スノーボード
プロから学ぶ "スノーボード用フィジカル&メンタルトレーニング"
スノーボードシーンのレジェンド、マーク・マクモリスとセバスティアン・トゥータンがどのようにフィジカルとメンタルを鍛えているのかを学ぼう!
カナダ人アスリートのマーク・マクモリスとセバスティアン・トゥータンは世界最強スノーボーダーの一角を占めている。
世界の頂点を競う戦いにおいて、マクモリスはこれまでに銅メダル3個を獲得しており、トゥータンはピョンチャンで金メダルを獲得した。つまり、2人はスノーボードシーンの真の王者なのだ。しかし、今の地位に到達するまでの道のりは簡単ではなく、包括的なアプローチが求められるときも少なくない。
彼らの成功を支えてきたのは高い運動能力と天賦の才能だが、そこにはトレーニングでの情熱的な集中力も含まれる。しかし、ジムや食事に留まらないすべてにおいて、このカナダが世界に誇るスノーボードアイコン2人は、スロープにいる・いないを問わず、スキルを磨くことに喜びも見出している。
この喜びが、2人をフロー状態へ導いている。フロー状態に入ることで、2人はハイレベルなスノーボードという究極の集中が求められるスポーツにメンタルを適合できているのだ。本記事では、世界の頂点に立ち続けている2人の練習方法やマインドセットに迫っていく。
01
フィジカル:ジムワーク
有酸素運動・ストレングストレーニング・体幹エクササイズはすべてスノーボード能力を向上させる。マクモリスは「夏の間にジムに通い、可動性、深層筋、筋肉量にフォーカスしたトレーニングを積んで冬を戦い抜けるようにしています」と説明している。
自分のレベルを問わず、ジムで自分をプッシュすることは、目標達成に向けた集中力も養ってくれる。そこから得られる結果は、スロープでより優れたパフォーマンスをより長い時間維持する助けになる上に、より楽しく取り組めるようにもなる。スノーボードは楽しむことが何よりも重要だ。
以下にスノーボードに適したバランス、持久力、パワーを向上させるエクササイズを紹介しよう。
- ウォームアップをする:複数の可動性エクササイズに取り組んで、身体を温めて、可動範囲を広げよう。
- 最も良く使用する筋肉にフォーカスする:ハムストリング、大腿四頭筋、ふくらはぎ、臀部を含む下半身の筋肉はスノーボードで求められるバランス、持久力、パワーの多くを担う。
- 有酸素とスタミナ系にも取り組む:筋肉強化も重要だが、スタミナ強化もスロープを下る際に大きな違いを生み出す。バイクライドやランニングのような有酸素運動は、スロープに滞在できる時間を延ばしてくれる。
脚と体幹の柔軟性と安定性、強度を高めておくことが重要です
体幹について詳しく話すと、体幹トレーニングに取り組めば身体が安定し、上半身から下半身まで効率的にパワーを伝えられるようになる。異なるバリエーションのスクワットに取り組むことが最良の方法のひとつだ。
複数のスクワットに取り組めば、大腿四頭筋、ハムストリング、臀部の筋力アップが見込める上に、腹筋と腰の強化もできる。全身に効果があるのだ。
他の体幹エクササイズとしては、クランチ、プランク、マウンテンクライマー、レッグレイズ、ボックスジャンプなどが挙げられる。
マーク・マクモリスのトレーニングを『Chasing Winter』でチェック!
42分
Chasing Winter -冬を追いかけて-
牧歌的雰囲気が漂うスイスのトレーニングキャンプで、キャリア最大の挑戦となる2022年シーズンに向けて心技体を追い込むマーク・マクモリスと仲間たちの姿を追う。
02
メンタル&フィジカル:喜びを見出す
ジムでのストレングストレーニングを終えたあと、トゥータンはクリエイティビティを発揮して、ストレスが低いエクササイズに取り組んでいる。トゥータンは安定性・バランス・集中力の強化を意識した複雑な障害物スノーボードコースを使用するワークアウトだけに取り組むときもある。
トゥータンが「フロア・イズ・ラバ」(地面に落ちたら負けの子どもの遊び)やおもちゃのバスケットゴールでの背面シュートを楽しんでいる下の投稿からは、身体能力の限界をプッシュし続けている彼のマインドセットを垣間見ることができるだろう。
「私の中では楽しむことがとにかく重要です。何かをやるときに楽しさを感じられなければ、それをやる意味を見出せません」とトゥータンは説明している。
最近のトゥータンは、ゴルフに大いなる楽しみを見出している。「夏はスノーボード以外の何かに熱中する良い機会ですからね。ゴルフはスノーボードと同じくテクニカルなところが気に入っています」
トゥータンは高い集中でゴルフというメンタルゲームに取り組んでおり、その腕前はホールインワンを達成できるほどだ。一方、マクモリスはやや異なるアプローチを採用している。
何かをやるときに楽しさを感じられなければ、それをやる意味を見出せません
海かスケートパークを訪れるとき、マクモリスはジムワークの補完を意識しているが、ジムよりも気楽に構えて取り組んでいる。彼はスノーボードで使用する筋肉と同じ筋肉を使いながら、新しい身体の動かし方を見出している。
セバスティアン・トゥータン特製障害物コースをチェック!
22分
セバスティアン・トゥータン特製障害物スノーボードコース
スノーボードレジェンドのセバスティアン・トゥータンが、自らがデザインしたキャリア最高難度の障害物コースでライディング!
03
メンタル:フロー状態を習得する
喜びを感じてフロー状態に入ることは、自分の身体を限界以上にプッシュさせる優れた方法になりえるが、同時に自分のマインドを成長と再生の方向へ導いていく助けにもなる。
ホールインワンに繋がったトゥータンのゴルフでの集中・エナジー・喜びは、様々なスノーボードの大会で彼を表彰台へ立たせたものに似ている。同様に、マクモリスがハワイでのサーフィンで得る幸福感は、彼がX Gamesの表彰台やアラスカの雪山に立ったときの感覚に似ている。
フロー状態がビッグトリックのメイクを助ける可能性は十分にある。しかし、どのようなトレーニングを積もうとも、常に雪山へ向かい、ライディングを楽しむことが究極の目標だ。
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