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ウルトラ ランニング

Wings for Life World Run 2025:結果&ハイライト

史上最多の参加人数31万719人・総額860万ユーロを記録し、日本人ランナーの福田穣さんが3回目の男子グローバルチャンピオンに輝いた、"走れない人たちのために走る" グローバルチャリティーランイベントの歴史的な1日をプレイバック!
Written by Lucy Debenham
読み終わるまで:12分Published on
フィジーのソロランナーからリオ・デ・ジャネイロのランニンググループまでの191カ国から 【Wings for Life World Run 2025】に参加した30万人超のワールドランナーたちはひとつの大きな目標に向けて前進し、イベント記録更新となる860万ユーロを集めた。その全額が脊髄損傷の治療法発見に向けた重要な研究や臨床試験へ送られる。
ブラジルを含む世界同時スタートのチャリティーランイベント【Wings for Life 2025】は860万ユーロを集めた

ブラジルを含む世界同時スタートのチャリティーランイベント【Wings for Life 2025】は860万ユーロを集めた

© Marcelo Maragni for Wings for Life World Run

01

記録更新

12回目となった【Wings for Life World Run】は、2025年5月4日に開催され、世界各国からこちらも史上最多となる31万719人が脊髄損傷の治療法発見という大きな目標のためにパワフルで喜びに満ちたムーブメントに参加した。しかし、数字だけでこのグローバルランイベントの魅力を語ることはできない。ハイファイブ、笑顔、そして嬉し涙が、今年のイベントを忘れられない素晴らしいイベントにしたのだ。
Wings for Life財団のインターナショナル・スポーツディレクターを務めるコリン・ジャクソンは次のようにコメントを発表した。
「今年の【Wings for Life World Run】も本当に素晴らしいイベントになりました。規模とクオリティは向上の一途を辿っており、影響力も高まり続けています。2025年も記録更新に成功し、総参加者数は31万719人となり、寄付金と参加費の総額は860万ユーロを超えました。最高の結果です!」
「このイベントが特別な理由は、参加者ひとりひとりの貢献が脊髄損傷の治療法発見へ直接送られ、私たちを治療法発見へ向けて確実に前進させているところにあります。本日の結果は、多くの人たちの人生を変えることになるでしょう」
オーストリア・ウィーンのフラッグシップランのスタート前

オーストリア・ウィーンのフラッグシップランのスタート前

© Philip Platzer for Wings for Life World Run

ハッセルト大学生物医学研究所(ベルギー)で助教授を務めるジュディス・ラウセン博士は、【Wings for Life World Run】から資金援助を受けている研究の指揮を執っている。彼女は、自分が率いるチームをさらに前進させるという重要な役割を担ってくれた今年の全参加者に深謝の気持ちを述べている。
「この唯一無二のイベントに参加してくださり、ありがとうございます! 皆さんの参加は、研究資金を増やすと同時に、脊髄損傷の治療法研究に携わるすべての人に希望を与えています。皆さんの一歩が未来への希望となるのです。脊髄損傷の治療法発見に取り組む研究者である私にとって、【Wings for Life World Run】に毎年参加することはとても重要です」
脊髄損傷を抱えている人たちの認知を高めるため、そして脊髄損傷の治療法研究のための資金を集めるために世界中から多くの人が参加しているこのイベントは、とても大きなモチベーションであり、世界中の人が必要としています」
「このようなイベントのおかげで、私たちは歩み続け、脊髄損傷を抱える人たちに対する優れた治療法発見に向けて努力を続けることができるのです」
02

豪華なキャッチャーカードライバー

世界7都市で開催されたフラッグシップランでは、レッドブル・アスリートセレブリティが運転するキャッチャーカーが会場の雰囲気をさらに盛り上げた。
たとえば、オーストリア・ウィーンではスノーボード最強女王のアンナ・ガッサーとパラリンピックに3回出場したスキーヤーのライニ・ザンプルがステアリングを握り、参加者たちのエナジーレベルを高めた。
女子グローバルランキング2位に入ったマルチナ・ムイナルチクさん

