The Soul Flyers BASE jump into a moving plane during their latest project, "A Door In The Sky."
© Max Haim
ウイングスーツ

飛行機の機内に "着地" したウイングスーツパイロット!

Soul Flyersとして知られるフランス人ウイングスーツパイロット2人が、スイスアルプスからベースジャンプをしたあと飛行中の軽飛行機の機内に飛び込むスーパースタントを成功させた!
Written by Ruben Curiel
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2分

A Door in the Sky

ウイングスーツパイロットが飛行中の飛行機に "着地" する −Soul Flyersが「天の扉」を狙うビッグプロジェクト

ウイングスーツフライトが、Soul Flyersとして活躍するフランス人ベースジャンパーのフレッド・フュージェンとヴァンサン・ルフェの2人によってネクストレベルへ引き上げられた。最新プロジェクト『A Door In The Sky』で、彼らはヨーロッパ最高峰のひとつからベースジャンプしたあと、ウイングスーツフライトで飛行中の飛行機の機内に "着地" したのだ。
上の映像で、2人がヨーロッパアルプス最高峰のひとつ、ユングフラウから飛び出し、飛行中の軽飛行機ピラタスPC-6の機内に着地する姿を確認したあと、以下に紹介するヴァンサン・ルフェのインタビューを読み進めてもらいたい。
今回のプロジェクトを実行した理由は?
1997年にウイングスーツで飛行機から飛び出して、同じ飛行機の中に戻ったパトリック・ド・ガヤルドンの記録の20周年をSoul Flyers流に祝いたかったんだ。彼は僕たちのスポーツのパイオニアだから、彼の偉大なスタントを自分たちで再現してリスペクトを示したかったのさ。それで今年始めに、「あの記録を再現しよう。でも、スタートはベースジャンプだ!」ってフレッドに持ちかけたんだ。
Fred Fugen flying above Swiss Mountains.

フレッド・フュージェン

© Max Haim

特別なトレーニングを積んだのでしょうか?
正直に言うと、プロジェクトに向けてトレーニングを始めた当初は簡単だろうと思っていたんだ。でも、実際はメンタル的にも厳しいテクニカルなスタントだということが分かった。だから、集中して取り組む必要があった。スペインで行った最初のトレーニングでは、フレッドは機内に入れたけれど、僕は失敗して肋骨を痛めてしまった。それから1ヶ月後に再挑戦したんだ。その時はフィーリングも掴めていたし、上手く行った。5回成功させたよ。
The Soul Flyers performing an incredible stunt in Switzerland.

ウイングスーツフライトで有名なSoul Flyers

© Max Haim

それに崖からのベースジャンプを追加したんですね?
何よりも重要だったのは、スイスに入る前にスタントを完成させておくことだった。スタントが完成していれば、現地入りしたあとに崖からのベースジャンプを練習するだけで良かったからね。
フライト中のコミュニケーションはどのように取ったのでしょう?
ボタンを押して話すタイプのコミュニケーションシステムを用意した。軽飛行機パイロットのフィリップ・ブービエとはもう100回近く一緒に仕事をしている。全員で実現させたプロジェクトだね。
The Soul Flyers are about to enter into this plane at full speed!

軽飛行機の上を飛ぶ

© Max Haim

高速飛行中の軽飛行機に飛び込むのはどのような感覚なのでしょう?
クールだけど奇妙なんだ。僕たちは飛行機から飛び出すことには慣れているけれど、今回は機内に戻らなければならなかった。ウイングスーツで風を切りながら降下していたのに、次の瞬間には風を感じない機内にいるっていうのは、かなり不思議な感覚だよ。機内からパートナーが徐々に飛行機に近づいてくる姿を見ている時は最高の気分だった。感動したよ。実現のためにハードワークを重ねてきたからね。
Fred Fugen and Vince Reffet BASE-jumping in Switzerland.

フレッド・フュージェンとヴィンス・レフェット

© Max Haim

パラシュートを使わなかったのはどんな感じでしたか?
クレイジーだったね。標高4,000mからジャンプしたら、それで終わりなんだから! 普通はA地点からスタートしたあとパラシュートを使ってB地点に着地するわけだけど、今回は飛行機の中がB地点だった。パラシュートは使わなかったけれど、手間が省けたわけじゃなかった。2ヶ月間のトレーニングでは自分たちと飛行機の動きについて毎日考えていたよ。フライトをしていない時でさえもね。そこに全力を注いだ。
Fred Fugen and Vince Reffet always fly together.

長年コンビを組む2人

© Max Haim

今回の成功を誇りに思っているのではないですか?
もちろん! 僕たちのキャリアを通じて最も厳しいプロジェクトだったからね。求められるスキル、集中力、作業量がとにかく多かった。飛行機の安全面に取り組んで、自分たちが触れても怪我をしないようにする必要があった。あとは、パラシュートが早く展開しないように調整した。でも、危険度が一番高いパートはベースジャンプだったんだ。だから、ユングフラウに向かう前にトレーニングを重ねて、現地入りしたあとはベースジャンプの練習だけに集中できるようにした。現地入りしたあと、僕たちはこのスタントを20回成功させたよ。
Fred Fugen and Vince Reffet about to pilot their wingsuits into a plane.

"着地" に備える2人

© Max Haim

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Vince Reffet was one half of the Soul Flyers, a duo who led the way in the world of aerial adventures.

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