SKY-HI&Yayoi Daimon&Reddy&DABO
© Yusuke Kashiwazaki
ミュージック

【白いレッドブル発売記念】SKY-HI&Yayoi Daimon&Reddy&DABO&starRo鼎談

春、あらたな生活に一歩踏み出す人や、新しいチャレンジに挑む人の背中を押すレッドブルの新商品「レッドブル ホワイトエディション」。その発売を記念して、5人のアーティストによるセッション動画が公開に。
Written by Jun Fukunaga
読み終わるまで:11分公開日:
動画公開にあわせて、トークセッションを敢行! 国内で活躍するDABO、SKY-HI、Yayoi Daimonと韓国を拠点に活動するReddyの4組のラッパー、そして音楽プロデュサーのstarRo。これまで音楽表現を通して常に前に向かって歩を進め、チャレンジを続けてきた5人の参加アーティストたちそれぞれにとっての「挑戦」について語ってもらった。

まだ小さかったシーン…見返りがなくても夢中で人前に踏み出す

—これまでの人生の中で印象に残っている「新たなチャレンジ」というとどのようなものがありますか?
DABO
DABO
DABO:初めて人前でライブをやった時ですね。16~17歳の時にはラップをもう始めてましたが自宅の部屋の中でだけやっている状態で、18歳ぐらいの時に初めて人前でラップしました。でもその時まではオーディエンスもいないし反応がないので、自分がイケてるかどうかもわからないわけだから、やはり最初の大きな挑戦になりましたね。
僕が10代の頃はダンスブームでダンサーは沢山いましたがラッパーの数は少なくて。特に日本語ラップというとシーンが当時もあるにはあったけど非常に小さいものだったから、同級生たちの理解なんてほとんどない状態でした。今、ラッパーは沢山いるし、ラッパーとして成功すればお金も稼げるし、女の子も寄って来る(笑)。当時と比べてラップをすることは“モテること”になったと思います。
でもその当時は今とは全く違う状況で、ラップが好きな自分とそれを理解してくれる仲間たちが盛り上がるためという、見返りがない中でただ夢中にやっていただけ。自分が培ってきたことを誰かに聴いてもらえるのが何よりも嬉しかったですね。

周りにはチャレンジに見えても本人にとってはチャレンジですらないのかも

SKY-HI
SKY-HI
SKY-HI:僕は世代的にもDABOさんのライブもよく見ていたし、その頃には深夜のクラブで行われるヒップホップのイベントは賑わっていたけど、自分がライブする時はお客さんが全然いない時ももちろんありました。そういった時期を経て、これから上に行けそうだなというタイミングには、自分や周りの同世代のラッパーたちも噴き出る寸前のマグマみたいなおもしろさを持っていました。音楽に限らず全てにおいて新しい何かに挑戦したり、始める時にはそういった力が必要なものだと思います。
例えばスタートアップで起業直前のビジネスマンの人たちって楽しそうじゃないですか? “何かがこれから始まっていく”ような体験自体が意味のあることだし、そういった経験を持っている人は人間的にも魅力的です。
これまでに自分がキャリアの中で行なってきたことは、チャレンジといえばチャレンジなのかもしれませんが、自分がやりたいからやってきただけだから実はチャレンジという言葉は適していないのかもしれません。確かに一般的にはチャレンジと呼べるものなんだけど、やっている本人からするとそういう感覚のものではなくて、ただやりたいことをやれるようにがんばる、やり始めたからにはうまくいくようにがんばる、といった感じなんですよね。

大人になって音楽に専念。挑戦は人生の取捨選択でもある

Reddy
Reddy
Reddy:皆さんは音楽が好きでこれまでやってこられたんだと思いますが、僕は実は最初はそうではなく、音楽よりもファッションが好きで大学卒業後はストリートブランドのお店で働いていました。その中でストリートカルチャーに触れるようになり、ラップをするようになりました。だから「大人になってから音楽を始める」というのが僕の中ではチャレンジでしたね。
それと生活のために働かなければいけなかったので、音楽だけをやっているわけにもいかず一時期はどちらも中途半端な感じでした。でも音楽一本に絞ってやっていこうと決めたのがすでに30歳を超えていた時で、もしうまくいかなかったらどう生活していこうという不安はもちろんありました。なので自分にとっては音楽一本でやっていこうと決めたことがこれまでの人生で何よりも大きなチャレンジにでしたね。
そういう意味で、ひとつのことを選択すれば、選ばなかった他のものを諦める必要も生まれてしまいます。でも、チャレンジにはそういった選択がつきものだと思っています。

