Holger Meyer and Karen Eller weave their way through single track in Sölden, Ötztal, Austria.
© Mattias Fredriksson
MTB

MTB:世界のベストバイクパーク 9選

一度は走ってみたい! 世界各地に点在する最高にスリリングなバイクパークを選りすぐって紹介!
Written by James McKnight
読み終わるまで:9分公開日:
数年前まで、バイクパーク(アップリフトサービスなどで山頂へアクセスできるグラビティ系ライディングセンター)の数はかなり少なかった。
しかし、近年は、スキーリゾートがオフシーズンのビジネスモデルとして捉えるようになっており、自動車やトレーラーがアップリフトサービスを提供する手頃なサイズのものも増えている。
MTBシーンは、より長いシーズン(通常、スキーリゾートのリフト営業は夏限定)とより多様な路面を楽しめるようになっているのだ。
今回は、我々が厳選した世界各地のベストバイクパークを紹介する。

1. ウィスラー・マウンテン・バイクパーク / Whistler Mountain Bike Park(カナダ)

ケイティ・ホールデン、Whistler Bike Parkにて

ケイティ・ホールデン、Whistler Bike Parkにて

© Reuben Krabbe

《ベストシーズン:5月〜10月》
ウィスラーのような場所は、世界のどこにもない。昔も今もベストとされるこのブリティッシュコロンビア州のリゾートには、あらゆるレベルとスタイルのライダーのための多彩なトレイル群がある。
ウィスラー・マウンテン・バイクパーク(Whistler Mountain Bike Park)は全てがモダンな高速リフトでアクセス可能で、全てが美しい町へ戻ってくる。夜もスケートパークやインドアエアバッグ、ジャンプ、あるいは手付かずの自然の中でのトレイルライドが楽しめる。
プロレベルのライダーには、クラバップル・ヒッツ(Crabapple Hits)ダート・マーチャント(Dirt Merchant)などの世界最大のバイクパーク・ジャンプがある。また、ビギナーに最適なグリーン / ブルーグレードのトレイルも豊富に存在する。
さらにはガルバンゾ・リフト(Garbanzo Lift)から続くロングトレイル群や、これまであまり使用されることのなかったクリークサイド地区を新たに開発したトップ・オブ・ザ・ワールド(Top of the World)などもある。世界一有名なバイクパーク・トレイル、A-ライン(A-Line)も忘れてはならない。
ウィスラー・マウンテン・バイクパークの詳細はこちら>>

2. ポルト・ドゥ・ソレイユ・バイクパーク / Portes du Soleil Bike Park(フランス・スイス)

シャテルでビッグエアを披露するアンドリュー・ラコンデギ

シャテルでビッグエアを披露するアンドリュー・ラコンデギ

© Lisa Parvio/Red Bull Content Pool

《ベストシーズン:6月〜9月(営業期間は各リゾートによって異なる)》
ヨーロッパのリゾートライディングの “究極のクラシック” と呼べるポルト・ドゥ・ソレイユは、フランスとスイスの国境付近に位置するシャテル、レ・ジェ、モルジヌ−アヴォリアズ、モルジャン、シャンペリーなどの街と、周辺に点在する複数のバイクパークの総称となる。
ポルト・ドゥ・ソレイユ・バイクパーク(Portes du Soleil Bike Park)の中で開発が最も進んでいるのがシャテルで、フルタイムで働くトレイルチームがトラックやトレイルの造成・メンテナンスを定期的に行っている。
このバイクパーク周辺には巨大なバーム、無数のジャンプ、大型ハック(コーナー直前の複合ジャンプ)もある。
クラシックなダウンヒルトラックやアフターライドでの最高のバイブスを楽しみたいなら、モルジヌを訪ねてみよう。
ポルト・ドゥ・ソレイユの詳細はこちら>>

3. オーレ・バイクパーク / Åre Bike Park(スウェーデン)

オーレはスペシャルな場所

オーレはスペシャルな場所

© Mattias Fredriksson

《ベストシーズン:6月〜10月(営業期間は前後する場合あり)》
北欧でバイクパークを楽しむなら、オーレ・バイクパーク(Åre Bike Park)しかない。
ここはスウェーデンらしい広大な丘陵地で、全てが湖に向けて緩やかに下っており、全てが森に囲まれている。ただでさえ素晴らしい環境だが、北欧の夏特有の長い日没時間帯に味わえる黄金色の夕景は格別だ。
MTBに関しては “ミニ・ウィスラー” 的な趣があり、パークは非常に美しく、重機で造成されたトレイルには強烈なバンクコーナー楽しく安全なジャンプなどが備わっているが、パーク外でのアドベンチャーを求めるライダーのために、天然トレイルも豊富に用意されている。
オーレ・バイクパークの詳細はこちら>>

4. スカイライン・クイーンズタウン / Skyline Queenstown(ニュージーランド)

Skylineのトレイルを攻めるジー・アサートン

Skylineのトレイルを攻めるジー・アサートン

© Sven Martin

《ベストシーズン:9月〜5月》
ニュージーランドの “アウトドアの首都” では、あらゆるマウンテン&ウォータースポーツが楽しめるが、MTBライダー用オプションは特に充実している。
近年のスカイライン・クイーンズタウン(Skyline Queenstown)のバイクパーク開発は天井知らずで、ヨーロッパのライダーたちの間でオフシーズンスポットとして人気を博しており、北半球が冬を迎えると、世界各地のプロライダーがシリアスなダウンヒルライド、トレイルライド、湖畔でのアフターライドを求めてクイーンズタウンに集まっている。
尚、リフトのシーズン営業期間も世界最長クラスだ。
クイーンズタウン・バイクパークの詳細はこちら>>

