高地対策をしなければひどい目に遭うだろう
© Livigno
フィットネス

世界一タフなトライアスロン 7選

鋼のような強い意志とギリシャ神のような屈強な肉体が求められるトライアスロンレースを、経験豊富なトライアスリートが選んだ。
Written by Nick Busca
読み終わるまで:6分Published on
あらゆるトライアスリートにとって、IRONMAN完走は素晴らしい功績だ。しかし、レースを完走した瞬間、あるいは苦痛や疲労が抜けたあと、彼らの頭には次の考えが頭に浮かぶ。「さあ、次はどのレースに挑戦しよう?」
持久系アスリートの多くは、新規レースや新種目、別のエリアのIRONMAN、さらにはドラマティックな山岳地帯を舞台にIRONMANの1.5倍の距離に挑むウルトラトライアスロンなど、常にフレッシュでハードなレースを探している。
今回紹介するのは、全て世界一タフと言われるトライアスロンレースで、どれも生半可な覚悟では完走できない。この中から次の目標を選んだ人には、今まで以上にハードなトレーニングとレースが待っている。

1. Norseman(ノルウェー)

早朝の冷たい水の中へ飛び込む

早朝の冷たい水の中へ飛び込む

© Norsemen

開催時期:2018年8月
2003年に初開催されたNorsemanは、世界初のウルトラトライアスロンだ。有名な完走記念Tシャツを手に入れるためには、早朝5時にボートの上からノルウェーの冷たい水に飛び込み(2015年のデータでは水温10℃)、3,800mもの高低差を持つ全長180kmのコースをサイクリングし、合計1,432mもの登り坂を有する42kmのマラソンコースを走らなければならない。
また、このレースは無補給なので、参加者は過酷なコンディションの中であらゆる緊急事態を想定した装備を自力で運ばなければならない。250名のアスリートが参加するが、完走が認められるのは上位160名のみだ。過酷だが壮大なレースだ。

2. Israman(イスラエル)

開催時期:2019年1月
このトライアスロンレースの水温23℃ / 気温20℃の紅海を泳ぐスイムだけを見れば、楽に思うかもしれないが、実際は違う。
まず、バイクは前半に高低差2,000mものヒルクライムが待っており、後半はさらに厳しくなる。エイラート山地に広がる過酷な高原地帯で厳しい横風と向かい風に晒されながら60kmを走るのだ。ここまで厳しい環境をバイクで走る機会はまずないだろう。
また、イスラエルとエジプト国境にまたがる静かで人気のない砂漠を走る必要もある。周囲の道路沿いではライフルを装備した兵士や戦車がコースを囲んでいる。
バイクを終えてもレースはまだ残っている。最後は10kmのダウンヒルランだ。この頃には、大腿四頭筋がとっくに疲れ果てているだろう。

3. Bearman(フランス)

Bearmanはトラアスロンイベントとしての歴史はまだ浅い

Bearmanはトラアスロンイベントとしての歴史はまだ浅い

© xtreme-triathlon

開催時期:2018年9月
Bearmanは比較的新しいウルトラトライアスロンレースだが、その過酷さはすでにトップレベルに数えられている。
フレンチピレネーのアメリー=レ=バン周辺で開催されるこのレースのバイクは、合計5,000mものヒルクライム区間で全てのスタミナを出し尽くしてしまわないように体力を上手く管理しなければならない。また、ランも非常に厳しく、高低差は2,000mもある。
尚、このレースでは "標準的な" 装備の他に、日没時のバイク用ライト、ラン用のヘッド&ボディライト、携帯電話も携行しなければならない。

4. ICON Livigno Xtreme Triathlon(イタリア)

高地対策をしなければひどい目に遭うだろう

高地対策をしなければひどい目に遭うだろう

© Livigno

開催時期:2018年8月
イタリアで開催されるこのイベントには、他のウルトラトライアスロンでは経験できない高地スイムが用意されている。
ICONのスイムは、イタリアとスイスの国境にほど近い山岳地帯にあるリヴィーニョ湖の冷水に飛び込み、海抜1,800mもの高地で凍えるような水温の中を泳がなければならない。ネオプレン製のスイムキャップの着用が義務付けられている点からも、水温の低さが分かるだろう(ネオプレン製ソックス&グローブの着用も推奨されている)。
バイクコース(IRONMANより15km多い195km)では高低差5,000mを走破し、最後のランは、 "Xtreme" というレース名にふさわしく、高低差3,000mを有する42kmが設定されている。

5. The Brutal(ウェールズ)

開催時期:2018年9月
"Brutal(過酷)" というイベント名だけでもレースの厳しさが伝わってくるが、バイクの高低差3,000mやランの高低差1,349mはこのレースの過酷さのほんの一部だ。
レース当日のパダム湖の水温は極めて低く(通常で15℃)、バイクとランではスノードニア国立公園内の美しくも厳しい地形を相手にしなければならない。また、フルディスタンスでは物足りない強者のために、主催者はフルディスタンスの2倍と3倍のコースも用意している。
The Brutalの出場機会を逃してしまった人は、同じくスノードニア国立公園の過酷なコースで開催されるもうひとつのトライアスロンイベント「Slateman」に参加を考えてみても良いだろう。

6. Ironman Lanzarote(スペイン)

強者トライアスリートがビーチを埋め尽くす

強者トライアスリートがビーチを埋め尽くす

© Ironman Lanzarote

開催時期:2018年5月
ヨーロッパ北部がトレーニングに適さなくなる冬の間、スペインはトライアスリートがこぞって集まるトレーニングキャンプのメッカになる。Lanzaroteはメッカの国に相応しい、レースカレンダー屈指のタフさを誇るIRONMANイベントだ。
通常毎年5月下旬に開催されるLanzaroteは、大西洋に面したコース(平均水温19℃)が用意されており、バイクセクションは2,500mという高低差の大きさで恐れられている。カナリア諸島から吹き付けられる強風も厄介で、5月ながら気温も非常に高い。完走者の平均タイムは14時間で、リタイア率も11%と高い。

7. Austria Extreme Triathlon(オーストリア)

オーストリアで繰り広げられる最も過酷なトライアスロン

オーストリアで繰り広げられる最も過酷なトライアスロン

© Austria eXtreme Triathlon

開催時期:2018年6月
Austria Extreme Triathlonは2016年にウルトラトライアスロンのレースカレンダーに加わったばかりの新レースで、オーストリア・グラーツ近郊のシュティリアン地方で開催されている。
平均タイムは15時間31分で、ムール川でのスイムもコースに含まれる(水温14℃の中、下流方向2,000m / 上流方向1,800mを泳ぐ)。バイクの高低差は3,923mもあり、ランの高低差も1,863mと厳しい。タフなコースだが、絶景が楽しめるトライアスロンだ。