社会のなかで自分らしく生きていくことこそがチャレンジなのかもしれない

starRo
starRo
starRo:これまでも皆さんの話に出てきましたが、僕は一般的にチャレンジと言われるようなものをチャレンジとは思っていないからよくわからないというのが本音ですが、あえていうのであれば、僕の場合、チャレンジは気分に左右されるもので、気分が沈んでいる時は毎秒がチャレンジだし、逆に調子が良い時は全くチャレンジだとは思わないんです。
僕もReddyさんと同じで、一般企業で働きながら趣味で音楽を続けていたけど、starRoとして本格的に音楽活動を始めたのも30代になってから渡米した後で、アメリカで活動を始めた当初は音楽一本で生活できるようになるとは思っていませんでした。
でも、アメリカ移住も音楽一本に絞ったことも他人はそれをチャレンジと捉えて「すごいですね」とか「勇気がありますね」と言ってくれるんですが、やっている本人としては全くそう思ってなくて、単純に目の前にそういう場面が現れたというだけなんです。
チャレンジという言葉には自分からその状況をコントロールしているというニュアンスがあると思いますが、そうではなくて自分から目の前に現れる変化のようなものを受け入れることだと僕は考えています。
最近はもうアーティストとして売れるとかは気にしていないし、承認欲求もなくなりました。でも、自分自身は音楽で生活しているわけですから、そのためには誰かに自分の音楽を買ってもらわないといけません。そして、人に買ってもらうということは世の中の“共通の価値”であるお金を払ってもらう必要があるので、どうしても自分の考えと活動との間に矛盾が生じることもあるでしょう。だから、そういう社会のシステムの中で自分らしく生きていくことが、今は自分の中でのチャレンジと言えるのかもしれませんね。

海外へ打って出るチャレンジで見えたあらたな価値観

Yayoi Daimon
Yayoi Daimon
Yayoi Daimon:私の場合は半年間LAに滞在したことがチャレンジでした。それまでは日本を出るという考えは全くなかったんですが、自分の中でリリックの壁にぶち当たったりしたこともあって、環境を変えてみたいなと思いました。その時は渡米するためのいろんな手配も自分で行い、半年間と限られた時間の中でしっかりと成果も残したいと考えていましたね。
ただ、自分としては半年の期限をあまり意識せず、ずっと向こうで活動するくらいの気持ちで渡米を決めていました。それで実際に渡米してみると旅行で行くだけでは何も本質的なものは見えていなかったということもわかったし、音楽業界に入って、日本もこういう業界は意外とある意味狭いのですが、アメリカもそれは同じで、向こうでDJやマネジメントを手伝っていただけるような方に運良く出会ったり、セッションしたり、ライブをやっていく中でいろんな価値観が変わっていきました。

“失敗”のとらえかたを変えてみる

—この春、気持ちも新たにに新しいステージに進もうとする人にアドバイスするとすれば?
DABO, SKY-HI
DABO, SKY-HI
DABO:言えることがあるとすれば、踏み出すか踏み出さないかだけです。さっきのチャレンジの話を踏まえて言うと、そういう人たちは春からやりたいことを新たに始めるわけだから、特に「がんばれ!」と声をかける必要もないんじゃないかな。
例えば4月から進学や就職が決まっているなら、それはもう自分の人生の新たな一歩を踏み出しているわけだから、あとはこれから自分がどうしていきたいのかを常に確認していくことが大切になってくると思います、だから自分が言えることは「みんなに幸あれ!」ということくらいですかね。
DABO
DABO
SKY-HI:何かにチャレンジすると確かに失敗する確率はそれなりにありますが、人生で一番学びになるのは、実際に何かに失敗した時だと思うんですよね。失敗をネガティヴにとらえるより、それを愛してあげられるといいなって。だから失敗をつまずきだと考えず、道中の寄り道というか、なくてはいけないものだととらえています。
よく「失敗を恐れず」と言いますが、そもそも失敗はそんなに恐れるべきものではないし、それは人生の中での“トライ&エラー”なんです。だから、それを“失敗”と呼ぶのはやめて、例えば“準成功体験”とかでもいいんじゃないかなって。
starRo
starRo
starRo:今の話の流れで言うと、“成功”というのは運とか周りの人との縁とか、見えない力が働いた結果のものだと思っています。それに対して失敗は、自分から起こるんです。よく有名な成功者の本をみんな読むと思いますが、そこで大事なのはその人が成功した“How to”の部分ではなく、失敗談です。その失敗談というのは絶対に自分に取り込むことができます。だから春から新生活を始める人はその中で沢山失敗することもあると思いますが、その時になぜ自分が失敗したかをちゃんと学ぶことが大切です。

