Alex Sorgente skates at the Vans Park Series in Huntington Beach, CA, USA on 5 August, 2017.
© Anthony Acosta / Red Bull Content Pool
スケートボード

米国開催スケートボードコンテスト ベスト14

トップライダーを輩出し続けている本場米国で開催されているプロ・アマスケートボードコンペの中から代表格をピックアップ!
Written by Red Bull Editorial Team
読み終わるまで:10分Published on
スケートボードシーンはコミュニティとイベントを長年大切にしてきたため、現在は世界各地で様々なコンテストが開催されている。アマイベントとプロイベントの違いを理解しつつ、本場米国のトップコンテストをチェックしていこう。

【アマ&プロ】

スケートボードのコンテストの数は多く、コンテストごとにユニークなルールや予選が用意されているが、プロスケーターではないスケーターのためのアマコンテストと、スポンサーやエンドースメントを獲得しているプロスケーターのためのプロコンテストの2種類に大別できる。
また、レベルを問わず、通常はどのコンテストもジャムランをフォーマットに採用している。ジャムは規定時間内に複数のスケーターが同じコースを同時にライディングするフォーマットで、予選で採用されることが多い。一方、ランはひとりずつコースに出て規定時間ライディングするフォーマットだ。

【米国スケートボードコンテスト ベスト14】

世界各地で素晴らしいスケートボードコンテストが開催されているが、本場米国では “権威” とも呼べるコンテストがいくつか開催されている。今回は米国トップレベルのアマとプロのコンテストをリストアップしていこう。

1:Boardr Am

Boardr Amは全米を巡るアマチュアスケートボードツアーだ。各ストップの優勝者はEmpire Open Series Finals出場権を獲得する。尚、宿泊費全額と交通費500ドルがカバーされる。また、各スポットで最も素晴らしいライディングを見せたライダーにはZumiez Destroyer Awardが渡される。

2:Red Bull Solus

Red Bull Solusライアン・シェクラーが所有するスケートパークSC Sandlotで開催されているプロスケートボードオンラインコンテストだ。初開催の今年は13人のプロライダーが参加した。
各ライダーが1時間のライディングを撮影したあとその中からベストランを選んで提出し、ジャッジパネルが採点して優勝者を決めるという独自のフォーマットが採用されており、優勝したライダーは賞金の他に任意のスケートショップへ寄付できる2,500ドルを獲得する。

2分

Red Bull Solus trailer

Red Bull Solus digital skate contest announcement trailer.

3:Battle at the Berrics

The Berricsはエリック・コストンスティーブ・ベラが創設したロサンゼルスのインドアスケートパークで、毎年このスケートパークで開催されているフラットコンテストが “Battle at the Berrics” だ。
このコンテストでは、バスケットボールの対戦ルール “H.O.R.S.E.” に似たフォーマット “S.K.A.T.E.” が採用されており、プロライダーたちがトリックをコールし合い、メイクできるかどうかを競い合う(5ミスで敗退)。賞金総額は毎年変わるが、1万ドル(約105万円)を記録した年もある。

4:Tampa Am

フロリダ州タンパはスケートボードシーンを代表するコンテストが複数開催されていることで有名で、そのひとつがTampa Amだ。ローカルショップ / パークのSkatepark of Tampa(SPoT)が主催しているこの長い歴史を持つ週末開催のコンテストは、トップレベルのアマライダーが参加するプロ登竜門として世界的な知名度を誇っている。
あまりにも多くのライダーがこのコンテストからプロライダーになっているため、近年は “アマチュア全米選手権” として扱われており、このコンテストでの優勝はプロ契約とほぼ同義となっている。
元プロライダーが多くを占めるジャッジパネル(5人)が、トリックの難易度、テクニック、トリックのバラエティ、スタイル、コースの活用度、安定感、フロウ、オリジナリティを基準に採点する。このコンテストで活躍すればキャリアハイライトとして誇れ、多くの注目も集められるが、賞金・賞品は用意されない。

5:Damn AM

Skatepark of Tampa(SPoT)がTampa AMの州外バージョンとして2001年に立ち上げたコンテストがDamn AMだ。全米の大都市で開催されているが、海外で開催される時もある。このコンテストの上位12人はTampa AM予選出場権を自動的に獲得できる。また、各ストップの優勝者にはタンパまでの交通費500ドルとセミファイナル出場権が与えられる。
Tampa AM出場権の他、1年を通じて活躍した総合1位・2位のライダーにはDamn AM年間最優秀賞と1,000ドル(約10万5,000円)が渡される。

6:Grind for Life

この全年齢対象のストリート&ボウルコンテストは全米各地で開催されており、1年の最後にフロリダ州タンパで授賞式が開催されている。このコンテストの売上の一部は、治療のために遠距離移動が必要ながん患者の支援を目的としている非営利団体Grind for Life Organizationに寄付される。
Grind for Lifeのフォーマットはジャムで、ジャッジパネル(3人)がトリックの種類、スタイル、ランの難易度で採点する。

