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2025年のVALORANT Champions Tour(VCT)は年初のKickoffから始まり、2月のVALORANT Masters Bangkok(Masters 1)でひとつのピークを迎えた。そして6月7日から2つ目のピーク、VALORANT Masters Toronto(Masters 2)が開催されている。
世界の4地域(リージョン)がStage 1を戦い、各地域(Americas・China・EMEA・Pacific ※)のトップ3がトロントへの出場権を自動的に獲得した。賞金総額100万ドル(約1億4,500万円)に加えて、重要なVCTポイントも獲得できるため、VALORANT Masters Torontoは出場する12チームすべてにとって重要なトーナメントになる。
※:Americasは北中南米、Chinaは中国、EMEAはヨーロッパ・中東・アフリカ、Pacificは環太平洋を指す。
6月7日のスイスステージから6月22日のグランドファイナルまで、VALORANT Masters Torontoでは約1ヶ月に渡り『VALORANT』のトップアクションが繰り広げられるが、このトーナメントの観戦を楽しむためには、出場チームや優勝候補を理解しておく方がベターだ。
そこで本記事では出場チームの中から、現時点で世界最強クラスと評価されている5チームをピックアップして紹介しよう。
VALORANT Masters Toronto 2025とは?
VALORANT Masters Toronto 2025はRiot Gamesが主催するVALORANT Champions Tour(VCT)2025シーズンの2つ目のMasters(マスターズ)イベントだ。
年始に開催されたひとつ目のマスターズ、VALORANT Masters BangkokをT1が制したあと、強豪チームたちが栄光とさらなるVCTポイント(シーズンフィナーレとなるVALORANT Champions出場権獲得のために必要)を目指して戦うのがこのトーナメントだ。
VALORANT Masters Toronto 2025はカナダ・トロントで開催される。会場はEnarcare Centreで、日程は6月7日から6月22日までだ。尚、6月7日から11日まではスイスステージで、6月13日から22日までがプレイオフとなっている。
VALORANT Masters Toronto 2025の直前に開催されていた地域リーグStege 1の各地域優勝チーム(4チーム)がプレイオフからの出場となる。各地域の2位チームと3位チームの合計8チームがスイスステージを戦い、トップ4がプレイオフへ進出する。
賞金総額は100万ドルでVCTポイントも獲得できる。以下に順位別の賞金とVCTポイントをまとめた。
順位
賞金
VCTポイント
優勝
35万ドル
7ポイント
2位
20万ドル
5ポイント
3位
12万5,000ドル
4ポイント
4位
7万5,000ドル
3ポイント
5位・6位
5万ドル
2ポイント
7位・8位
3万5,000ドル
なし
9位・10位
2万5,000ドル
なし
11位・12位
1万5,000ドル
なし
注目チーム
『VALORANT』はeスポーツタイトルとして成熟期を迎えており、近年は実に様々なプロチームが参加している。長い歴史を持つトップオーガニゼーションの多くがVCTの強豪チームを擁する一方、新進のオーガニゼーションたちが下位カテゴリーに相当するVALORANT Challengers(リーグ)とVALORANT Ascension(トーナメント)にチームを送り込んでトップレベル進出を狙っている。
VCTポイントのランキングだけで各チームの強さを計ることもできるが、ワールドクラスのチームはそれだけでは評価できない実績と実力を備えている。そこでVALORANT Masters Toronto 2025出場チームの中から、現在世界最強クラスとされている注目の5チームをピックアップして簡単に紹介しよう。
01
Fnatic
地域:EMEA
ロースター:
- Jake “Boaster” Howlett
- Emir “Alfajer” Beder
- Timofey “Chronicle” Khromov
- Kajetan “kaajak” Haremski
- Austin “crashies” Roberts
EMEAのトップチームとしてVALORANT Masters Torontoに乗り込んだFnaticはプレイオフからの出場となる。EMEAのリーグプレイオフで見せた勢いをこのトーナメントでも維持しようとするはずだ。
Jake “Boaster” Howlettを中心に据えている現在のFnaticは、Fnatic伝統の高速かつ強烈なプレイを得意としており、メジャートーナメントで素晴らしいチームワークも披露してきた。
2024年の彼らは素晴らしいレギュラーシーズンを過ごしたが、インターナショナルレベルでは今ひとつで、EMEAでの強さをワールドタイトルに結びつけることができなかった。Boaster率いるチームはトロントで活躍し、VALORANT Masters Tokyo 2023で手にした栄光を再び手にできるだろうか?
