『Horizon Zero Dawn』:完成作品(クリック&拡大推奨)
© The Fourth Focus - Horizon Zero Dawn
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【フォトモード撮影テクニック】インゲームフォトグラフィ実践ヒント&アドバイス

バーチャルフォト専用サイト “The Fourth Focus” 主宰者が美しい作品を手に入れるための実用ヒントとアドバイスを教えてくれた。
Written by Mik Bromley
公開日:
インゲームフォトグラフィ(ビデオゲームフォトグラフィ / バーチャルフォトグラフィ)の基本用語と基礎知識を解説した記事に続き、今回はそのような用語や知識を実際の撮影に活かす方法、最高の1枚を手に入れる方法を解説していく。
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はじめに

インゲームフォトグラフィ最大のメリットのひとつは、高価な機材の購入や非協力的な被写体を抜きに誰でも簡単に写真撮影が楽しめるところにある。世界とキャラクターを思い通りにコントロールできるのだ。というわけで、このメリットを最大限活用して新しいアイディアを試していくべきだろう。バーチャルでは何回ミスをしても問題ないのだから。
このようなメリットが、ビデオゲームの《フォトモード》を “学習と成長が見込める理想的なクリエイティブスペース” にしているわけだが、このモードと写真撮影をマスターすれば、自分のインスピレーションをさらに簡単に表現できるようになる。
というわけで、今回は "バーチャルベストショット" を手に入れるための実用ヒント&アドバイスを紹介していこう。
※:各フォトのフルサイズはクリック&拡大でチェック!
『God of War』:ヴァルキュリア(クリック&拡大推奨)
『God of War』:ヴァルキュリア(クリック&拡大推奨)
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構図(Composition)

写真における【構図(Composition)】とは “物の置かれ方” で、ここには被写体の位置【視野(Field of View / FOV)】アングルシンメトリーリーディングラインなどが含まれる。【構図】はあらゆる写真における最重要要素で、練られた【構図】は、鑑賞者の作品の受け取り方を決める。【構図】は鑑賞者の視線を導きつつ、彼らにメッセージを伝える役目を担うため、時間をかけて決めていく必要がある。
下の画像は『Horizon Zero Dawn』のワンシーンで、主人公アーロイがウォッチャーと炎のベロウバックを相手にしている。このシーンにはいくつもの "可能性" が含まれているが、分かりやすい部分は無視して、右側のウォッチャーを切り取って考えていこう。
『Horizon Zero Dawn』:炎のベロウバックと対峙するアーロイ(クリック&拡大推奨)
『Horizon Zero Dawn』:炎のベロウバックと対峙するアーロイ(クリック&拡大推奨)
まず、【焦点距離(Focal Length)】を伸ばし、【視野(Field of View / FOV)】を狭めて、カメラをウォッチャーへ近づけて、ウォッチャーを強調する。また、被写体を背景から浮かび上がらせたいので、【絞り値(Aperture)】をF2.0くらいに設定して【被写界深度(Depth of Field)】を浅くする。
ゲーム · 1分
『Horizon Zero Dawn』:被写界深度テスト
このような写真では、アシンメトリー(左右非対称)の構図を使う方が良い。バランスを調整するために三分割グリッドを表示させても良いだろう。
『Horizon Zero Dawn』:ウォッチャーを使った三分割法テスト(クリック&拡大推奨)
『Horizon Zero Dawn』:ウォッチャーを使った三分割法テスト(クリック&拡大推奨)
垂直のグリッドラインを参考にするのはグッドアイディアだが、ウォッチャーを右側へ寄せ過ぎてしまうと、ウォッチャーの視線が鑑賞者と合致しなくなり、鑑賞者の興味を引けなくなってしまうので注意が必要だ。その代わりにウォッチャーを左にずらせば構図がアシンメトリーになってバランスが取れる。こうすれば、被写体と鑑賞者の視線を合致させて、鑑賞者を作品に招き入れることができる。
最後に【アスペクト比(Aspect Ratio)】を21:9に設定してシネマティックな雰囲気を強調して完成だ。
『Horizon Zero Dawn』:完成作品(クリック&拡大推奨)
『Horizon Zero Dawn』:完成作品(クリック&拡大推奨)
03

