近年スケートパークでガールズスケーターを見かけることが多くなった。おしゃれな格好をしたティーンエイジャーのガールズスケーター、プロテクターフル装備の小さなキッズガールズスケーター、はたまた休日に子供と一緒にスケートを楽しむママスケーター。
性別関係なく滑りたい時に滑りたい場所で自分自身のスケートライフを送る。スケートボードは自由だ! スケートボードのメディア露出が増えた今、女性のスケートボードへの関心が高まっている現状は嬉しい限りだ。
そして大会に目を向ければX GamesやStreet Leagueなどのビッグコンテストでもガールズスケーターの活躍は凄まじい!
今回ここで紹介するのはブライトン・ゾイナー。今、世界が大注目する若きガールズスケーターだ。
彼女の出身地はカリフォルニア州サンディエゴ。西海岸の温暖な気候の中で育った彼女がスケートボードを始めたきっかけは既にスケートをやっていた父親と兄だった。
父親が作ったスケートランプでスキルを磨き、地元のスケートパークでも頭角を表すようになっていった彼女は、気がつけば近所の子供たちや兄を追い抜くほどの実力を身につけていた。
徐々にスケートコンテストにもエントリーするようになった彼女は、学業とスケーターとしての活動をバランスよくやりこなしながら、11歳の頃に4つのアマチュアスケート大会で優勝。その後、プロ大会に出場を始めた2016年にスウェーデンのマルメで行われたVans Park Series World Championshipで優勝し、一躍世界にその名が知れ渡ることとなる。
そして、2017年のX Games Minneapolisでの史上最年少ゴールドメダル獲得が “ガールズスケーターの未来” と呼ばれる決定打となった。
さらに、2018年に再びVans Park Series World Championship 蘇州大会、X Games Minneapolis大会でゴールドメダルを獲得。X Games二連覇という輝かしすぎる戦績を持つ。そんなブライトン・ゾイナーのライディングの魅力をいくつかのピックアップ動画を元にご紹介したい。
それでは、史上最年少ゴールドメダルを獲得したX Games Minneapolis 2017の動画から。
まずはリップというリップで継ぎ目なくトリックを決める完璧なルーティンに注目したい。与えられた時間内でミスなくパーフェクトランを決めてくるのが彼女の強み。彼女はこのライディングでX Games史上最年少のゴールドメダリストとなった。スケーターならほぼ初見のパークでこれだけ滑ることがいかに大変なことかわかるはずだ。
0:17〜 B/S Disaster Revert(※5)からのFull Cab(※6)の流れもスムーズ。
大会前日が13歳の誕生日だった彼女にとってこの優勝が最高の誕生日プレゼントとなった。
続いて、前述のVans Park Series 2018 蘇州大会にて圧倒的な存在感を放ったブライトンの魅力を紐解こう。
0:09〜 軽い滑り出しからのKickflip Indy-Air(※1)。リスキーなトリックからのスタートもバッチリ決めてくる度胸に注目。
0:22〜 流れるようにルーティンに組み込まれているBlunt 180-out(※2)。こういう高難度のトリックを標準装備しているところも彼女の強み。
0:39〜 そして完成度の高いB/S 360(※3)。何気ないMelancholy Grab(※4)もイケてる。
決勝ランをノーミスで滑り切り、そのままゴールドメダルを獲得。
少し話が脱線するが、2019年9月に行われたVans Park Series 2019 ソルトレイクシティー大会では、日本人スケーターの四十住さくら選手が見事優勝を果たした。彼女のライディングはこちらからどうぞ。
話を元に戻すと、そんなブライトン・ゾイナーだが、デッキを降りればネイルやファッションを楽しむ普通の10代の女の子。せっかくなので、彼女のそんな一面も紹介したい。
3分
ブライトン・ゾイナー - Skateboarding's 15 Year Old Phenom 【日本語字幕】
スケートの他にもアーチェリー、ショッピング、アクセサリー作り、音楽など多趣味な彼女は、「常に自分らしくいたい」と言う。そして「ストリートを滑るのも大好き。自分は単なるアスリート的なコンテストスケーターじゃなくてスケートボードが大好きなだけだから」とも。スケーターはかくあるべきという既成概念にとらわれない自然体な姿は見ていて気持ちがいいほど。
大会でパーフェクトランを披露する姿とどこにでもいるティーンエイジャーの姿というギャップが、また誰かを魅力し新たなガールズスケーターを生み出すきっかけになるに違いない。ブライトン・ゾイナーがこれからのガールズスケーターの未来をより明るく照らすことに今後も期待したい!
(※1)Kickflip Indy-Air デッキをキック方向にフリップ回転させ、後ろの手でデッキの腹を掴むトリック。
(※2)Blunt 180-out デッキのテール部分をランプのコーピング部分にかけ、180度回転しながらRに戻るトリック。
(※3)B/S 360 バックサイド方向にデッキと体を360度回転させるトリック。
(※4)Melancholy Grab 前の手でデッキのかかと側を掴むトリック。
(※5)B/S Disaster Revert 体とデッキをバックサイド方向に180度回してランプにデッキの腹をかけ、そこからさらに180度体を回転させながらRに戻るトリック。
(※6)Full Cab フェイキースタンスからデッキと体を540度回転させながらランプから飛び出すトリック。スティーブ・キャバレロが発明したトリックとして知られる。
(了)
◆Information
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