女子グローバルランキング2位に入ったマルチナ・ムイナルチクさん

© Damian Kramski for Wings for Life World Run

また、ドイツでは、オリンピックスキージャンプ金メダリストのアンドレアス・ウェリンガーがステアリングを握り、オランダでは元F1ドライバーのロバート・ドーンボスがプロドライバーらしい走りで会場を盛り上げた。
クロアチア・ザダルで開催されたフラッグシップランのキャッチャーカーは、同国ナンバーワンラリードライバーのヴィラム・プロダンが務め、スロベニア・リュブリャナでは本国のトップラリードライバー、マルク・シュクリロック・トゥルクが担当した。
さらにスイスでは、十種競技や走り幅跳びで活躍するジモン・エハマーがキャッチャーカードライバーを担い、ポーランドでは、現在ポーランドスキー連盟の代表を務めるスキージャンプレジェンドのアダム・マリシュがキャッチャーカーに再び乗り込み、動くフィニッシュラインとして参加者たちに追いつきながら、会場のエナジーと祝祭の雰囲気を楽しんだ。
Quotation
2025年も記録更新に成功し、総参加者数は31万719人となり、寄付金と参加費の総額は860万ユーロを超えました。最高の結果です!
コリン・ジャクソン(Wings for Lifeインターナショナル・スポーツディレクター)
03

真のグローバルイベント

今年は記録更新が続いた。世界中で開催されたアプリランイベント数452とその合計参加者数24万9,444人はともに過去最高となった。
アプリランイベントは、南アフリカ・ケープタウンの陽光眩しい海岸からノルウェー・トロムソの凍ったトレイル、さらには、マイアミ(米国)、パナマシティ(パナマ)、マドリッド(スペイン)、ロンドン(英国)、ドバイ(UAE)、シドニー(オーストラリア)、リオデジャネイロ(ブラジル)など世界中で開催され、日本でも東京福岡広島大宮の4会場で開催された。
その結果、天候もバラエティに富んだ。【Wings for Life World Run 2025】公式天気予報サービスUBIMETによると、最高気温はドバイ(UAE)の41℃で、最低気温はストックホルム(スウェーデン)の6℃だった。また、アルメリア(スペイン)は時速76kmの強風が吹き、シュピールベルク(オーストリア)のレッドブル・リンクは大雨に見舞われた。
アプリランイベント参加者数も史上最多となった

アプリランイベント参加者数も史上最多となった

© Julien Bru for Wings for Life World Run

04

参加したトップアスリートとセレブリティ

12回目の【Wings for Life World Run】には他にも多くのレッドブル・アスリートやセレブリティが参加した。
たとえば、レッドブル・グローバルサッカー責任者ユルゲン・クロップが、Wings for Life World Runアプリを使用して、自ら結成したチームKloppo & Friendsのメンバーと一緒に走った。クロップ氏はキャッチャーカーに追いつかれたあと、次のようにコメントした。
「今日の私はここまでですが、他の多くの皆さんはまだこれからでしょう。今日は膝が30分強持ちました。あとは歩いて戻りますが、素晴らしい体験でした。私のチームに参加して下さった皆さん、ありがとうございます。また来年お目にかかりましょう。トレーニングを重ねて、来年はもっと長く走れるようにします!」
「今日は10km走るつもりでしたが、調子が良かったので15km走りました。ルーカス・チェピエラ(エアレースパイロット)、ダビド・ゴジェック(MTBライダー)、アンジェイ・バルギエル(クライマー)と一緒に走りましたが、アンジェイが後半にペースアップしたので、私たちは遅れてしまいました」
「例年通り、雰囲気は最高でしたね。【Wings for Life World Run】は多様でエナジーに溢れているイベントです。モータースポーツ出身の私にとって “走る” は身近ですし、モータースポーツでは脊髄損傷の可能性が高く、抱えている人たちを個人的に知っています。Wings for Life財団による資金援助によっていつの日か医療の革命が起きることを願っています」
オーストリア・ウィーンのフラッグシップランに参加したドミニク・ティーム

