Los Ratones pose for Red Bull League of Its Own 2025 in Munich, Germany on November 29, 2025.
© Marcel Lämmerhirt
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Los Ratonesとは?:Caedrelが率いる『リーグ・オブ・レジェンド』注目チーム

Nemesis、Crownie、Rekklesをはじめとする人気プレイヤーたちをMarc “Caedrel” Lamontが率いる『LoL』チームが躍進中だ。この要注目ヨーロッパチームをあらためて紹介しよう!
Written by Jon Partridge
読み終わるまで:9分Published on
2025年はLos Ratonesにとって素晴らしい1年となった。2024年11月に創設されたあと、Marc “Caedrel” Lamontが率いるこのチームは大きな成功を収めており、NLC(Northern League of Legends Championship)のSpring、Summer、Winterを制した他、EMEA Masters 2025 WinterとSpringも制するなどヨーロッパレベルでの成功も手にしている。
しかし、Los Ratonesはただのプロチームではない。トッププレイヤーが集まるスター集団であること、そして普段のスクリムをライブ配信して手の内を明かしている希有なチームでありながらも大きな成功を収めていることなど、複数の理由から大きな注目を集めている。
また、彼らは【Red Bull League of Its Own 2024】ではWorlds優勝6回を誇るT1(プレイヤーがポジションを変更していたが)から勝利をもぎ取ったこともある。
突如結成され、瞬く間にトップチームのひとつとなったLos Ratonesとは一体どのようなチームなのだろうか? 本記事で詳しく紹介しよう!
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Marc “Caedrel” Lamontとは?

ヘッドコーチを務めるCaedrel

ヘッドコーチを務めるCaedrel

© Mark Roe/Red Bull Content Pool

Marc “Caedrel” Lamontは、2015年からヨーロッパで活躍してきた『LoL』シーンの重要人物だ。2015年にxPerience eSports ClubのメンバーとしてスペインLVPを制して以来、CaedrelはGiants GamingRenegades BandidosFC Schalke 04H2k GamingExcel Esportsを渡り歩きながら活躍を続けてきた。
Excel Esports時代にLECで2シーズンをプレイしたあと2020年に現役を引退したCaedrelは、実況・コメンテーターとしてのキャリアを選択。同年のEuropean Masters、LEC Summer Playoff、Worlds 2024のプレイインでの実績が認められると、LEC 2021シーズンの実況チームに抜擢された。
2021シーズンのMSI(Mid-Season Invitational)や2021シーズンと2022シーズンのWorldsにもコメンテーターとして参加しつつ、2021シーズンから2023シーズンまでLECの実況チームに在籍したCaedrelは、2020年から続けてきた配信に注力するため、実況・コメンテーターとしての活動を終了した。
その後、Los Ratonesが創設されると、Caedrelは競争力とエンターテインメント性を両立させたチームを作り上げることを明言した。
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Los Ratonesとは?

【Red Bull League of Its Own 2025】に出場したLos Ratones

【Red Bull League of Its Own 2025】に出場したLos Ratones

© Marcel Lämmerhirt/Red Bull Content Pool

Los Ratones(スペイン語で “ネズミたち” の意味。英語同様、PCマウスも意味する)には、『LoL』シーンを代表するトッププレイヤーたちが在籍しており、うち3人はWorlds経験者だ。

① トップレーナー:Simon “Thebausffs” Hofverberg

ビッグステージデビュー戦で素晴らしいプレイを見せたThebausffs

ビッグステージデビュー戦で素晴らしいプレイを見せたThebausffs

© Baptiste Fauchille/Red Bull Content Pool

『LoL』配信者として知られるThebausffsはプロチームでのプレイを模索しており、2019シーズンのG2 Esports、2020シーズンのBIGでそれぞれリザーブとして登録された経験を持つが活動拠点はTwitchで、最大同時視聴者数105,008人、平均視聴者数1万人超を誇っている。
Twitchフォロワー150万人、YouTubeチャンネル登録者数102万人を抱える26歳のこのスウェーデン人トップレーナーは、その枠に囚われないプレイでLos Ratonesにアドバンテージをもたらしており、チームが苦しくなったときもトロールな才能を活かしてチームをリラックスさせている。

② ジャングラー:Veljko “Velja” Čamdžić

Velja

Velja

© Marius Faulhaber/Red Bull Content Pool

Los Ratonesのメンバーの中で最も知名度が低い23歳のセルビア人ジャングラーVeljaだが、チームへの貢献度は高く、数多くのタイトルに加えて、NLCとEuropean MastersでMVPも獲得している。
とはいえ、Veljaをよく知らない人はまだ多いだろう。このジャングラーはBalkan Esports Leagueでデビューしたあと、Benelux Elite SeriesやイタリアのPG Nationalsなどでプレイを重ねたが、2024シーズンのSpring終了後、配信に注力するため競技シーンから引退した。
Twitchフォロワー約25万人を抱えるVeljaの配信者への転身は今のところ成功しており、そのEU Westのソロキュートップに立ったこともあるその『LoL』の才能は世界に知られている。競技シーン復帰後もその才能は活かされており、Los Ratonesの躍進に貢献している。

