WRC
WRCとは?:よくある疑問・質問に回答!
WRCこと世界ラリー選手権とはどのようなラリーなのだろうか? WRCカーのトップスピードは? 各ステージの距離は? WRC関連の代表的な疑問・質問に回答!
1973年に創設された世界ラリー選手権(WRC)は、その記念すべき第1回ラリー・モンテカルロから長い年月を積み重ねてきた。当時から現在までの間にラリーカーとルールは大きく変化している。そこで、本記事ではこのモータースポーツに関するよくある質問とその回答をまとめてみることにした。
01
そもそもラリーとは? WRCのレースとは?
WRCラリーとは時間を競い合うレースだ。各チームのドライバーとコ・ドライバーのコンビが、ステージと呼ばれる一定区間(10km〜50km)の走行タイムを競い合う。1ステージを最速で走行したコンビがステージ優勝を獲得し、全ステージを最速で走行したコンビが当該ラリー優勝を獲得する。
通常、1ラリーは3日間開催され、各日が複数のステージで構成されている。クラシックなレースフォーマットでは、木曜晩にセレモニアルスタートが行われたあと、金曜日から日曜日までラリーが行われる。
しかしながら、WRCは進化を続けているため、ファンを楽しませ、チームにチャレンジを課すための工夫が定期的に加えられている。その一環として、2025シーズンは45時間ラリーが試験的に導入されている。
02
WRCの開催地は?
WRCは多様な地形で開催されるドライビングスキルの総合試験で、多様な地形にはダート、グラベル、アスファルト、スノーが含まれる。また、世界中で開催されており、フィンランドのグラベルから日本の峠道、ケニアのダートなど、世界最高難度を誇る美しいロケーションを転戦している。
03
WRCのステージは?
ドライバーとコ・ドライバーのスキルを試すべく、WRCラリーは様々なタイプのステージで構成されている。たとえば、スペシャルステージ(SS)は特殊な路面や1v1フォーマットを採用する短距離ステージで、文字通りスペシャルなスペクタクルをファンに提供する。また、最終ステージとして設定されることが多いパワーステージでは追加ポイントが獲得できる。
04
WRCのポイントシステムは?
ポイントシステムはシーズン全体の面白さを高めるために定期的に調整が加えられている。2025シーズンでは、ドライバーコンビは1ラリー最大30ポイントを獲得できるようになっている。土曜日はトップ10(最高18ポイント)、日曜日はトップ7(最高7ポイント)、そして日曜日のパワーポイントはトップ5(最高5ポイント)がポイントを獲得する。
05
WRC歴代最多優勝ドライバーは?
21世紀に入ってからはフランス人ドライバーたちが強さを発揮しており、セバスチャン・ローブが2001年から2012年までの間に優勝80回・ワールドチャンピオン9回を記録している他、セバスチャン・オジェもワールドチャンピオン8回を記録している。
尚、ローブはシトロエンとともにすべてのタイトルを獲得したが、オジェは複数のチームで戦っており、2013年から2016年までフォルクスワーゲンに在籍したあと、Mスポーツとトヨタに在籍してきた。
しかし、フィンランド人ドライバーたちもWRCの歴史で大きな輝きを放っており、1978年のワールドチャンピオンに輝いたマルク・アレンからアリ・バタネン、ユハ・カンクネン、トミ・マキネン、マーカス・グロンホルム、そして2023年のワールドチャンピオンに輝いたカッレ・ロバンペラまでが多くのファンを魅了してきた。
06
コ・ドライバーの仕事は?
サーキットを周回するF1やラリークロスとは異なり、WRCは鋭いコーナーや激しいアップダウンが定期的に訪れる狭隘なコースをできる限り高速で走行するレースだ。また、開催地が同じでもコースは定期的に変更されるため、「馴染みのコース」にはならない。
そのため、ドライバーとコ・ドライバーはラリーウィークの序盤に行われる “レッキ” でコースを下調べする。彼らはステージごとに最大2回走行して、各コーナーの角度や方向、さらには危険要素(崖やギャップなど)を詳細に記したペースノートを作成する。
ステージ走行中は、コ・ドライバーがペースノートに基づいて、ドライバーに何が先にあり、どのような操縦が必要になるかを教えていく。次のコーナーまでどのくらいの距離があり、どのくらいのスピードで走行できるかなど、ドライバーにドライビングの指示を出し続けるのがコ・ドライバーの仕事だ。
07
コ・ドライバーに必要な条件は?
コ・ドライバーはWRCラリーに不可欠な存在だ。ストレスが多くかかるため我慢強さが求められる。また、注意深さとドライバーと良好な関係を築ける人柄も求められる。
セバスチャン・オジェのコ・ドライバーを長年務め、ともにワールドチャンピオンに輝いたジュリアン・イングラシアは、コ・ドライバーの仕事について次のように説明している。
「私は視覚的ヒントになるものをできる限り多く書き留めるようにしています。時速180kmで走行中に鋭い左コーナーをクリアしなければならないときは、私の指示が非常に重要になります。10分の1秒、5分の1秒で伝える指示がすべてを台無しにしてしまう可能性があるのです」
また、度胸も必要だ。なぜなら、ラリー中のコ・ドライバーはドライバーに全幅の信頼を置き、前方ではなく、手元のペースノートを見続ける必要があるからだ。さらには機械の知識も不可欠だ。ドライバーコンビはガレージ(サービスパーク)でアドバイスを提供することはもちろん、ラリー中に自分たちである程度の故障を修理するときもある。
08
WRCカーの速さは?