オーストリア・ウィーンのフラッグシップランに参加したドミニク・ティーム

© Matthias Heschl for Wings for Life World Run

また、サーフィン元世界女王のカリッサ・ムーアがハワイ・ホノルルで開催されたアプリランイベントに参加した他、オリンピックビーチバレー金メダリストのデュダ・リスボアアナ・パトリシアが美しいブラジリアから参加した。
さらには、アイリーン・グー(スキー | 中国)、ドミニク・ティーム(テニス | オーストリア)、カールステン・ワーホルム(ハードル | ノルウェー)、ファビオ・ヴィブマー(トライアルバイク | オーストリア)、ルーシー・チャールズ=バークレー(トライアスロン | 英国)、アーチ・マニング(アメリカンフットボール | 米国)、セバスチャン・ローブ(ラリー | フランス)なども参加した。
日本でも、東京会場に小林陵侑(スキージャンプ)、鬼塚雅(スノーボード)、草木ひなの(スケートボード)、上田瑠偉(マウンテンランニング)、Yu-ri(フリースタイルサッカー)、aMSa(eスポーツ)が参加して、会場を大いに盛り上げた。
また、【Wings for Life World Run】の大きな特長のひとつが、16言語で展開されるオーディオエクスペリエンス機能だが、レース中にリアルタイムで情報を更新してくれるこの機能の音声も著名人が担当しており、日本語版は福島和可菜がホスト、柴田聡がキャッチャーカーの音声を担当した。
05

福田穣さんが3回目の男子グローバルチャンピオン!

参加者平均走行距離は12.4kmで、総走行距離は赤道64周分に相当するWings for Life World Run 2025では、グローバルチャンピオンもイベント同様記録更新尽くしとなった。
まず、男子は、日本・福岡のアプリランイベント会場から参加した福田穣さんが歴史的な快走で3回目のタイトルを獲得。71.67kmを走破した福田さんは、2024年にグローバルチャンピオンに輝いた渡邊智也さんの記録を1.58km上回り、イベント新記録を手にした。
3回目の男子グローバルチャンピオンに輝いた福田穣さん

3回目の男子グローバルチャンピオンに輝いた福田穣さん

© Hiromitsu Rikimaru for Wings for Life World Run

「今年もまた絶対に勝ちたいと思っていたので、本当に勝てて嬉しいです!」と振り返った福田さんのパフォーマンスはウルトラランニングのトップレベルに近く、彼は自分でエリートランナーのひとりであることをあらためて証明すると同時に、アーロン・アンダーソンさんに次ぐ史上2人目の “タイトルを3回獲得した参加者” となった。
2位には自己ベスト更新となる68.54kmをウィーンで記録したアンドレアス・ヴォイタさん(オーストリア)が入り、福田さんと同じ福岡でのアプリランイベントに参加したジェイク・バラクローさん67.86kmで3位に入った。
06

女子グローバルチャンピオンはドイツで誕生!

そして女子は、ドイツで新記録が樹立された。ミュンヘンで開催されたフラッグシップランに参加したエスター・ファイファーさんが見事な走りで59.03kmを走破してドイツ人初のグローバルチャンピオンに輝くと同時に史上2人目の女子59km超えを達成し、女子最長記録に迫った。
女子グローバルチャンピオンに輝いたエスター・ファイファーさん