③ ミッドレーナー:Tim “Nemesis” Lipovšek

Nemesis

Nemesis

© Marius Faulhaber/Red Bull Content Pool

NemesisはEuropean Reginal Leagueのプレイヤーからステップアップを重ねていったプレイヤーで、Mad Lionsで活躍したあと、Fnaticへ移籍してLECデビューを飾った。
2019シーズン、Rasmus “Cap” WintherのG2 Esports移籍を受けてFnaticへ移籍したNemesisは2020シーズンまで活躍。すぐにチームに溶け込んだNemesisは、2シーズン連続でWorldsクォーターファイナル進出の原動力となった。
その後、Gen.Gで配信者としてキャリアを構築していくことを選択すると、韓国とヨーロッパでソロキューの才能を披露。Los Ratonesでも一貫性と安定感のあるプレイでチームに貢献しており、今後も活躍を続けるはずだ。

④ ボットレーナー:Juš “Crownie” Marušič

Crownie

Crownie

© Marius Faulhaber/Red Bull Content Pool

以前はCrownshotとして活動していたCrownieは『LoL』プロシーンのベテランだ。2016シーズンから活動しているCrownieは、LDLCLECMAD LionsSK Gamingなど、複数のリーグとチームを渡り歩いてきた。
Team Vitalityでプレイしたあと、フランスLFLのTeam BDS AcademyでもプレイしたCrownieは、2023シーズンからBDSのロースターに入ると、同シーズンのWorldsに出場。Los Ratonesよりも前にBad LionsNemesisValjaと組んでいたCrownieは、このチームでセミプロのT-esports Championshipを制しており、現在の連携力の基礎をこの時点で作り上げていた。

⑤ サポート:Martin “Rekkles” Larsson

【Red Bull League of Its Own 2025】でプレイするRekkles

【Red Bull League of Its Own 2025】でプレイするRekkles

© Marius Faulhaber/Red Bull Content Pool

Rekklesは世界で最も有名な『LoL』プレイヤーのひとりで、10年以上ヨーロッパと世界で実績を重ねてきた。16歳でプロデビューを飾ったRekklesは、10代を通じてレベルの高さを見せつけており、ヨーロッパリーグ設立2年目からトッププレイヤーのひとりとして活躍を続けてきた。
Fnaticでの活躍が知られるRekklesは国内4タイトルを含むいくつもの功績を手にしており、シーズンMVP獲得4回(最多記録)ヨーロッパ最多となるペンタキル10回を誇る。また、Worldsには過去6回出場しており、LEC FinalsのMVPも3回獲得している。
Karmine CorpのプレイヤーとしてLFLでプレイしたあとFnaticへ戻り、ボットレーナーからサポートへロールスワップしたRekklesは、T1 Esports Academyでもこのロールを担った。
長年ボットレーナーとして活躍してきたRekklesにとってサポートヘのロールスワップは新たなチャレンジとなったが、選手寿命の延長にも繋がっており、Los Ratones加入後もチームにNLCの複数タイトルをもたらしている。
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これまでの実績

【Red Bull League of Its Own 2024】集合写真

【Red Bull League of Its Own 2024】集合写真

© Baptiste Fauchille/Red Bull Content Pool

Los Ratonesのこれまでの実績を紹介しよう:
  • Red Bull League of its Own 2025 - T1戦勝利(アルティメット・フィアレスルール)
  • Red Bull League of its Own 2024 - T1戦勝利(ロールスワップルール)
  • NLC Winter 2025:優勝
  • NLC Spring 2025:優勝
  • NLS Summer 2025:優勝
  • EMEA Masters Winter 2025:優勝
  • EMEA Masters Spring 2025:優勝
  • EMEA Masters Summer 2025:3位・4位
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Los Ratonesの特徴

【Red Bull League of Its Own 2025】でプレイするNemesis

【Red Bull League of Its Own 2025】でプレイするNemesis

© Marius Faulhaber/Red Bull Content Pool

Los Ratonesはヨーロッパシーンでの躍進によって注目を集めているが、スクリムの配信でも知られている。スクリムの公開は手の内を晒すのと同じであり、プロシーンではほとんど見られないアプローチだ。尚、スクリムとはプロチーム同士の練習マッチを意味し、作戦やムーブを知られないようにするために通常は非公開で行われる。
しかし、Los Ratonesは自分たちのスクリムの大半を配信しており、このリスキーなアプローチによって多くのファンと視聴者の獲得に成功している。
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LEC参戦の可能性

Los RatonesはKarmine Corp Blueとともに2026シーズンのLEC Versus Seasonに参戦する予定だ。Winterに替わって開催されるこのシーズンでは、LECの10チームにERLの2チームが加えられる。
2025シーズンのEMEA Mastersでの活躍が認められてVersusへ招待されたLos Ratonesは、ビッグチームたちを相手に好印象を残そうとするはずだ。LEC Versus 2026はBO1・シングルラウンドロビン方式で行われ、トップ8がプレイオフへ進出し、優勝チームはFirst Stand 2026出場権を獲得する。
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