自然体でやりたいことをやり続ける

Reddy
Reddy
Reddy:SKY-HIさんと一緒に曲を作ったり、日本でライブしたり、日本語でラップすることは他人からすればチャレンジかもしれませんが、僕の中では一切チャレンジでなく、やっぱり皆さんがおっしゃられたとおり、やりたいからやっているというだけです。だから今、こうして日本に来て仕事をしているのもやりたいからやっていることであって、「絶対に乗り越えなければいけないんだ!」というような気負いはありません。ただ楽しいからやっているだけです。
その意味で日常生活の中でやらなければいけないことを毎日ひとつずつ見つけていくことが僕はチャレンジだと思うし、特に何かを構えてやることではないと思っていますね。
Yayoi Daimon
Yayoi Daimon
Yayoi Daimon:もし、あたらしい挑戦をすることに不安があるなら、「やってみたらなんとでもなるからとにかくやってみて!」と声をかけたいですね。私の場合はお金に対する不安とかもありましたが、実際にやってみたらそこは後からなんとでもなるなと思いました。
だから、そういう不安があることはもちろん理解できますが、それを理由にして、チャレンジすることを諦めるより、本当にどうしても自分がやりたいことがあるなら絶対にその気持ちを優先して挑戦するべきです。
Yayoi Daimon
Yayoi Daimon

共作を経て繋がり、重なるアーティストたちの歩み

—最後に今日のセッションの感想をお願いします。
DABO:SKY-HI以外とは今回が初めての仕事だったんですが、すごく楽しかったですね。starRoさんのことは今回まで面識がなかったんですが、SNSでの発言でいつも含蓄のあることを言っているのも知っているし、実際に会ってみたら自分と近い部分が多いことがわかりました。
それと、実は今年、韓国のラッパーと一緒に仕事するのはReddyさんで2人目です。別の韓国のラッパーとは、今、東アジアはゴタゴタしているけど変なプロパガンダに惑わされることなく、自分たちはハートを交わして繋がっていこうという話をしていたのですが、そういうオープンな気持ちでいると今回のセッションのようなものに声をかけてもらえるから面白いですね。セッションでは色々得るものが多かったし、こういうことをずっとやっていきたいです。
DABO
DABO
SKY-HI
SKY-HI
SKY-HI:僕はここ1年くらいの間に一緒に仕事をさせてもらった人が多かったのですごく楽しかったです。それとさっき話していた挑戦と失敗じゃないけど、今日のセッションにおいて、ここをこうしてみようみたいなチャレンジができたのも良かったですね。
Reddy:最初はなぜRed Bull Koreaではなく、Red Bull Japanの方から自分に声がかかったのか不思議でした(笑)。でも今日セッションした皆さんの中では、例えばSKY-HIさんとは長年一緒に仕事をしている間柄だし、自分の中では彼は会えば会うほど嬉しくなる存在になっています。
Reddy
Reddy
他の方とは今回が初めてのセッションになりましたが、例えばDABOさんは韓国でもヒップホップシーンやラッパーにとってのレジェンドで、“兄貴”みたいな存在に実際にお会いするまで緊張していました。世界には多様な人がいる中で音楽が鍵になり、こうやって集まってセッションできたことは嬉しかったし、これをきっかけにみなさんとも色々なことで繋がっていけたらいいなと思っています。
Reddy
Reddy
starRo:今回のトラックは“White Edition”ということで単純に“白”をイメージしながら作ったんですが、僕の価値観で作ったトラックに、4人のラッパーがどんな風に入って来るのか楽しみにしていました。そういう意味で今回のセッションでは、自分がイメージしていたものとはまた違ったものが全員から出てきたことに興奮しましたし、そこがこのセッションの醍醐味だったと思います。とても刺激を受けました。
starRo
starRo
Yayoi Daimon:今日はただただ楽しいセッションでした! 今回のように、現在の音楽シーンで活躍されている色々なアーティストの方々と一緒にセッションできたことはありがたかったし、自分の中でも次に繋がる大きな一歩になりました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
Yayoi Daimon
Yayoi Daimon