A beginner's guide to skyrunning

雲の上を駆け抜けよう! スカイランニング初心者ガイド

© inov-8

雲海を見下ろす山岳トレイルを駆け抜ける「スカイランニング」の壮大で過酷な世界へ飛び込もう。

スカイランニングは唯一無二のチャレンジだ。

スカイランニングはフェルランニングヒルランニング)にも似ているが、International Skyrunning Association(国際スカイランニング連盟)は、このスポーツについて「標高2,000mを超える高地で行われるトレイルラン」で、「平均斜度が最低6%で、30%のセクションが必ず含まれなければならない」と定義している。

端的に言えば、スカイランニングは実に過酷なレースだということだ。

しかし、スカイランニングは、新たなチャレンジを求めている人に最高の景色と一般人が滅多に出会えない地形を与えてくれるスポーツだ(脚が「勘弁してくれ」と悲鳴を上げるかもしれないが)。

そこで今回は、スカイランニング挑戦を考えている人のために入門ガイドを用意した。

1:正しい装備こそ全て

まず何より重要なのは、専用のトレイルシューズだ。ノルウェーを拠点にするスカイランナー、エイリーク・ハウグスネスは、高いフィット感と確かなグリップを持つシューズが必要だと語る。

「乾いた岩から、濡れた石やぬかるみ、テクニカルな森、そして整地された山岳トレイルまで、あらゆる路面条件に対応するアウトソールが求められる」と説明するハウグスネスが薦めるのは、ラバースタッドを装備したinov-8 X-Talonだ。

「また、シューズに加えて、水や食糧を収納できる軽量のバックパック、テープシームを備えた防風ジャケットパンツレスキューブランケット(エマージェンシーブランケット)、携帯電話ハットグローブなども必要だ」

「スカイランナーの多くは、長い登坂セクションでスタミナを温存するために、トレッキングポールを好んで使用している」

2:正確なナビゲーションを心がける

フェルランニングと同様、スカイランニングのコースにも方向指示は設置されない。つまり、ランナーはマップとコンパスだけを頼りに無数に存在するチェックポイントに到達しなければならないのだ。

困難そうに思えるが、トップレベルのウルトラランナーで、Hoka One Oneのアンバサダーを務めるトム・エバンスは、自信が肝心だと語る。

「基本を学んだあとは、自分のマップとコンパスを信頼すればOKだよ」

インターネットで検索すればナビゲーションを学べるオンライン講座が多数見つかるが、エバンスは地元のオリエンテーリングクラブを訪ねることを薦める。

「オリエンテーリングクラブのメンバーは、地形とマップを連動させるエキスパートさ。初心者でもすぐに正しいナビゲーションが身につくはずだ」

3:都市部に手頃な丘を見つける

都市部では標高100m以上の登り坂を見つけるのは難しいので、標高2,000mを超える実戦に向けたトレーニングが困難な場合がある。しかし、エバンスはそこまで心配する必要はないと考えているようだ。

「モチベーションがあれば決して難しくはない。僕が薦めるのは、実戦に近い環境で数週間トレーニングすることだ。それが不可能なら、トレーニングプログラムを工夫して近隣の山や丘を探してみよう。少し調べれば、トレーニングに適した山や丘がすぐに見つかるはずだよ」

4:初心者向けスカイランニングレースに参加する

エバンスは、英国北西部の湖水地方で開催されているScafell Sky Raceはチャレンジングだが、他のレースほど過酷ではないとしている。

「スキルと度胸が求められるセクションもあるけれど、スマートなトレーニングを十分にしておけばこのレースを制するのは決して難しくない」とエバンスは語り、さらに続ける。

「素晴らしい景色とテクニカルなトレイルもあるし、走りやすいセクションも沢山あるから、初めてのスカイランニングレースとしては最適だと思うよ」

一方、ハウグスネスが推薦するのは彼の地元ノルウェーで開催されているレースだ。とはいえ、こちらはより経験を積んだランナー向きのレースのようだ。

「ノルウェー北部でスカイランニングに最適なスポットは、センジャと呼ばれる島だ。2018年には、この島でSans Senja Skyraceというチャレンジングなスカイランニングレースが開催される予定だ」

5:トレーニングに最適な場所

英国の湖水地方はスカイランニングに最適だ
英国の湖水地方はスカイランニングに最適だ

英国はスカイランニングのトレーニングに適した場所が多く、ウェールズピーク・ディストリクト国立公園湖水地方スコットランドなどには標高の高いトレイルがふんだんに存在する。エバンスが特に薦めるのはグレンコー(スコットランド)だ。

「グレンコーはとてもテクニカルだから、高所恐怖症の人は不利かもね。天候もすごく変わりやすいから、ショートランでもそれなりの準備をしておく必要がある」

一方、ハウグスネスは英国湖水地方(写真上)がお気に入りだと語る。

「湖水地方はマウンテンランニングに最適で、この地域にはスカイランニングとの共通点が多いフェルランニングの豊かな歴史がある。ここで開催されるLake Sky Ultraは僕のお気に入りのレースのひとつだ」

6:その他のアドバイス / インスピレーション

英国のスカイランニング専門ウェブサイトSkyrunninguk.comでは、今後の開催レースなどについての情報が得られる。エバンスとハウグスネスの2人が揃ってインスピレーションを受ける人物として挙げるのが、イアン・コーレスだ。エバンスは次のように説明する。

「イアンの著書『Running Beyond』には、いくつかの最高のレースについて詳しく書かれているんだ。この本を一度読めば、取り上げられている全レースにエントリーしたくなるはずさ」

もしくは、YouTubeで「Kilian Jornet running(キリアン・ジョルネ ランニング)」と検索し、スカイランニング界のレジェンド、キリアン・ジョルネのインスピレーションに満ちた動画の数々をチェックしてみよう。恐ろしいスピードで山を駆け下りるジョルネの姿を見れば、思わず手に汗を握るはずだ。