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韓国のeスポーツ・オーガニゼーションT1が『リーグ・オブ・レジェンド』の国内プロリーグ “LCK” で歴史的シーズンを送った。長い歴史を持つT1は18連勝でLCK連勝記録を更新し、2022 Spring Splitを無敗で制したのだ。ちなみに、それまでの最多連勝記録15勝もT1が所持していた。
この新旧2記録には共通点がひとつある。Lee “Faker” Sang-Hyeokの存在だ。しかし、T1の成功のストーリーは、世界最強の『LoL』プレイヤーのストーリーであると同時に、チームのストーリーでもある。
T1はLCKで最も安定しているオーガニゼーションのひとつだが、今年の彼らはネクストレベルへ進化した。T1 Challengerで経験を積んできた複数のルーキープレイヤーを加えた新生T1はさらなる成功を手にした。
Choi “Zeus” Woo-Je、Moon “Oner” Hyeon-Joon、Lee “Gumayusi” Min-Hyeongを新たにロースターに加えることで、T1は『リーグ・オブ・レジェンド』史上最強プレイヤーとメカニカルに優れるトッププレイヤーたちを融合させていた。
そのT1はKwangdong Freecs戦を2-0で取ってLCK 2022 Springを問題なくスタートさせたが、次のFredit BRION戦でいきなり1ゲームを落としてしまった。しかし、結局、T1はこの対戦を2-1で勝利してウィーク1を全勝で終えた。ウィーク2はほぼ同じ展開となったが、T1はDRX戦とLiiv Sandbox戦を1ゲームも落とさずに勝利した。
ウィーク3のT1は強豪2チームと対戦。初戦の相手Nongshim RedForceは3勝1敗でウィーク3を迎えており、2戦目の相手DWG Kiaは数ヶ月前にLeague of Legends World Championshipに出場したばかりだった。
Nongshim RedForceは果敢にT1へ挑んだが、マウンテンドラゴンソウルを手にしたT1がNongshim RedForceを上回り、Nongshim RedForceは2敗目を喫した。DWG Kia戦は3ゲーム目までもつれ込んだが、Kim “Canyon” Geon-Buの《グウェン》はGumayushiの《ケイトリン》のキャリー性能を圧倒できるほど強くはなかった。T1の無敗記録は維持され、彼らは6戦全勝でウィーク4へ進んだ。
ウィーク4はT1にとって再び試練となった。彼らにチャレンジできる数少ないチームのひとつ、Gen.G戦が控えていたからだ。しかし、5勝1敗でLCK2位につけていたGen.GをT1は寄せ付けなかった。Gumayushiの《ゼリ》がウォールジャンプでバロンピットに側面から仕掛けていったT1は2-0でGen.Gを退けた。
T1は次の数週間も圧倒し続け、その途中で自分たちが持つ記録を更新していった。
ウィーク5でのKT Rolster戦での勝利は彼らのSpring Splitでの無敵ぶりを象徴していた。22分で終わらせたゲーム2はスプリット最短記録となり、Ryu “Keria” Min-Seokの《スレッシュ》がLee “Aria” Ga-Eulの《オリアナ》に[死の宣告]を放ったシーンは、彼がSpring Split MVPを獲得した唯一のサポートプレイヤーである理由をすべてのファンに示した。
また、この対戦はFakerのプロ1,000戦目だったため、Fakerはフライドチキン400箱をT1ファンと対戦後の記者会見に集まったメディアにプレゼントして、偉大なマイルストーンを祝った。
ウィーク6とウィーク7のT1は1ゲームも落とさなかった。彼らは2位につけていたGen.G戦で再び勝利するなど2週間を4戦全勝で終えたが、何よりも重要だったのは、ウィーク7のKT Rolster戦の勝利だった。この勝利で彼らはSK Telecom T1時代の連勝記録14に並んだのだ。
そして、ウィーク8の初戦Kwangdong Freecs戦で勝利したT1はLCKの歴史にその名を刻むことになった。この対戦は3ゲーム目までもつれ込んだが、Fakerが《カイ=サ》の[ヴォイドシーカー]でロングレンジから仕掛け、Gumayusiの《ジンクス》が定期的にダメージを加えていくことで勝利を得て連勝を15に伸ばし、自分たちが持つ連勝記録に並んだ。
Kwangdong Freecs戦後のT1はさらに勢いを増していった。Fredit BRION戦を2-0で制し、LiiV SANDBOX戦も再び勝利したT1は、連勝記録を更新しつつもうひとつの歴史的記録まであと一歩に迫った。
T1がLCK史上初のシーズン全勝優勝を達成するためには最後のDRX戦を取る必要があったが、T1はゲーム1を圧倒。クラウドソウルで勝利を確定させたLCKは30分かけずにこのゲームを取ると、ゲーム2ではKeriaの《ノーチラス》がすべてのレーンで強さを見せつけた。トップレーンでのブッシュガンク、ボトムレーンでのダイブなど、DRXに一切スペースを与えなかったT1はLCKの歴史にその名を刻みつけた。
このSpring Splitは、T1のルーキープレイヤーたちへの投資がついに実を結んだシーズンとなった。史上最強プレイヤーの経験とリーダーシップを備えているT1はプレイオフでもこの勢いを維持し、セミファイナルのKwangdong Freecs戦を3-0で圧勝して4月2日のファイナルGen.G戦に駒を進めた。
若手とベテランが見事に噛み合っているT1が優勝トロフィーを再び手にする可能性は非常に高い。
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