ベンドウ火山で溶岩が爆発する様子を間近で見る3人の探検家
© Ulla Lohmann
探検
溶岩湖の内側に潜入した探検家たち
ベンボウ火山の溶岩湖を探検し、無事生還した探検家たちが語る体験談。
Written by Corinna Halloran
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南太平洋バヌアツ共和国に属するアンブリム島にあるベンボウ火山。その山頂付近はカルデラとなっており、ふつふつと沸き立つ溶岩湖が存在する。この溶岩湖は非常に巨大で、まるで地球の内部を覗き見るような思いを抱かせる。昨年、このベンボウ火山を3人の探検家と1名のフィルムディレクターが訪れ、その火山湖の限りなく近くまで潜入を果たした。

「脈動を続けながら溶岩が飛び散るさまは、まるで血管から血が溢れるかのようでした。火山が生きているという証拠です」ウッラ・ローマン

今回溶岩湖を探検したウッラ・ローマンとその夫のセバスチャン・ホフマン、火山研究者のトーマス・ボイヤーの3人は共にロッククライミングと山岳登山の心得があった。彼らが溶岩湖の探検に挑んだ理由は、溶岩の標本採集やアンブリムの活発な火山活動の研究の他に、彼ら3人の共通の夢だった火山活動の神秘の解明も含まれていた。
「活火山をこの目で初めて見たその日から、いつかもっと近くから火口を覗いてみたいと思い続けてきました。カルデラのクレーター部分に深く足を踏み入れ、沸き上がる溶岩湖を間近で見たかったんです」ウッラ・ローマン
こうした動機のもと、3人は麓のうっそうとした熱帯雨林を抜け、草木1本も生えていない溶岩原を進みながら長さ600mものロープやテント、機材類を持ってベンボウ火山の3合目(溶岩に最も近い標高地点)を目指した。
彼らは、すぐ目の前まで差し迫る危険と、先に進みたい思いとの間で何度も葛藤を強いられた。何週間ものあいだ続いた酸性雨に見舞われ、更には死を招きかねない噴火の危険性、有毒ガスや強力な硫黄を含んだ風と戦いながら、3人の探検家は好奇心に背中を押されながら少しずつ歩みを進め、ついに脈動する溶岩をすぐ足元に覗き込める場所に立った。
「周辺はあまりにも熱いため、『立ち入り禁止』の看板を立てにいくことすら不可能なんだ。溶岩湖周辺がどれほど熱いかを知りたかったら、自らの足で火口へ下りていって体験してみるしかないね」とホフマンは回想する。「でも、僕らは実際に溶岩湖の限りなく近くまで足を踏み入れることができたんだ。幸い、コンディションは完ぺきだったからね。いわば、僕らの好奇心が恐怖心に勝ったといったところかな」
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ベンボウ火山の内部に足を踏み入れる
ベンボウ火山の内部に足を踏み入れる© Ulla Lohmann
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