ライティング(Lighting)

優秀な写真を手に入れるためのもうひとつの最重要要素が【ライティング(Lighting)】で、【ライティング】は作品の個性ディテールドラマ性を決める。平坦で平凡なショットを避けるために、ビデオゲームの世界を探索して優秀な光源を探してみよう。
『Horizon Zero Dawn』や『Ghost of Tsushima』のような一部のビデオゲームの《フォトモード》では、時間帯を変化させて光の具合を調整できるようになっているが、いずれにせよ、最高のライティングを得るためには、光を上手く活用できる可能性をシーンの中に見出せるかどうかが重要になってくる。
その例として、『The Last of Us Part II』のワンシーンをチェックしていこう。前景にはアビーがいるが、光が足りていないのでこれだけではナイスショットは期待できない。しかし、後景で雲の隙間から日が差し込んでいるため、これを使った “エッジライト” のポートレート撮影の可能性が残されている。
『The Last of Us Part II』:アビー(クリック&拡大推奨)
『The Last of Us Part II』:アビー(クリック&拡大推奨)
まずはアビーを色々と動かして魅力的なポーズを探っていく。そのあとでアビーの顔にうっすら光が当たるようにアングルを設定する。ここでも、【視野】を狭めれば、アビーを強調できる。また、【被写界深度】を浅くすれば、後景がぼけて鑑賞者の意識をアビーに集められるようになる。
ゲーム · 2分
『The Last of Us Part II』:エッジライト撮影
このシーンはやや不気味なエリアで、ダークオレンジのトーンも「美しい」とは言えないため、フィルターでモノクロに変更してドラマ性を強調する。こうすることで、アビーの腕と腕のラインを強調するゴージャスな “エッジライト” フォトが手に入る。構図を少し調整してロゴを入れれば完成だ。
『The Last of Us Part II』:アビーのエッジライトショット(クリック&拡大推奨)
『The Last of Us Part II』:アビーのエッジライトショット(クリック&拡大推奨)
04

不完全性の追加

構図やライティングのミスはなるべく減らすようにと教えているが、最終作品が完全無欠である必要はない。デジタルレンダリングした作品は綺麗すぎに感じてしまう時が少なくないため、不完全性(アナログなフィーリング)をある程度追加すればリアリティを高められる。
たとえば、光を弱めて汚しを加えればまるで古い映画のようなテクスチャを生み出せる。また、【モーションブラー(Motion Blur)】がメニューに加えられているなら試してみよう。作品に動きを加えられる。
『Ghost of Tsushima』:黒澤映画のような雰囲気を演出(クリック&拡大推奨)
『Ghost of Tsushima』:黒澤映画のような雰囲気を演出(クリック&拡大推奨)
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上級テクニック

基本テクニックをマスターしたあとは、上級テクニックを学びたい。これらを学べば、一部の《フォトモード》でさらに素晴らしい作品が撮影できるようになる。上級テクニックが活かせる《フォトモード》を実装しているのが『Ghost of Tsushima』だ。
ゲーム · 1分
『Ghost of Tsushima』:雷の撮影
このフォトモードには背景のアニメーションのオン・オフ天候変化のオプションが用意されているため、を撮影できるが、当然ながら素早くシャッターを押す必要がある。天候を雷に設定し、アニメーションのオン・オフを素早く切り替えれば、雷をフレームに収めることができる。
ここまで紹介したテクニックを組み合わせれば、インゲームフォトグラフィの可能性は無限大に広がるだろう。インゲームフォトグラフィに興味を持った人は、本稿を執筆したMik Bromleyの作品群をThe Fourth Focusでチェックしてみよう。
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