5. ヴァルノード・バイクパーク・ラ・マサナ / Vallnord Bike Park La Massana(アンドラ)

《ベストシーズン:5月〜10月(営業期間は前後する場合あり)》
免税ショッピング天国としても知られる、美しいピレネーの山々に囲まれた小国アンドラは、MTBライダーたちを強く惹きつけてやまない。
MTBファンの間では、毎年開催されるダウンヒルUCIワールドカップクロスカントリーレースの開催地として、そしてCommencalの本拠地として有名だ。
ヴァルノード・バイクパーク・ラ・マサナ(Vallnord Bike Park La Massana)は同国を代表するバイクパークで(自動車移動ならスルデウも近い)、無数にあるダウンヒル&フリーライドトラック、エンデューロ用トラック、パンプトラック、4Xトラック、キッズエリアなどのおかげで、あらゆるグラビティ系ライダーのマストスポットになっている。
宿泊や食事のコストも手頃で、天候も安定しており、営業シーズンも長い。
ヴァルノード・バイクパーク・ラ・マサナの詳細はこちら>>

6. バイク・リパブリック・ゼルデン / Bike Republic Sölden(オーストリア)

ゼルデンの絶景

ゼルデンの絶景

© Christoph Bayer/Ötztal Tourismus

《ベストシーズン:6月〜9月》
ここでがらりと趣向を変えてみよう。
バイク・リパブリック・ゼルデン(Bike Republic Sölden)「誰でも楽しめる」がテーマで、ほどよい傾斜と人工整備の路面を備え、ビッグジャンプがほとんどないリフト付きトレイルセンターといったところだ。
ゼルデン周辺は夏のスキーリゾート・MTBライディングの新機軸で、トレイルバイクやエンデューロバイク向けトレイルが造成されているが、フロウが感じられる人工シングルトラックが最大の魅力だ。
ゼルデンの自治体がMTB関連施設に多額の投資を行なっているため、トレイルネットワークは年々広がっている。パンプトラック2本、ホテル、MTBライダー用ビジネスサービスなどもあり、景観もこの上ないほど素晴らしい。
ゼルデン・バイク・リパブリックの詳細はこちら>>

7. バイクパーク・ウェールズ / BikePark Wales(英国)

バイクパーク・ウェールズ

バイクパーク・ウェールズ

© Andy Lloyd

《ベストシーズン:通年》
ウェールズは英国MTBシーンのメッカで、無数のトレイルセンターやバイクパークを抱えている。
レボリューション・バイクパーク(Revolution Bike Park)、ブラックマウンテンズ・サイクルセンター(Black Mountains Cycle Centre)、アントゥル・スティニオグ(Antur Stiniog)などもそれぞれ素晴らしい特徴を備えているが、ウェールズ最高の完成度を誇るグラビティ系ライディングスポットは、バイクパーク・ウェールズ(BikePark Wales)だ。
イージーでコーナーが多く、フロウが簡単に得られるシングルトラックから、強烈なジャンプラインやテクニカルなダウンヒルまで、ウェールズ南部の谷地にあるこの小さなヒルサイドは、あらゆるタイプのライダーに対応している。
毎日運行されているアップリフトサービスは大人気なので、数カ月前に予約しよう(クライミング用トレイルやプッシュアップ用トラックもある)。
バイクパーク・ウェールズの詳細はこちら>>

8. コースト・グラビティパーク / Coast Gravity Park(カナダ)

コースト・グラビティパークでウィップをメイクするブランドン・セメナック

コースト・グラビティパークでウィップをメイクするブランドン・セメナック

© Mattias Fredriksson

《ベストシーズン:通年》
ブリティッシュコロンビアのプロライダー集団Coastal Crewコースト・グラビティパーク(Coast Gravity Park)をオープンして以来、ここはカナダ西岸を訪れるシリアスなグラビティ系ライダーの巡礼地となっている。
このパークは非常にスムーズなバーム見事なジャンプがあることから、無数のMTB系の映像撮影ロケーションとしても使用されているが、魅力はそれだけではない。
様々なグレードが設定された公式トレイルを12本揃えており、一味違うライディング体験が得られる。しかし、コースト・グラビティパークが今回のリストに選出された理由は、トレイルの本数やインフラではなく、このパークが "ライダーが造成したオールシーズン・バイクパークの理想像" だからだ。
ここは、グラビティ系ライディングをチェアリフト依存から解放しつつ(トラックのアップリフトサービスはあるが)、トラック造成の限界をプッシュしている。
コースト・グラビティパークの詳細はこちら>>

9. EVOバイクパーク / EVO Bike Park(フランス)

《ベストシーズン:通年》
EVOバイクパーク(EVO Bike Park)もコースト・グラビティパークにインスパイアされた先進的なバイクパークで、ここでもスキーリゾート的インフラを必要とせずに素晴らしい時間を過ごせる。
EVOバイクパークは南フランスの人里離れたエリアにある小規模なパークで、ヨーロッパ屈指の強烈なハックが通年で楽しめる。そのため、ほとんどのランはエキスパートライダーやジャンプ好きライダー用となっている。
アップリフトサービスは大型トラックで車載スペースが限られているので、早期予約を心がけたい。
EVOバイクパークの詳細はこちら>>
ヨーロッパ屈指のMTBスポットを巡る『MTB紀行』シリーズもチェック!