トライアルバイク
自転車界の超人《ダニー・マッカスキル》 ってナニモノ?!
大会の記録よりYouTubeの動画で記憶を残す、トライアルバイク界のスーパーレジェンド、ダニー・マッカスキルの凄さを紐解く!
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ダニー・マッカスキルとは?!
1985年生まれ。スコットランド・スカイ島出身のダニー・マッカスキル。2009年のバイラルヒット『Inspired Bicycles』で彗星のごとくシーンに姿を現すと、その後も、2016年の『Wee Day Out』を含む革新的な動画群を次々と生み出してきたことで知られている。
これらの作品がYouTubeで世界的に大きな注目を集めたことにより、彼はNew York Timesにも登場し、さらにはスタントマンとしてハリウッド映画にも参加した。
ここでは、ストリートトライアルのパイオニアを経て、ほんの数年でアクションスポーツのレジェンドとなった彼について改めて紹介していこう。
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24歳の時に作った映像作品で大ブレイク!
- 👆デビュー作『Inspired Bicycles』
スコットランド・グラスゴーのストリートを疾走するYouTube動画で一躍カルトヒーローとなったダニー。デビュー作である『Inspired Bicycles』は、現在YouTubeで3900万回以上の再生を記録している。
本作以後、手がける作品すべてが数々のセンセーションを巻き起こし、ライディング動画を別次元に引き上げたとまで賞賛されている。
これらの作品の誕生を可能にしたのは彼のユニークなクリエイティビティと言われており、作品のプロデューサーを務めたマイク・クリスティは、次のようにコメントしている。
「ダニーは素晴らしいアスリートであると同時に、優れたアーティストでもあるんだ」
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今や数百万の視聴者を魅了する映像クリエイターに。
確かにダニーのライディングテクニックは、言うまでもなく比類のないもの。しかし、そのスキルのみで現在の地位に到達したわけではない。
「他とは違うオリジナリティ が備わっているかどうかが重要なんだ」そう本人が語るように、たまたまできる、または得意だからという理由だけで衝撃的なライディングを披露しているのではない。様々な趣向を凝らし、世界観をイメージし、“これなら誰もやっていない” と思いついたからこそ挑戦しているのだ。
例えば、『Wee Day Out』のように、牧草ロールの上を走るライダーはおそらく彼だけだろう。
こういった独自の創造性こそが人々を魅了するコンテンツづくりの要なのである。
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こっそり教えてくれたヒット作の作り方。
ここでは、ダニー・マッカスキルが、ヒット作を生み出す秘策を自身の作品を例に挙げてこっそり教えてくれた!
◆ ダニー流ヒットの秘訣・ その1 ◆
☝️『作品ごとに視点を変える』
「例えば、『Wee Day Out(※1)』と『The Ridge(※2)』の2作品が分かりやすいかな。 『Wee Day Out』はライディングにフォーカスしながら、難しいトリックが簡単に見えるような楽しい雰囲気を打ち出そうとしたんだ。僕はこういうアプローチで動画を生み出しているんだよ。
一方、『The Ridge』の方は、ライディング自体は簡単だったね。尾根沿いにライディングするだけだったから。でもその代わりに美しい山々に向かう姿やアドベンチャーにフォーカスしていたんだ」
- ※1:『Wee Day Out』の動画はこちら↓
- ※2:『The Ridge』の動画はこちら↓
◆ ダニー流ヒットの秘訣・ その2 ◆
☝️『正しいロケーションを選ぶ!』
「ライディング動画はロケーションが非常に重要なんだ。『Wee Day Out』の時は、6週間をかけてスコットランド全土をロケハンしたよ。自然風景の中でトリックをメイクしたいというアイディアがあったんだ。結果的には、それぞれが何百キロも離れた複数のロケーションで撮影することになった。でも、どのようなロケーションで何をするかが動画のクオリティを左右するから手を抜かなかったね。
あと、既存のバイクファン以外にもアピールできるアイディアとして冒頭に映画『ハリー・ポッター』シリーズのような機関車を登場させているよ。シーンの間口を広げる意味でトライアルバイクファン以外が見ても楽しめるような風景やテーマを考えるのさ」
同じことを繰り返さないことで、自分のスキルを違う形で表現しながら、オリジナリティ溢れるアイディアを生み出すこと。そして、ロケーションと世界観の作り込みへの強いこだわり。ダニー・マッカスキルの名作を生み出す方程式は、どうやらこのあたりにあるようだ!
(了)
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