発煙筒を掲げるガラタサライのファン
© Laurence Griffiths/Getty
サッカー

ホーム側が圧倒的に有利なサッカースタジアム 7選

アウェイチームとしてはまず訪れたくない、ホームチームが圧倒的に有利なサッカースタジアムを紹介しよう。
Written by Jonno Turner
読み終わるまで:6分公開日:
サッカーにおいて「ホームアドバンテージ」が重要だということは誰もが知っているが、その理由を明確に理解できている人は少ない。科学者たちも長年に渡りホームチームが優れたパフォーマンスを発揮する原因についての研究を重ねてきたが、まだ答えは見つかっていないのが現状だ。
しかし、以下のスタジアムにおいてはその答えは見つかっている。アウェイ側としてはまず訪れたくない、圧倒的な雰囲気を醸し出しているからだ。今回はジャンボジェットのエンジン音よりも大きな歓声と息の詰まるような熱気がキックオフ前から感じられるパワフルなスタジアムを紹介しよう。
エスタディオ・エルナンド・シレス(ボリビア)
高地に位置するエスタディオ・エルナンド・シレス

高地に位置するエスタディオ・エルナンド・シレス

© Jose Luis Quintana/CON/Getty

使用クラブ:クラブ・ボリバル / ザ・ストロンゲスト / ラパスFC
収容人数:41,143人
ホームアドバンテージ:8
標高3,637mに位置するエスタディオ・エルナンド・シレスは世界一高い場所にあるスタジアムだ。その高地がもたらす影響については、リオネル・メッシが良く知っている。2013年のボリビア対アルゼンチンでプレー中に体調を崩し、酸素吸入を体験したメッシは「あのスタジアムでプレーするのは最悪だよ。僕以外にも頭痛や目まいを訴える選手が数人いた。高地でプレーする場合は、しっかりとリカバリーする必要がある」と感想を述べている。酸素が薄い中で90分間マラソンをすることを想像すれば、その辛さが分かるはずだ。
アンフィールド(イングランド)
リヴァプールの熱狂的なファン

リヴァプールの熱狂的なファン

© Clive Brunskill/Getty

使用クラブ:リヴァプールFC
収容人数:45,522人
ホームアドバンテージ:7
全世界をヘアワックス不足に陥れている張本人として知られるフリーキックの鬼、クリスティアーノ・ロナウドを心の底から怯えさせるのは大変だが、その彼をもってして「プレミアリーグで一番タフなアウェイスタジアム」と言われているのが、アンフィールドだ。このスタジアムのどこがそんなに怖いのだろうか? まずひとつはサポーターだ。収容人数こそそこまで大きくないが、このスタジアムに詰めかける約4万人のサポーターは熱狂的で、彼らの応援によってリヴァプールはあらゆる試合をひっくり返してきた。最近の例としては、2015-16シーズンのUEFAヨーロッパリーグ準々決勝、対ドルトムント戦が挙げられる。ホームの第2戦、前半終了時点で3ゴールを決めなければ準決勝に進出できない状況に追い詰められたリヴァプールだったが、そこからとんでもない逆転劇を見せ、この試合を4-3で勝利すると、そのまま2戦合計5-4で準決勝進出を果たしたのだ。また、リヴァプールは124年という長い歴史も誇っており、更にはヨーロッパサッカーにおけるホーム最高勝率を誇るクラブとしても記録されている。
トルコ・テレコム・アリーナ(トルコ)
発煙筒を掲げるガラタサライのファン

発煙筒を掲げるガラタサライのファン

© Laurence Griffiths/Getty

使用クラブ:ガラタサライ
収容人数:52,652人
ホームアドバンテージ:9
イスタンブールを象徴するこのスタジアムを訪れる場合は、イヤープラグを忘れずに携行しよう。ガラタサライの熱狂的なサポーターは2011年に131.76デジベルを記録し、サッカー史上最もうるさいサポーターという称号を獲得した。尚、131.76という数字は平均的なロックコンサートよりもうるさく(The Whoがロンドンで記録した数字は126デシベル)、耳元でチェーンソーを鳴らすよりも、戦闘機のジェットエンジン音よりもうるさいことを意味する。また、ガラタサライのサポーターは発煙筒を焚くことでも知られているので、自分の服が燃えないように気をつける必要もある。
ラ・ボンボネーラ(アルゼンチン)
ラ・ボンバネーラのラテン全開の雰囲気

