Art from Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2
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ゲーム

『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』:開発インタビュー

ヴァンパイアの世界へようこそ。カルトクラシック『Vampire: The Masquerade』のライターを担当したBrian Mitsodaが最新作について語ってくれた。
Written by Aron Garst
読み終わるまで:7分Published on
2004年、『Vampire: The Masquerade』は熾烈な生存競争の中に放り出された。
『Counter-Strike』『メタルギアソリッド』『World of Warcraft』などがほぼ同時期にリリースされていたため、多くの人がロサンゼルスのヴァンパイアたちを取り上げたこのゲームが成功を収める可能性はないという予想を立てた。
しかし、それから15年が経過した今、『Vampire: The Masquerade』はゴシックホラーファンに愛されるカルトクラシックとして独自の地位を確立している。奥深いキャラクター異世界的なナラティブの魅力はまだ失われていない。
そして現在、Paradox InteractiveHardsuit Gamesがこのクラシックの続編『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』の開発を進めている。
オリジナル最大の魅力のひとつは、現代のロサンゼルスを舞台にした非常にリアルな因果関係のナラティブが用意されていたところにあった。「何かをすれば何かが必ず起きる」というそのリアルな因果関係によって、プレイヤーは自分を “人間ではない存在” に感じることができた。
続編『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』のライターを担当するBrian Mitsodaは次のように語っている。
「このシリーズでは、ゲーム側から何が正しくて何が正しくないのかをプレイヤーに教えることはありません。逆に言えば、自分がなりたい存在になれるゲームです。もちろん最終的にプレイヤーは人間を超越した存在になるわけですが」
「ヴァンパイアとして生きるプレイヤーはより優れたヴァンパイアになる方法を学んでいきます。闇に生きるヴァンパイアなので善行によって恩恵を得るわけではないということをプレイヤーは学んでいきます」
『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』は “マスカレード” のあとから始まる。
マスカレードとは多くの人間がヴァンパイアに集団変異するイベントで、ヴァンパイアのコミュニティ内では快く思われていない。各変異を起こしたヴァンパイアがその責任を取るのがヴァンパイアの社会通念だからだ。その無責任とも言えるマスカレードで変異した大量のヴァンパイアのひとりがプレイヤーだ。
つまり、プレイヤーは特殊な能力を持つ孤独なヴァンパイアとして闇のシアトルでサバイブする方法を見つけなければならない。
プレイヤーは複数のファクション(勢力)に挟まれながら、仲間と敵を作っていくことで自分のストーリーの方向性を決めていく。Mitsodaが説明する。
「あらゆるファクションと自分の行動が他のキャラクターとの関係を左右することになります。自分には有益な行動でも、特定のファクションに不利益な行動なら、そのファクションに敵意を持たれ、二度と協力してくれなくなります」

今作はシアトルが舞台

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シアトルの再現

オリジナルの舞台ロサンゼルスと同じで、今作の舞台シアトルも現実世界を忠実に再現している。
米国北西部の主要都市のひとつとして知られるシアトルの長い歴史を参照しながら現在のシアトルを描くことで開発チームはナラティブに深みを与えている。Mitsodaは次のように説明する。
シアトルのストーリーをどうしても組み込みたいと思っていました。歴史だけではなく、現状も描きたかったんです。テック系企業の流入によってこの都市は大きく姿を変えましたし、物価も大幅に上がりました」
「少し変わっていたユニークなショップやレストラン、そのようなスポットに通っていた、または住んでいた人たちはもう存在しません。新しい人たちが入ってきてシアトルのキャラクターを変えています」
「私たちは、シアトルがシアトルでなくなる前にあとどれだけの変化が起きるのかというメッセージをプレイヤーに投げかけようとしているのです」
シアトルの忠実な再現は、ホームレスが集まることで知られる “ザ・ジャングル”(East Duwamish Greenbelt)や蜘蛛の巣に張り巡らされている地下通路網などが収録されていることを意味している。Mitsodaが続ける。
「シアトルには広大な地下通路網があります。なぜなら、この都市は1800年代後半に一度焼けているからです。その廃墟の上に今のシアトルが作られたのです」
「ですので、地下にもうひとつの都市があるんですよ。そこにどんな人たちがどのように住んでいるのかについてはかなり考えましたね」
また、『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』は他にもシアトルの中心的なエリアを複数収録しており、キングストリート駅、パイオニア・スクエア、オーロラ・アベニューなどを自由に歩き回ることができる。Mitsodaがさらに続ける。
「とにかくシアトルを忠実に再現しようとしています。プレイヤーがシアトルらしさを感じ取り、シアトルの名所を楽しんでもらえるようにしています。オープンワールドではなくエリア制にしていますが、それぞれ数ブロックずつ移動することができます」

モダンなヴァンパイア

オリジナルがリリースされた2004年からゲームデザインの世界は大きく進化した。当時のシステムや世界観、キャラクターはもはやスタンダードではない。
そのため、Mitsodaと開発チームは『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』でプレイフィールをモダンに変える必要があった。
「みんなで集まってオリジナルのどこが気に入ってもらえたのかをリストアップし、今も機能する部分を活かしつつ、機能しない部分を改良していきました。オリジナルのルックスとフィーリングを残しながら、夜の闇の雰囲気現実世界とのバランスなどを調整していきました」

リアルに再現されたシアトルでヴァンパイアたちが暗躍する

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Mitsodaとの短時間のデモプレイで分かったのは、オリジナルのエッセンスが明らかに残されているということだった。我々が探索したシアトルはひたすらダークだった。
また、最大のファクションに属しているナイトクラブで働く美しいヴァンパイアや地下世界の入り口に立つ醜い守衛ヴァンパイア、そして謎の商品を扱っているどこかみすぼらしい商人など、我々が出会ったキャラクター陣はじっくりと考えさせる個性を備えていた。どのキャラクターも何か間違いを犯して不用意に敵に回したくないと思わせる魅力がある。Mitsodaが説明する。
「オリジナルで多くのプレイヤーが気に入っていたのがキャラクターでした。ですので印象に残るキャラクターを多く作り出し、ストーリーの選択肢を豊富に用意して、色々なキャラクターと色々な形でインタラクトできるようにしています」
Mitsodaは、ゲームデザインのテクノロジーの進化とシネマティックなテレビ番組からのインスピレーションを活かしてキャラクター陣に多種多様なバックストーリーを用意しようとしているが、キャラクターの種類の多さ奥深い性格がオリジナルからの最大の変化のひとつだ。
この変化が上手く機能すれば、プレイヤーは何時間もディープなストーリーテリングを楽しめるようになるだろう。Mitsodaは最後に次のようにコメントしている。
「今作では同じキャラクターに何回もインタラクトすることになります。プレイヤーのその時の状況によって違った側面を見ることになるでしょう」
「特定のファクションに参加していれば、そのファクションに参加していなければ絶対に知ることがなかった秘密を知ることになります。インタラクトしなければ分からなかったそれぞれの視点も理解するようになるでしょう」
「私たちはこういうゲームを作りたいと思っているんです。各キャラクターに複数のレイヤーを用意し、プレイヤーがこれまで体験したことがない奥深いキャラクター探索を楽しめるようにしたいと思っています。使い捨てのキャラクターが用意されているだけのゲームは本当に多いですからね」
『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』は2020年前半にPS4・Xbox One・PCでリリース予定。
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