Participants seen during the Wings for Life World Run Flagship Run in Munich, Germany on May 5, 2024.
© Flo Hagena for Wings for Life World Run
ランニング

【Wings for Life World Run 2024】結果&ハイライト

過去最多の26万人以上が参加し、日本人ランナーの渡辺智也氏が最長走行距離記録更新とともにグローバルチャンピオンに輝いたグローバルチャリティーランを振り返る。
Written by Trish Medalen
読み終わるまで:7分公開日:
2024年5月5日に11回目の開催を迎えた【Wings for Life World Run】は、過去最多となる26万5,818人が参加し、“世界最大のランニングイベント” であることをあらためて証明した。
しかし、何よりも重要なのは、このイベントに走る、歩く、車いすのいずれかで参加した全員の協力により、810万4,499ユーロ(約13億3,842万円)が集まったということだ。この全額が脊髄損傷の治療法研究および臨床試験に送られる。
米国・ロサンゼルスのシダーズ=シナイ・メディカルセンタージョシュア・ブルダ医師は【Wings for Life World Run】から資金援助を受けて治療法研究を進めているひとりだ。ブルダ医師は感謝の気持ちを次のように述べている。
「このグローバルムーブメントに参加してくださり、本当にありがとうございます。おかげで脊髄損傷の治療法発見を目指す重要な研究を続けることができます。皆さんが参加してくださっているおかげで、脊髄損傷を抱えている方とそのご家族の皆さんに希望を与えることができています」
ウィーンのフラッグシップランのスタートライン

ウィーンのフラッグシップランのスタートライン

© Philipp Carl Riedl for Wings for Life World Run

【Wings for Life World Run 2024】では、192の国籍の約26万人169カ国で同時にスタートし、“動くフィニッシュライン” ことキャッチャーカーに追いつかれるまで力走した。
バーチャルキャッチャーカーが追いかけてくるアプリラン、本物のキャッチャーカーが追いかけてくるフラッグシップランを合わせた全参加者の平均走行距離は11.5km、総走行距離は地球約50周分に及んだ。
参加者の多くが、神宮外苑矢巾町札幌名古屋福岡、ドバイ、マイアミを含む世界345都市(過去最多)で開催されたアプリランイベントに参加した。
世界同時開催された【Wings for Life World Run 2024】は、当然ながら天候も様々で、公式天気予報サービスUBIMETによると、レース中の最低気温はカナダ・ケベック(5℃)、最高気温はインド・ラクナウ(41℃)だった。また、レース中の日照時間が最も長かった都市はクロアチア・ザダル南アフリカ・ケープタウンで、降雨量が最も多かった都市は米国・サンフランシスコだった。
南アフリカ・ケープタウンの参加者

南アフリカ・ケープタウンの参加者

© Craig Kolesky for Wings for Life World Run

ユニークなレースフォーマットを採用している【Wings for Life World Run】はプロアスリート、市民ランナー、車いすユーザー、そして初心者までのあらゆる人が参加できるチャリティーランイベントとして有名だが、本物のキャッチャーカーをドライブするセレブリティたちも大きな魅力のひとつとなっている。
今年は、オリンピック連覇中のスノーボーダー、アンナ・ガッサーがオーストリア・ウィーンで開催されたフラッグシップランのキャッチャーカードライバーを務め、スキージャンプのレジェンド、アダム・マリシュがポーランド・ポズナンのフラッグシップランでキャッチャーカードライバーを務めた。
また、アプリランのオーディオエクスペリエンス(音声サービス)でも、たとえば、イタリア語版バーチャルキャッチャーカーの音声はバスケットボール男子代表ルイージ・ダトメが務め、英語(英国)版バーチャルキャッチャーカーの音声はトライアスリートのルーシー・チャールズ=バークレーが務めるなど、多くのアスリートやセレブリティが大役を担った。
実際に会場を走ったプロアスリートも多く、日本ではボンちゃん上田瑠偉をはじめとする多くのレッドブル・アスリートが参加した他、テニスプレイヤーのステファノス・チチパスやスケーターのサンドロ・ディアスも参加した。
脊髄損傷の治療法発見という大きな目標に向けて他にも多くのトップアスリートがサポートの姿勢を示しており、サッカーのネイマール(ブラジル)、ラグビーのシヤ・コリシ(南アフリカ)、MotoGPのマルク・マルケス(スペイン)とダニ・ペドロサ(スペイン)、サーフィンのカリッサ・ムーア(米国)、サイクリングのワウト・ファンアールト(ベルギー)、クリケットのベン・ストークス(英国)、スキーのリンゼイ・ボン(米国)とルーカス・ブラーテン(ノルウェー)、陸上ハードルのカールステン・ワーホルム(ノルウェー)などが名前を連ねた。
ブラジルで参加したレジェンドスケーターのサンドロ・ディアス