7:X Games

スケートボードは毎年開催されているX Gamesの中核を担っており、スケートボードシーンを代表するトップライダーが招待されている。各種目のトップ3で分け合う賞金総額は高く、種目ごとに10万ドル(約1,050万円)が用意された年もある。SLS World Tourが設立されるまではX Gamesが全ライダー憧れのビッグマネーコンテストだった。

8:Skate4Life

ノースカロライナ州ローリーで開催されているSkate4Lifeは複合的スケートボードコンテストで、オープンスケートジャム、コンサート、ストリートコンテスト、フードトラック、ラッフル(米国版くじ引き)が楽しめる。また、このコンテストは、自殺や精神疾患の兆候や症状の認知を高めるために開催されている。
カテゴリーは初級・中級・上級・プロに分かれており、各カテゴリーの上位には2,500ドル(約26万円)相当のスケートボードグッズと賞金が手渡される(初級はスケートボードグッズのみ)。

9:Zumiez Best Foot Forward

2007年に設立されたZumiez Best Foot Forwardは全米各地で開催されており、各地で活躍しているトップレベルのアマチュアライダーをグローバルなスケートボードシーンに紹介している。ジャッジパネルはコンテストに帯同して各開催地を巡るが、顔ぶれは毎年入れ替わる。
各開催地の優勝者は新しいボードやシューズ、ギアなどの賞品を大量に獲得できる。このコンテストは、全米レベルの他のコンテストの予選を兼ねる時もある。

10:Exposure

Exposureはカリフォルニア州エンシニータスで開催されている女子アマプロライダー限定コンテストだ。
女子ライダーの才能を世界に示し、女子ライダーの数を増やし、DVのサバイバーたちのための寄付金を募ることを目的として開催されているこのコンテストには、毎年世界中から170人超の女子ライダーが集まる。Exposureの賞金総額はアマプロ合計6万ドル(約630万円)超を誇っている。
アマとプロのコンテストは別開催で、その他にもボウル、ストリート、バートなどの小規模なサブコンテストが開催されている。アマは年齢でカテゴリー分けされており、各カテゴリーはオープンから予選、ファイナルへと進む。

11:Tampa Pro

Tampa ProはアマコンテストTampa Amaと同年に設立されたプロコンテストで、スケートボードシーン最長の歴史を誇る。Skatepark of Tampaが主催するこのプロコンテストは世界的な知名度を誇っており、ほぼすべてのプロライダーが出場している。
ただし、このコンテストに出場するためには、世界的に有名なスケートボードブランドから自分の名前を冠したシグネチャーボードが現在リリースされている、または過去にリリースされていなければならない。Tampa Amと同じく、Tampa Proもジャッジパネル(5人)がライダーたちを採点する(満点は100)。
Tampa ProとTampa Amの共通点は多いが、ひとつだけ大きな違いがある。それは賞金総額で、プロライダーたちは高額賞金を獲得できる。賞金総額はスポンサーの影響で毎年変わるが、例年1万~2万ドル(約105万~210万円)が用意されている。また、Tampa ProはStreet League Skateboarding(SLS)北米予選を兼ねているため、優勝すればSLSのロースターに名を連ねてWorld Tourに参加するチャンスも獲得できる。

12:Vans Park Series Pro Tour

Vans Park Series Pro Tourは米国外でも開催されているが、米国最大級のコンテストなので今回のリストに含めた。世界中で開催されているこのコンテストツアーはVans Park Series World Championshipに出場するライダーを決めていく。
男女に分けられているが、両カテゴリー共にフォーマットはジャムが採用されている。賞金総額は毎年変わるが、直近では合計80万ドル(約8,400万円)を記録した。
(※写真1)

(※写真1)

© Anthony Acosta / Red Bull Content Pool

13:Dew Tour

Dew Tourはスケートボードコンテスト兼コンテンツプラットフォームだ。ワールドクラスのスケーター80人以上がストリートとパークで個人スキルを競い合っているが、独自のチーム戦、Team Challengeも用意されている他、アマ用コンテストShop Challengeも開催されている。
尚、設立当初から無料で一般公開されており、スケートパークの一般開放やスケートボード教室、プレゼントコーナー、コンサートなどが全年齢を対象に併催されている。

14:Street League Skateboarding World Tour

Street League Skateboarding(SLS)は、2010年にロブ・ディアデックによって複合プラットフォームとして設立されたが、2015年にSkatepark of Tampaとのパートナーシップによって予選システムが構築され、Tampa Proが SLS World Tourの米国公式予選を担うようになった。
SLS World Tourはほぼすべての国のプロスケーターが出場できるコンテストで、通常は年4回開催されており、近年の賞金総額は100万ドル(約1億500万円)を超えている。また、優勝したライダーはSLS Nike SB Super Crown World Championshipの出場権も得られる。
(了)
◆Information
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