WRC史上最高平均速度は、2016シーズンのラリー・フィンランドで記録された。2位に29.1秒差をつけてこのラリーを制したクリス・ミークは、平均速度126.62km/hを記録した。
最高速度については、トヨタのヤリスWRCが最高時速201km/hを謳っているが、このラリーカーがこのスピードに達するのは稀だ。なぜなら、ラリーでは最高速度よりも、狭隘なコースの鋭いコーナーを抜けることができる俊敏さと加速の方が重要だからだ。
2分
POV:セバスチャン・オジェのラリー・フィンランド全開ドライブ
セバスチャン・オジェのラリー・フィンランド全開ドライブをPOV動画でチェック!
09
WRCのマニュファクチャラーは?
現在、WRCにはトヨタ、フォード、ヒョンデの3マニュファクチャラーが参戦している。WRCはレギュレーションの方向性をマシンのシンプル化に置き、製造と維持のコストを下げることで参戦マニュファクチャラーを増やそうとしている。この結果、ハイブリッドエンジンが廃止された。燃費効率は依然として重要だが、この廃止により様々な土地や大陸での開催可能性が高まっている。
10
WRCカーのコストは?
2025シーズンからハイブリッドシステムが廃止され、1.6リッター・ターボエンジンが導入された。結果、出力は330馬力に制限されたが、重量が87kg軽量化されたことでより速く・より速くなった。そして同時にコストも15万ユーロ削減されている。尚、2026シーズンからはさらなるコストダウンが図られ、これまでの50%以下となるコストキャップ40万ユーロが導入される。
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WRCカーが故障した場合は?
パンクやパーツの取り外し、エンジンの不調を含む小規模の故障は、ドライバーコンビが車内に置かれているツールで走行中に修理を行う。
たとえば、2024シーズンのサファリ・ラリーでは、ティエリー・ヌービルとコ・ドライバーのマルティン・ウィダグが、リアタイヤがバーストして後部シャシーが破壊されてしまったあと、コース脇から木の枝を持ってきて布を巻き付けてタイヤ周辺のダートを落とした。ヌービルは次のように振り返っている。
「フィニッシュラインから150m手前でリアタイヤがバーストして後部シャシーが破壊されてしまったので、機転を利かせてラリーカーをダートから守る必要がありました」
このようにドライバーコンビでも修理できない場合は、ラリーカーをサービスパークまで牽引しなければならない。
12
走行中に修理できない場合は?
WRCにはサービスパークと呼ばれる移動式パドックが用意されており、メカニックたちはここでラリーカーを修理・調整する。また、サービスパークやメディアとホスピタリティの拠点でもある。1日が終わると、ラリーカーはサービスパークへ戻り、セットアップの調整や修理が行われる。
ラリー開始後はサービスパークの使用時間がルールで制限され、朝15分・昼30分・夜45分しか作業できない。この作業時間を超えてしまえば、ペナルティが科される。メカニックたちのスキルはワールドクラスだが、制限時間内にラリーカーを修復できなければ、当該ラリーからリタイアをするか、ポイント獲得に望みを残してペナルティを受けるかのどちらかを選択しなければならない。
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ラリーカーと一般車が遭遇する可能性は?
答えはイエスとノーだ。計時ステージは封鎖された一般道で行われるが、ステージから次のステージへどのように移動するかについては、各チームとドライバーコンビに任されている。
そのため、WRCラリーカーが一般道を選択して一般車両と同じように交通ルールを守りながら次のステージへ向かうときは少なくない。このような瞬間はファンがWRCラリーカーを至近距離から眺めたり、憧れのラリードライバーが料金所で小銭を払う姿を見たりするチャンスになる。
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特定の路面を得意としているドライバーは?
ラリー・スウェーデンは滑りやすくて危険な凍結路を走行するスノーコンディションのラリーだ。このラリーはカレンダーの中で非常にユニークな存在で、北欧勢、特にスウェーデン人ドライバー(スティグ・ブロンクビスト、ビョルン・ワルデガルド、ケネス・エリクソン)と、ロバンペラ親子を含むフィンランド人ドライバー(マーカス・グロンホルム、ヤリ=マティ・ラトバラ、トミ・マキネン)が得意としてきた。
15
WRCの視聴方法は?
WRCには公式チャンネルWRC TVが用意されている。また、Red Bull TVなら全戦のハイライトを無料で視聴できる。ハイライトはラリー開催週の金曜日・土曜日・日曜日に配信される。サブスクリプションなしで世界最高峰ラリーを楽しもう。Red Bull TVはこちらからダウンロードできる。
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