02
G2 Esports
地域:Americas
ロースター:
- Jonah “JonahP” Pulice
- Trent “trent” Cairns
- Jacob “valyn” Batio
- Nathan “leaf” Orf
- Alexander “jawgemo” Mor
G2 Esportsはヨーロッパのオーガニゼーションというイメージが強いが、数年前から彼らの『VALORANT』チームは北米に活動拠点を置いている。
VCT 2023 Ascention Americasを制したThe Guardに所属していたプレイヤーの大半を獲得したG2 Esportsは、2024シーズンを通じて実力を証明した。Jacob “valyn” Batioが率いるG2 Esportsはレギュラーシーズンを2位2回で終えると、Championsは7位・8位でフィニッシュした。
しかし、2025シーズンのG2 Esportsは頂点を狙っている。実際、Stage 1を制した彼らは、AmericasのナンバーワンチームとしてVALORANT Masters Torontoにプレイオフから出場する。
Stage 1の彼らは5ウィークすべてを無敗で終え、プレイオフもSentinelsに敗れてローワーに落ちたものの、そこから100 Thieves、Evil Geniuses、MIBRに勝利してSentinelsとの再戦となるグランドファイナルへ進出。ここでのG2は実力を発揮し、3-1で勝利してトロント行きの切符を掴んだ。
勢いに乗っているG2 Esportsは現在VCTで最もエキサイティングなチームのひとつに数えられるが、レギュラーシーズンのパフォーマンスをインターナショナルレベルでも維持できるかに注目が集まる。
03
Sentinels
地域:Americas
ロースター:
- Zachary “zekken” Patrone
- Amine “johnqt” Ouarid
- Jordan “Zellsis” Montemurro
- Sean “bang” Bezerra
- Marshall “N4RRATE” Massey
- Yassin “redux” Aboulalazm(サブ)
2020年に結成された今の北米シーンの顔とも言えるSentinelsは『VALORANT』シーンで最も息の長いチームのひとつで、結成直後から北米とインターナショナルレベルの両方で活躍を続けてきた。
これまでにロースターは何回も変更されているが、Amine “johnqt” Ouaridが率いる現行ロースターはStage 1を2位でフィニッシュ。トロントではもうひとつ上の順位を狙ってくる。スイスステージからの出場となる彼らは2025年を自分たちの1年にできるだろうか?
04
Team Heretics
地域:EMEA
ロースター:
- Ričardas “Boo” Lukaševičius
- Benjy “benjyfishy” Fish
- Dominykas “MiniBoo” Lukaševičius
- Enes “RieNs” Ecirli
- Mert “Wo0t” Alkan
Team Hereticsは結成直後からヨーロッパの『VALORANT』シーンで活躍してきた。これまでにロースターは数回変更されているが、ワールドクラスのチームたちと互角に渡り合いたいという野望は維持されており、2024年は実力を世界に示す1年となった。
リーダーのRičardas “Boo” Lukaševičius、Booの実弟Dominykas “MiniBoo” Lukaševičius、元『フォートナイト』人気プレイヤーBenjy “benjyfishy” Fishを含む現行ロースターは、2024年のレギュラーシーズンのグループステージでわずか2マップしか落とさない素晴らしいパフォーマンスを見せた。
さらにはVALORANT Masters Shanghai 2024とVALORANT Champions 2024をともに2位で終えているTeam Hereticsは、2025年は “チャンピオン候補” のイメージを払拭し、長年の夢であるチャンピオンに輝きたいと思っているはずだ。
05
XLG Esports
地域:中国
ロースター:
- Arthur “Rarga” Churyumov
- Teng “happywei” Min-wei
- Colin “coconut” Chung
- Ran “Viva” Lifan
- Zhang “Midi” Jiajun
中国のトップチームXLG Esportsは急成長の1年を送ってきた。ちょうど1年前の彼らはVALORANT China National Competition North Divisionをプレイ中で、インターナショナルレベルでの活躍など夢のまた夢だった。
しかし、VCT Ascension China 2024を制して2025シーズンの中国リーグ出場権を獲得すると、続くStage 1でも見事な結果を残してトップチームのひとつに数えられるようになった。
Ran “Viva” LifanがまとめるXLG EsportsはStage 1のグループステージを2位で終えると、プレイオフをアッパーからスタート。Nova Esports、Edward Gaming、Wolves Esportsに勝利して、Billibilli Gamingとのグランドファイナルへ進出した。
このグランドファイナルでの彼らはロシア人プレイヤーのArthur “Rarga” Churyumovがシーズン6回目のMVPを獲得に繋がる活躍を見せたこともあり、3-1でBilliBilli Gamingに勝利。トロント行きの切符を手にした。プレイオフから出場する彼らは、世界を相手にする準備が整っている。
6月2日に5人目のメンバーのMidiが決まったばかりだが、この中国トップチームを優勝候補から外すわけにはいかない。
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