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ウイングスーツ

【世界初!】ウイングスーツでロンドン・タワーブリッジを通過!

構想2年半! リハーサル200回! 最高時速246kmで英国随一の観光名所をウイングスーツで通過したビッグプロジェクトの全貌を動画とテキストでチェック!
Written by JJ Dunning
読み終わるまで:3分公開日:
マルコ・フュルストマルコ・ヴァルテンシュピールが美しく正確無比なフライトを披露し、英国・ロンドンの観光名所タワーブリッジを世界で初めて通過したウイングスーツパイロットとなった。
大一番に向けて待機するマルコ・フュルストとマルコ・ヴァルテンシュピール

大一番に向けて待機するマルコ・フュルストとマルコ・ヴァルテンシュピール

© Michael Zajc/Red Bull Content Pool

この日のために約200回のトレーニングフライトを重ねました
マルコ・フュルスト
オーストリアが誇るフリーフォールスカイダイビングのパイオニアとして知られるフュルストとヴァルテンシュピールは、5月12日午前5時22分(現地時間)にタワーブリッジ西上空のヘリコプターから飛び出すと、それからわずか45秒後、1,200mを飛行したあとテムズ川に浮かぶはしけの上に無事着地した。
また、この高速フライトの一部始終は、キヤノンがタワーブリッジ周辺の14カ所に設置した合計24台のカメラで記録した。
2人はこの日のために約200回のトレーニングジャンプを重ねた

2人はこの日のために約200回のトレーニングジャンプを重ねた

© Peter Salzmann/Red Bull Content Pool

タワーブリッジの西1.2km地点高度914mのヘリコプターから飛び出した2人は最高時速246kmを記録しながら、タワーブリッジの “横65m x 縦32m" “窓” を通過した。
タワーブリッジを通過するためには高度約900mからの正確無比なフライトが必要だった

タワーブリッジを通過するためには高度約900mからの正確無比なフライトが必要だった

© Dominik Angerer/Red Bull Content Pool

高度約30mでタワーブリッジを飛び抜けた2人は、フレアと呼ばれるマニューバーへ移行。パラシュートを展開してテムズ川のはしけの上に安全に着地するために高度約85mまで急上昇した。
夢を現実に変えられる素晴らしいチーム、そしてパートナーと仕事ができて嬉しいです
マルコ・フュルスト
「夢を現実に変えられる素晴らしいチーム、そしてパートナーと仕事ができて嬉しいです」とフュルストは振り返った。「最高の気分ですね。ジャンプが美しく決まり、すべてが上手くいきました。2年半を費やして計画を練り、最高の準備とトレーニングを積んできました」
1年以上の準備を経てタワーブリッジ通過に成功した

1年以上の準備を経てタワーブリッジ通過に成功した

© Joerg Mitter/Red Bull Content Pool

このようなユニークなロケーションを飛行できるチャンスを得られるのはすごいことです。このようなアクションを映画で見たことがあるかもしれませんが、実際に自分たちでやれるのは最高です
マルコ・ヴァルテンシュピール

2人の歴史的なウイングスーツフライトを詳しく振り返っていこう:

01

200回のリハーサル

今回のフライトは、1年以上に及ぶハードワークの総決算だった。2人は2022年7月からフライトの準備を始めていた。計画が練り上がると、2人は2023年4月に英国・オックスフォードシャーのトレーニング施設へ向かい、クレーン2台を使ってタワーブリッジの通過エリアを再現した。
風速:安全確保のためには風速が時速19kmを下回る必要があった

風速:安全確保のためには風速が時速19kmを下回る必要があった

© FormBrands

安全確保:ヘリコプターから視界を確保できている必要があった

安全確保:ヘリコプターから視界を確保できている必要があった

© FormBrands

ここで約200回のトレーニングフライトを重ねたことで、2人は今回のプロジェクトを細部まで理解し、ヘリコプターから飛び出す理想の高度が914mになることも突き止めた。
高度:トレーニングの結果、理想的な高度が914mであることが判明

高度:トレーニングの結果、理想的な高度が914mであることが判明

© FormBrands

ウイングスーツ:3枚の主翼でフライトをコントロールする

ウイングスーツ:3枚の主翼でフライトをコントロールする

© FormBrands

02

高度914mからの飛び出し

フライトの安全を確保するために当日朝のコンディションはパーフェクトでなければならなかった。
タワーブリッジから西に1.12km高度914mの地点から飛び出すことで、2人は通過に最適なスピードとアングルを得ることができた。
距離:2人はタワーブリッジ西1.12kmの上空から飛び出した

距離:2人はタワーブリッジ西1.12kmの上空から飛び出した

© FormBrands

スキル:水平方向に3m進むたびに1m降下するフライトを維持した

スキル:水平方向に3m進むたびに1m降下するフライトを維持した

© FormBrands

リップストップナイロン製の極薄ウイングスーツ(スクイレルスーツ / Squirrel Suit)に身を包んだ2人は、飛び出し後は水平方向に3m進むたびに1m下降していった。
03

タワーブリッジ通過 / テムズ川に着地

タワーブリッジを無事通過した2人は、フレアと呼ばれる急上昇マニューバへ移行し、減速しつつ着地のためにパラシュートを展開できる高度へ到達した。
フレアによって2人は高度35mから高度80mへ一気に上昇した。高度35mはウイングスーツフライト史上最低高度のひとつに数えられる。
タワーブリッジ:通過部分のサイズは横65m・縦32m

タワーブリッジ:通過部分のサイズは横65m・縦32m

© FormBrands

着地:テムズ川に浮かぶ30m x 5mのはしけ2台が着地地点として用意された

着地:テムズ川に浮かぶ30m x 5mのはしけ2台が着地地点として用意された

© FormBrands

正確無比なフライト以外で2人が心配していたのは、テムズ川上に設置されたはしけへの着地だった。
フュルストは次のように語った。「今回のフライトの大きなリスクのひとつが川でした。テムズ川は冷たくて流れが速いので、無事に回避できて良かったです。特別な水上安全訓練救援ボートの準備がなければ、今回のフライトには挑戦していませんでした」
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