Marten Van Riel keeping cool
サイクリング

【ロードバイク】プロトライアスリートが教える冬対策

© Jelle Lapere/Red Bull Content Pool
気温が下がり天候が不安定になる冬から春先はバイクライドが不快になりがちだ。ベルギー人トップトライアスリートが寒い季節を乗り越えるためのヒントを教えてくれた。
Written by Julia Lava公開日:
ロードバイクのライディングを楽しむためにはいくつかの準備が必要になるが、春先は特に入念な準備が必要になる。この時期のバイクライドは正しい準備をし、正しいギアを用意し、正しいウェアを着込み、天候に対応できるようにしておかない限り楽しいものにはならない。
プロトライアスリートのマルテン・ファン・リールは地元ベルギーでトレーニングを続けているが、ベルギーの秋から春にかけてのロードコンディションは雨が多く、気温は低く、風が強いことで知られている。つまり、ファン・リールよりも冬のバイクライドの「やるべきこと」「やってはいけないこと」を熟知している人物はいないのだ。
そこで今回は、ファン・リールに冬から春先にかけてのバイクライドの快適性を高めるためのヒントを教えてもらった。
ITU世界トライアスロン選手権2017に出場したマルテン・ファン・リール
ITU世界トライアスロン選手権2017に出場したマルテン・ファン・リール

1:コンディションに合わせたセットアップと準備

ファン・リールは、路面が濡れがちで気温も低い冬場特有のコンディションに合わせたコンポーネントとギアで組み上げたロードバイクを用意している。たとえば、この時期のファン・リールはタイヤを大きくてタフなモデルに変更している。夏季は多くのロードライダーが23〜25mmのタイヤを使用しているが、ファン・リールは次のように解説している。
冬季は28mmのタイヤを使用している。グリップと快適さが高まるからライディングが楽しめるようになる。また、このようなビッグサイズのタイヤの転がり抵抗の大きさを活用して自分を鍛えることもできる」
また、雨や雪が多い地域では路面のデブリも増えるので、タイヤがパンクしないように準備しておくことも役立つ。タイヤの空気圧を下げれば、さらなるグリップも得られる。
路面が荒れがちな冬季は夏季よりワイドなタイヤを選びたい
路面が荒れがちな冬季は夏季よりワイドなタイヤを選びたい
冬から春先にかけてはマッドガード(泥よけ)も装着するべきだろう。ウェアとバイクを泥から守ってくれるので、汚れないだけではなく、各種コンポーネントの寿命も延ばしてくれる。
ファン・リールは「マッドガードアスセイバーは冬季のライディングには欠かせない。濡れている路面を走る機会が増えるから、ウェアを汚れから守ってくれる。また、グループライドでも感謝されるね。泥や雨を後方にまき散らさなくなるからさ」と説明している。
リペアキットも必須だ。ファン・リールは次のように続ける。「僕のリペアキットは、携帯ポンプCO2カートリッジインナーチューブ1〜2本(ライディングの距離に合わせて調整)、タイヤレバーマルチツールで構成されている。なるべく身軽にライディングしたいという人は、これらをウォーターボトルかサドルバッグの中にまとめてしまおう」
A rider reaches down to a frame pack to reach for food.
ストレージを活用して補給食などを収納

2:身体を冷やさない

寒さで身体が震えてしまえばライディングが楽しめなくなってしまうので、正しいウェアを正しく着込むことが重要だが、保温・撥水機能に優れている冬用サイクルウェアを用意するのがベストだ。また、重ね着も重要だ。上半身はドライレイヤーの上にサイクルジャージ、さらにはジャケットを着るようにしよう。下半身はロングサイクルタイツが必須だ。
「僕は必ずロングサイクルタイツベースレイヤーウィンド&ウォータープルーフジャケットを着ている。冷え込みが厳しい日はバフ(Buff)で顔を覆っているよ。あとは雨や風から目を守るためにクリアレンズのサングラスを用意している。ヘルメットを被っても違和感がない薄手のイヤーマフキャップも装着しているよ」と語るファン・リールは、冬季のライディングでは手足もしっかりカバーするべきだと続ける。
「末端部分が最初に冷えるから、保温性の高いソックス防水性の高いシューズシューズカバー、そして保温・撥水機能付きでハンドルバーをスムーズにコントロールできる薄さのグローブも忘れてはいけないね」
冬季は全身をカバーしたい
冬季は全身をカバーしたい

3:視認性を高める

冬季のライディングは寒いだけではない。朝は雲が多くて暗く、日没時間も早い。つまり、正しいライトウェアで視認性を高めることが重要になる。
視認性の高いウェアで安全を確保しよう
視認性の高いウェアで安全を確保しよう
「まず、当たり前だけど朝夕はフロントライトが欠かせない。テールライトに関しては点滅するタイプを推奨したいね。点滅するタイプは視認性がさらに高まるんだ。薄暗い時間帯で特に有効だよ」
「あとは派手な色でリフレクティブ素材を使っているサイクルウェアを着るのも助けになるね」

4:栄養・水分補給を忘れないようにする

季節を問わず、栄養・水分補給のプランを用意しておくことが非常に重要だ。水分を定期的に補給しつつ炭水化物も摂取して、血中糖度が下がらないようにしよう。
「2時間以上のライディングになるなら、エナジーバー1本、バナナ、またはビスケットを1時間ごとに摂取するようにしている。冬季はただの水よりもエナジードリンクを飲んでいるね。寒い冬はただの水だと飲みにくい。何かしら味がついているドリンクの方がエナジーと水分の補給に向いているんだ」
冬はエナジードリンクが効果的
冬はエナジードリンクが効果的

5:正しいルートを用意する

ファン・リールは、冬季のライディングは「滑りやすくてクリーンでもない」という理由から、幅員が狭い、または危険な下りが含まれているようなテクニカルなルートを避けており、STRAVAのようなアプリをヒントにして自分のルートを設定している。また、ロードバイクではライディングが難しくなりそうな日は、マウンテンバイクシクロクロスバイクでライディングをしている。
「雪が降りそうな日や雪対策で塩が撒かれているような日は、マウンテンバイクかシクロクロスバイクに乗っているよ。ライディングが楽しくなるだけではなく、安全も確保できるからね」

6:バイクをチェック&メンテナンスする

バイクライドに出掛ける前は、バイクに不具合がないか必ず確認したい。ファン・リールもタイヤの空気圧ドライブトレインの可動性などは必ず確認している。また、彼はライディングから戻ったあとに次のセッションに向けてバイクをメンテナンスするようにしている。
ライディング後のメンテナンスは楽しくないけれどやるべきだね。濡れた路面や汚れた路面を走ったあとは尚更だ。僕は、ディグリーザーをチェーンとドライブトレインのコンポーネントへ吹き付けたあと、古い歯ブラシで汚れを落としている。そのあとお湯洗浄剤でフレームを綺麗にして、バイクが乾いたあとにチェーンに注油して終わりだね」
ライディングを終えたファン・リール
ライディングを終えたファン・リール