が統一されている。
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テクニックとストラテジー

スノーボード・アルペンでスピードとコントロールを維持するための重要なテクニックがカービングだ。スノーボードのエッジを利用して雪面に深く食い込むことで、コントロール性能を維持しながら高速でターンしていく。体重を移動させてエッジへかかる圧力を調整すれば、スムーズで制御されたターンができるため、高いスピードと精度を維持したままコースを滑走できる。
カービング!

カービング!

© Red Bull Content Pool

効果的なカービングには正しいテクニックタイミングが不可欠で、これをマスターするためには相当量の練習と経験が必要になる。この競技のエキスパートは、転倒したり、コントロールを失ったりすることなく、ボードを大きく傾けながら半円を描くようにカービングして素早くターンするテクニックをマスターしなければならない。
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まとめ

スノーボード・アルペンはスリリングな高速ウィンタースポーツだ。好パフォーマンスのためにはスピードとアジリティ知性筋力パワーが必要だ。また、気概のようなメンタルスキルも重要だ。
スノーボード・アルペンはトップアスリートたちがピークパフォーマンスを追求し、世間が不可能と思っている記録を打ち立てる姿を見るのが好きな人におすすめしたい素晴らしいウィンタースポーツだ。
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Benjamin Karl

A five-time world champion and four-time Winter Games medalist, Austrian snowboarder Benjamin Karl has spent the past 20 years dominating just about every competition he enters.

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