MTB

ヒルクライムが上手くなる5つのヒント

クロスカントリーのヒルクライムが上手くなりたい? 5つのシンプルなヒントを取り入れて他のライダーに差を付けよう!
Written by Richard Bennett公開日:
理想的な姿勢を取るジュリアン・アプサロン
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初心者のクロスカントリーライダー、またはダウンヒルを偏重するライダーの場合、クライミング(登り)は上達させるべき最重要分野だ。長く続く急峻な登り坂は最初こそ困難なものに見えるが、正しい戦略の使い分けとシンプルなヒントさえあれば、重力を制する手助けになる。次にトレイルへ出掛ける際は、以下の簡単なヒントをぜひ活かしてみよう。
アブサロンとシューターは最高のお手本
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1.ケイデンスを上げる

ケイデンス、つまり、どれだけ速くペダルを回転させるかが長い登りでのパフォーマンスに大きな影響を及ぼす。重いギアでの低ケイデンスでは筋肉はより緊張し、疲労も早い段階で襲ってくるので、軽いギアを選んで、心肺を緊張させるほうがより長くパフォーマンスを維持できる。軽いギアのペダルの高速回転はなかなかコツがつかめないが、根気づよく取り組もう。そうすれば、登り坂の後に待ち構えているお楽しみのダウンヒルに以前よりも楽な状態で臨めている自分に気付くはずだ。

2. ペダルストロークをスムースに

舗装された路面を走るロードサイクリストとは異なり、マウンテンバイクのヒルクライムは予測不可能な路面状況に対応しなければならない。岩や木の根、泥などはおなじみの障害物だが、時にはこれらが同時に現れることも少なくない。必要とされる最適なパワーは路面状況によって異なるため、ただがむしゃらに力一杯ペダルを踏むだけではトラクションのロスも多くなってしまう。
これは意外にも広く知られていない事実だが、クロスカントリーのプロライダーたちはあらゆる自転車競技アスリートの中でもひときわスムースなペダルアクションを身につけている。つまり、彼らはペダルを1回ストロークさせる際に最も効率よくパワーを引き出せる技術を持っているのだ。トレイルに出掛け、急峻でテクニカルな登り坂に遭遇した場合は、ペダルに意識を向けて、スムースで均整のとれた円運動で踏力をかけてみよう。
力強く坂を登るジュリアン・アプサロン
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3. タイヤの空気圧を正しく設定する

タイヤの空気圧が適切に設定するだけで驚くほどパフォーマンスに差が出るが、空気圧の設定ミスは誰もが陥りやすいものだ。タイヤの空気圧を高く設定すると転がりが若干向上するようにも感じられるが、登りでは接地面積が減少することでグリップの確保に苦しみ、大事なエネルギーを無駄に消費してしまう。
逆に、空気圧を低く設定しすぎた場合はグリップ感こそ増すものの、タイヤの抵抗が増加し、パンクの可能性が増す。したがって、グリップと転がり抵抗のバランスを最適にするスイートスポットを見つけ出すことが重要になってくる。1psiもしくは2psi単位で細かな調整を繰り返せば、最適な空気圧設定を見出せるだろう。じっくりと時間をかけて空気圧を調整し、ベストな設定を見つけてみよう。
熱帯雨林ダートの達人ニノ・シューター
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4. シートから腰を浮かさない

急坂ではどうしてもサドルから腰を浮かせてペダルに体重をかけたい気持ちになる。しかし、サドルから腰が浮いた状態ではバイク上での体重移動がアンバランスになり、フロントに荷重がかかりすぎると同時にリアが軽くなりすぎてグリップを失い、バイクの動きは不安定になってしまう。
腰を浮かせたい気持ちをぐっと抑え、そのままの姿勢で胸をステムに向けて張り、サドルの前方に少しだけ体重をかけてみよう。これを正しく行うためには微妙なバランス感覚が必要になるが、一度コツを掴めばフロントとリアの両方に荷重がかかるので、グリップを保持できるようになるだろう。プロのクロスカントリーレースでの急峻なヒルクライムをチェックしてみると、プロライダーたちは皆このテクニックを実践していることが分かるはずだ。

5. メンタルを維持する

物理学者・気象学者など多方面でも活躍した米国の政治家ベンジャミン・フランクリンはかつて「この世では、死と税金以外に確かなものはない」という名言を残しているが、確かなものをもうひとつ加えるとすれば、それはヒルクライムの過酷さだ。クロスカントリーのワールドチャンピオン、ニノ・シューターであろうと、初めてMTBを手に入れたばかりの初心者であろうと、自分の力を振り絞ったヒルクライムはひたすら苦しい。いったんこの事実を受け入れることができれば、この苦しみに対処するためのシンプルな戦略を練られるようになる。
長い上り坂に差し掛かった際、プロライダーたちは限界でプッシュしながら頭の中で1分ずつカウントしており、1分が経つとリセットして次の1分をカウントする。こうすることで、できるだけ長く限界をキープするようにしている。また、登り坂全体をいくつかのセクションに分けて考えるという方法もある。つまり、ひとつの巨大な山に対峙していると考えるかわりに、トレイルの少し先にある岩を目標にしたり、その次はまた別の小さなゴールを設定したりといった具合に、小さなゴールを少しずつ達成していくのだ。これらのアイディアはいたってシンプルなものにも聞こえるかもしれないが、メンタルに絶大な効果をもたらす可能性がある。