バレーボール

ランニングに効く腸腰筋ストレッチ|バレーボール西田有志

日々のトレーニングにランニングも欠かせないと話す西田有志。自身が普段から行う1時間を超えるウォーミングアップの中から、市民ランナーにも役立つストレッチを紹介!
Written by alex shu nissen Edit by Hisanori Kato
読み終わるまで:6分Published on
 
© Ayako Yamamoto
01

「スタートの瞬間に100%」1時間かける準備術

ーー西田選手はウォーミングアップに1時間程かけると聞きました。やっぱり準備って大切ですか?
西田有志(以下:西田) そうですね。スタート! と言われた瞬間に100%で動けるかどうか。常にそれだけを考えています。試合前に限らず、日々の練習でも同じことです。練習でできないことは本番でもできないので。僕は万全の準備を整えるのに、トータルで1時間弱かかります。

© Ayako Yamamoto

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ーー周囲の選手と比べても長い?
西田 ダントツだと思います(笑)。でも、やった方が調子がいいんですよね。体がちゃんと動く実感がある。準備が長くかかっても、結果的に練習も試合の質も上がるので、僕にとっては必要な時間です。
ーーただ長くやればいいわけではなく、時間をかける理由があるんですね。
西田 “何のためにやるのか”を理解するのが大事だと思います。練習前にチーム全員で同じストレッチをするのも悪くないけど、身体の状態って人それぞれ違いますよね。だから適切なストレッチも、人によって変わってくるはず。なんとなくこなすだけではなく、自分には何が必要かを見極めるべきだと思います。

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02

走りが変わる! 腸腰筋&股関節ストレッチ

ーー寒い冬がようやく終わろうとし、ランニングに最適な季節がやってきました。5月にはWings for Life World Runも控えています。何かランニングを始める人におすすめのストレッチってありますか?
西田 ランニングって、脚の筋肉が強いかどうかよりも、僕の中では腸腰筋が大事だと思っているんですよね。今日はランナーに大事な股関節&腸腰筋のストレッチを紹介しようと思います。
 ※腸腰筋/腰の骨と股関節を繋ぐ深層筋

※腸腰筋/腰の骨と股関節を繋ぐ深層筋

© Ayako Yamamoto

ーー腸腰筋のようなインナーマッスルもランニングに大切なんですね。
西田 自分もラントレをよくするのですが、無理に走ると、ふくらはぎを使いすぎるんですよ。足が後ろに跳ねてしまう。そうじゃなくて、脚が上がって前にスッと出るフォームが理想です。その感覚をつくるには、腸腰筋がポイントになります。

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ーーストレッチすることで腸腰筋を使う意識付けにもなるんですね。
西田 股関節を開いた状態でストレッチするんですが、ありがちなのは腰を反って逃げる形。それだと腸腰筋に入らない。骨盤をまっすぐ立てて、背骨と一直線の意識でゆっくり動かす。正しい位置でやることが何より大事です。
それでは、僕の姿勢をよく見て一緒にやってみましょう!

西田流の腸腰筋ストレッチ 1

© Ayako Yamamoto

Step 1 / 片膝を立て、前方に体重を乗せる
Step 2 / 腸腰筋(後ろ足の鼠径部付近)が伸びるのを感じる

▼ ポイント/骨盤をまっすぐに保つ

Point 1 / 腸腰筋だけを伸ばそうとすると、体が開いてしまう
Point 2 / 骨盤が立った状態で伸ばすことが大切

西田流の腸腰筋ストレッチ 2

 

© Ayako Yamamoto

Step 1 / うつ伏せになり、膝を曲げたまま両脚を体の横に開く
Step 2 / 床を押して上半身を起こす

▼ ポイント/腰を浮かさない

Point 1 / 腰を反らさないように注意
Point 2 / 上級者は、片脚ずつ足の裏を天井に向けて上げる
ーー何秒ぐらいやればいいでしょうか?
西田 身体の硬さやコンディションは人それぞれ違うので、時間を決めるよりも、“ちゃんと伸びてきたな”と感じるところまでやるのが大事です。無理に長くやる必要はありません。
03

ジャンプも走りも伸びる! 腸腰筋トレーニング

ーー腸腰筋ってジャンプ力にも関わる筋肉ですよね。バレーボール選手の高く跳ぶ姿って憧れます。ランにもジャンプ力向上にも効くトレーニングってありますか?
西田 ありますよ。ジャンプって筋力も必要ですけど、助走でしゃがむ瞬発力が重要なんです。ランで速い人は、この動きが速い。理由は腸腰筋が強いから。ランもジャンプも全部そこにつながっています。
 

© Ayako Yamamoto

ーーなるほど!具体的な方法は?
西田 脚を上げた状態で「閉める・開く」を繰り返すトレーニングです。ただし骨盤はロックしたまま。最初は腰の動きに逃げがちですが、骨盤を少し前に出して腸腰筋だけで動かすイメージ。筋肉をつけるというより、“どう動いているかを知る”ことが大切です。なにか目印があると感覚が掴み易いですよ。レッドブルの缶がちょうどいいですね。この動きを真似してみてください。

西田流の腸腰筋トレーニング

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Step 1 / 片足で立つ
Step 2 / 逆足は膝を曲げたまま、股関節を内側に閉める
Step 3 / バランスを保ち、外側に開く
これを限界まで繰り返す

▼ ポイント/骨盤を固定する

Point 1 / 腰を開かないでロック
Point 2 / 真横に振るのではなく、缶を跨ぐ瞬間に少し足を上げ、腸腰筋の伸び縮みを感じる
ーーどのくらいやればいいですか?
西田 やれるだけやりましょう(笑)。やった分だけ安定します。ただ、楽な体勢に逃げないこと。意識して続ければ、腸腰筋だけで動かす感覚がだんだんわかってきます。
04

疲れを残さないアフターケア習慣

ーーストレッチ以外でもお決まりのルーティンってあったりしますか?
西田 ウェイトトレーニング中にレッドブルを飲みます。最初から中盤くらいまでチビチビ飲んでいくのが好きですね。重量を上げる日は特に、やるぞ!って気持ちが入ります。集中力を高める一つのスイッチですね。

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ーー運動後はどうでしょう? 私たちでも取り入れやすいアフターケアを教えてください。
西田 始まりはもちろん、運動終わりもストレッチはしてくださいね。アフターケアで簡単かつ効果が高いのはお風呂。シャワーじゃなく、湯船に浸かること。僕は43度で15分。しっかり温めて汗をかきます。これだけでも体の反応は変わりますよ。
ーー最後に西田選手のコンディショニングの哲学を教えてください。
西田 よく、怪我の予防って言うじゃないですか。でもそれは結果であって、目的ではないんですよ。一番の目的は、いいパフォーマンスをすること。全てのコンディショニングはその為の準備。そこをしっかり意識すると、効果も変わってくると思います。
 

© Ayako Yamamoto

「100%でスタートできるか」その問いに、毎日1時間以上をかけて向き合う。準備を徹底し、自分の体と対話し続けること。トップアスリートの強さは、見えない時間の積み重ねから生まれている。