ブラジルで参加したレジェンドスケーターのサンドロ・ディアス

© Fabio Piva for Wings for Life World Run

今年は、実際のレースでも新記録が誕生した。男性部門は2022年と2023年で連覇を達成していた福田穣氏が3連覇を逃した一方、同じ日本人ランナーの渡辺智也氏が福岡で開催されたアプリランでグローバルチャンピオンに輝いた。
フランス人ランナーのギヨーム・ルエル氏、ベルギー人ランナーのヴァレンティン・ポンセレ氏と接戦を繰り広げた渡辺氏は、最終盤で一気に2人を振り落とし、【Wings for Life World Run】最長走行距離70.09kmを記録(同イベント初の70km突破)して、世界1位となった。
渡辺氏はレース終了後、次のようにコメントした。「今日はスタートからハイペースで、先頭集団はかなり速かったのですが、そのおかげでいいペースで走れました。新記録を狙うことも大きなモチベーションになっていました。今日の優勝は自分にとってとても大きな意味を持っています。走り続けて来年に向けて準備します!」
最長記録を更新して男性部門のグローバルチャンピオンに輝いた渡辺智也氏

最長記録を更新して男性部門のグローバルチャンピオンに輝いた渡辺智也氏

© Wings for Life

女性部門もスリリングなレース展開となり、長年ライバル関係にあるドミニカ・ステルマック氏(ポーランド)とナターシャ・シュスティッチ氏(クロアチア)、インゲレーナ・ショーンブルク=ハウク氏(ドイツ)の三つ巴となった。
最初にショーンブルク=ハウク氏がレースを終え、次にシュスティッチ氏が自己ベストの55.02kmでフィニッシュしたあと、ポズナンのフラッグシップランに参加していたステルマック氏が雨と晴れの不安定な天候でのレースを制して、2017年以来2回目の女性部門グローバルチャンピオンになった。
ステルマック氏はレース後に「今日は走れない人たちのため、自分を信じることができていない人たちのために走りました。自分を強く持つことはとても重要だということを示したかった」と語った。
7年ぶり2回目の女性部門のグローバルチャンピオンに輝いたドミニカ・ステルマック

7年ぶり2回目の女性部門のグローバルチャンピオンに輝いたドミニカ・ステルマック

© Damian Kramski for Wings for Life World Run

最終的に素晴らしい1日となった今年はまたもや素晴らしい結果を残した。2024年の開催を終えた今、【Wings for Life World Run】は2014年の初開催から155万9,534人の参加者の協力によって5,193万ユーロを集め、299の脊髄損傷の治療法研究および臨床試験を支援してきたことになる。
当日は元クロアチア代表サッカー選手・現VfLヴォルフスブルク監督ニコ・コヴァチと走ったWings for Life財団アニタ・ゲルハーターCEOは、次のように感謝の気持ちを述べた。
「多くの人が集まれば素晴らしいことが起こせます! 私たちには医療の歴史を変え、脊髄損傷の治療法を発見する力があります。今日奇跡を起こしてくれた参加者の皆さん、運営チームの皆さん、ボランティアの皆さん、パートナーの皆さんに心の底から感謝します。私と同じように【Wings for Life World Run 2024】を楽しんでいただけた方は、2025年5月4日にまたお会いしましょう!」
12回目の【Wings for Life World Run】は2025年5月4日(日)に開催される予定で、アプリランの参加登録はすでに始まっている。アプリランイベントおよびフラッグシップランの開催地や詳細情報については2024年11月6日以降順次発表される予定となっている。
参加登録や詳細はwww.wingsforlifeworldrun.comまで。

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