ラ・ボンバネーラのラテン全開の雰囲気

© Valentino Rossi/STR/Getty

使用クラブ:ボカ・ジュニアーズ
収容人数:49,000人
ホームアドバンテージ:7
地元のサポーターたちがこのスタジアムの雰囲気を「La 12」(12人目の選手)と呼ぶ理由はすぐに分かる。このスタジアムには、アウェイ側が入り込む余裕がほとんどない。マッチデーになれば、FIFAの公式ルールギリギリのサイズにまとめられた小さなピッチを壁のように取り囲むスタンドはチームカラーの青と黄色を身に着けたファンで溢れかえるため、アウェイ側はカゴの中の鳥のような気分になる。また、このスタジアムはサポーターたちの応援で激しく揺れることでも知られている。
スタディオ・サン・パオロ(イタリア)
「結果を超えた存在」と書かれたバナー

「結果を超えた存在」と書かれたバナー

© Maurizio Lagana/Getty

使用クラブ:SSCナポリ
収容人数:60,240人
ホームアドバンテージ:9
ナポリではサッカーは宗教、このスタジアムは教会として扱われている。しかし、アウェイチームにとってこのスタジアムは天国ではなく地獄になる。1959年に建てられたこのスタジアムは最新設備とはまったく縁がなく、特に美しくもないが、熱狂的なサポーターによって中世の闘技場に近い雰囲気を醸し出す。また、長い歴史を誇るこのスタジアムは、ディエゴ・マラドーナのようなサッカー史に残る名選手がプレーしてきたことでも知られており、「デシベル・ベリーニ」の名前で親しまれているスタジアムアナウンサーも有名だ。その愛称の由来は推して知るべしだ。
カンプ・ノウ(スペイン)
カンプ・ノウの最上部

カンプ・ノウの最上部

© David Ramos/Getty

使用クラブ:FCバルセロナ
収容人数:99,354人
ホームアドバンテージ:7
FCバルセロナのホームスタジアムとして世界的に有名なこのスタジアムは、そのサイズと壮大な雰囲気が特徴だ。ヨーロッパ最大の収容人数を誇るこのスタジアムに熱狂的なサポーターが集まった時のパワーは圧倒的で、リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの3トップに約10万人の大歓声が加われば、アウェイチームはその身を縮めるしかない。このスタジアムに行ってみたいという人は今すぐ行くべきだろう。最上部の席からの眺めはただただ素晴らしい。
ボルシャヤ・スポルティヴァヤ・アリーナ(モルドバ)
小国の強豪

小国の強豪

© Ullstein Bild/Getty

使用クラブ:FCシェリフ・ティラスポリ
収容人数:13,300人
ホームアドバンテージ:6
このスタジアムの名前を初めて聞いたという人も多いはずだが、ここはヨーロッパ屈指の強烈な雰囲気を誇るスタジアムだ。まるで軍事基地のようなルックスのこのスタジアムでアウェイチームが活躍するのは不可能に近い。このスタジアムをホームにするFCシェリフ・ティラスポリはリーグ優勝13回、カップ戦優勝11回を誇っており、このスタジアムへ移ってからの14年の歴史の中でホームでは8敗しかしていない。FCシェリフ・ティラスポリはバルセロナやボカのような世界的に人気があるクラブではないが、ヨーロッパではそれなりに知られており、FCトゥエンテやディナモ・キエフをはじめ、マルセイユやトッテナムにも勝利した経験を持つ。UEFAランキング159位のクラブとしては素晴らしい成績だ。

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