女子グローバルチャンピオンに輝いたエスター・ファイファーさん

© Marc Conzelmann for Wings for Life World Run

終盤に踏ん張りを見せて優勝を手にし、歴史に名前を刻んだファイファーさんにとって、【Wings for Life World Run 2025】は忘れられないレースとなった。また、彼女の夫ヘンドリック・ファイファーさん同フラッグシップランの男子部門で優勝し、グローバルランキングでも5位に入った。ファイファーさんは次のようにコメントした。
「序盤は簡単でしたが、30km以降はかなり厳しかったです。なぜなら、トレーニングでは25km以上走らないからです。1kmごとに多くの人が私を応援してくれたおかげで、59kmも走ることができました! ハイライトはスタートです。走れない人たちのためにあそこまで多くの人が集まった光景は圧巻でした。素晴らしいイベントでしたし、とても楽しかったです」
Quotation
ハイライトはスタートです。走れない人たちのためにあそこまで多くの人が集まった光景は圧巻でした
エスター・ファイファーさん
女子グローバルランキングで2位に入ったのは、ポーランドで57.80kmを走ったマルチナ・ムイナルチクさんで、3位にはオランダ・ブレダから参加して57kmを走りきったパトリシア・タラーさんが入った。
尚、女子グローバルチャンピオンに4回輝いた実績史上最長記録61.02kmを誇るニナ・ウスビャン(旧姓:ザリナ)さんも米国・ワシントン州からアプリランに参加。55km地点でキャッチャーカーに追いつかれたが、堂々のグローバル4位に入り、実力が衰えていないことを証明した。
また、日本の女子ナショナルチャンピオンは、初参加ながら44.04kmを走った屋代沙由未さん(アプリランイベント東京会場)が手にした。屋代さんは次のコメントを残した。
「今回、知人に勧められて初めて参加しました。私は医師として働いていますが、医療現場だけでは解決できないこともあります。このイベントが脊髄損傷の治療研究につながると思うと、それが大きな走るモチベーションになりました」
Wings for Life World Run 2025日本女子チャンピオンとなった屋代沙由未さん

Wings for Life World Run 2025日本女子チャンピオンとなった屋代沙由未さん

© Suguru Saito for Wings for Life World Run

Quotation
今回、知人に勧められて初めて参加しました。私は医師として働いていますが、医療現場だけでは解決できないこともあります。このイベントが脊髄損傷の治療研究につながると思うと、それが大きな走るモチベーションになりました
屋代沙由未さん
07

治療法発見へ向けて前進

たった1日で、【Wings for Life World Run 2025】は大きな成功を手にした。これで初回の2014年かられの寄付金・参加費の合計金額は6,053万ユーロに達した。また、12回の開催におけるのべ参加者数は191カ国・187万253人に上り、これまでに資金援助を受けた研究および臨床試験数は324となった。
オーストラリア・シドニーで開催されたアプリランイベントの参加者たち

オーストラリア・シドニーで開催されたアプリランイベントの参加者たち

© Ken Leanfore for Wings for Life World Run

Wings for Life財団のアニタ・ゲルハーターCEOは、今年の参加者たちの功績を次のように強調し、感謝した。
「【Wings for Life World Run 2025】の結果に心の底から感激しております。ひとつの大きな目標のために、世界から多くの愛とエナジーが集められました。31万917人が参加し、脊髄損傷の治療法発見のために860万ユーロを集めることができました。今日を特別にしてくれた皆さんに心から感謝いたします」
「ウォーキング、ランニング、車いすでの参加、さらにはボランティアの皆さんや沿道から声援を送って下さった皆さん全員がこのムーブメントの中心に位置しています。皆さんと力を合わせて、私たちは脊髄損傷の治療法を必ず発見します。本当にありがとうございました。また来年お目にかかりましょう!」
第13回目となる【Wings for Life World Run 2026】は、2026年5月10日(日)に開催予定。フラッグシップラン、アプリランイベント、アプリランの参加登録は2025年11月5日から始まる。こちらから事前登録を行うと参加登録開始の通知が届くようになっている。
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