MTBエンデューロ
『Ride Into Darkness』：ペドロ・バーンズが皆既日食のチリでMTBを駆ける！
チリ出身のMTBエンデューロライダーが皆既日食の暗闇の中を激走してバックフリップをメイクしたスペシャルプロジェクトの動画＆インタビューをチェック！
2020年12月14日、チリ・プコンで同年最後の皆既日食が観測されたが、母国が2分強に渡り “昼間の闇” に包まれることを知ったMTBライダーのペドロ・バーンズは、この希少な瞬間にライディングするチャンスを逃したくないと考えた。一体彼は何をしたのだろうか？
チリに住む多くの人が皆既日食を楽しんでいる間、バーンズは太陽と月が重なる瞬間にバックフリップをメイクして希少なチャンスを自分なりに記録しようとした。そして、プコン近郊に位置するビジャリカ火山を駆け下りたあと奥深い森へ突入したバーンズは、ライディングのラストにパーフェクトなバックフリップをメイク。スペシャルな1日に相応しいスペシャルなラストを提供した。
ページ最上部で『Ride Into Darkness』をチェック！
ペドロ・バーンズ
© Alfred Jürgen Westermeyer/Red Bull Content Pool
魔法のようだった。言葉では説明できない。飛んでいるような感覚といつもとは違うエナジーを得ていた。ユニークな体験だったよ
バーンズはこの日のために特別にデザインされたレッドブルヘルメットを装着してライディングに挑んだ。このヘルメットのロゴとレターは特殊な発光塗料でペイントされており、ヘルメットに電気を流すと発光するようになっていた。この仕様が暗闇の中をライディングするバーンズのミステリアスなイメージをさらに高めることになった。
『Ride Into Darkness』を完了させたペドロ・バーンズをキャッチして、プロジェクトや撮影などについて振り返ってもらった。
暗闇で輝くスペシャルヘルメット
© Alfred Jürgen Westermeyer
− 動画で太陽と月が完全に重なる瞬間にバックフリップをメイクしていますが、このアイディアはどこから？
前回チリで観測された皆既日食は2019年だったんだけど、あの時は残念ながらヨーロッパにいたんだ。でも、昼間に暗闇が訪れる現象にとても興味を引かれたし、その日にチリで撮影されたパラグライダーのヴィクトル・カレラの皆既日食プロジェクトの写真と動画もチェックした。だから、2020年12月にまたチリで皆既日食が観測できるという話を聞いて、ライディングしながら皆既日食を捉えるプロジェクトについて考え始めたんだ。
僕は常に “さらに上” を求めているから、今回も皆既日食の瞬間にバックフリップをメイクすることにした。雨が降っていたから皆既日食をパーフェクトに楽しむことはできなかったけれど、暗闇の中をライディングする不思議な感覚が失われることはなかった。
ビジャリカ火山付近の霧深い森を走り抜けるバーンズ
© Alfred Jürgen Westermeyer
− 今回のプロジェクトで難しかった部分は？
僕が心配していたのは、バックフリップがメイクできるランプをちゃんと用意できるかどうかだった。正しいランプの造成は本当に難しいことを知っているからね。
ランプの設置場所も重要だった。狙っているショット（皆既日食を背景にバックフリップを下から撮るショット）が撮れるだけではなく、物理的にジャンプができる必要もあった。でも、幸運なことにそういう場所を見つけることができた。
撮影前日に練習をするバーンズ
© Alfred Jürgen Westermeyer/Red Bull Content Pool
− 皆既日食が迫ってくるにつれてかなり緊張したのではないですか？
ランプが完成したと連絡が入ったから皆既日食の数日前にプコンへ戻ったんだけど、ランプはまだ設置されていなかった。美しいルックスに仕上げる必要があったし、やるべきことはまだまだ残っていた。本番までにすべてを揃えられるかどうか分からなくてかなり緊張したよ。
また、皆既日食当日が大雨だったから、足元がかなりぬかるんでしまった。地面が相当柔らかくなってしまったので、バックフリップをメイクするランプへのアプローチで十分なスピードが得られなくなってしまった。でも、バックフリップを数回練習したあとでプロジェクトチームに大丈夫だと伝えたんだ。
そんな状況で本番を迎えたんだけど、バックフリップをパーフェクトにメイクできた。本番まで色々なトラブルに見舞われたけれど、僕のアイディア、僕の夢、僕のプロジェクトはすべて現実になった。
皆既日食の最中にバックフリップをメイク
© Alfred Jürgen Westermeyer/Red Bull Content Pool
− 皆既日食から独特のエナジーを得たのではないですか？ 暗闇の中で特別な何かを感じませんでしたか？
マジカルだったよ。当日朝はチーム全員がかなり大きな期待を胸にしていたけれど、雨が激しくなったので、実行できるかどうか分からなくなってしまった。でも、いつもとは違うエナジーを感じることができた。空の上でクレイジーでパワフルな何かが起きていることが分かった。
皆既日食が始まったあとは、まるで瞑想しているような状態だった。心が落ち着き、自分、そして大地と繋っている感覚を得た。
プロジェクトを無事完了させたバーンズ
© Alfred Jürgen Westermeyer/Red Bull Content Pool
− プロジェクト完了後はどのような感想を持ちましたか？
プロジェクトを完了できた自分、皆既日食でバックフリップをメイクできた自分を幸運に思ったよ。チームに感謝しているし、プロジェクトに何かしらの形で関わった全員に感謝している。完成した動画をチェックするのが楽しみだよ。
- 『Ride Into Darkness』のメイキング動画もチェック（スペイン語）！
