バスケットボール
バスケットボール:全ポジション解説
バスケットボールの各ポジションの特徴と必要な能力を簡単に解説!
1チームたった5人のバスケットボールでは、すべてのポジションが個人・チームの両方で非常に重要な役割を担っている。自分のチームに最大限貢献できるようになるために、各ポジションの特徴と必要スキルをチェックしていこう。
基本の復習
各ポジションを見ていく前に、バスケットボールの基本を振り返っておこう。まず、特例がない限り、1チームは以下の5つのポジションで構成される:
- シューティングガード(SG)
- スモールフォワード(SF)
- ポイントガード(PG)
- パワーフォワード(PF)
- センター(C)
これらのポジションのどこを担うかについては、身体能力、ボールハンドリング能力、パス能力、シュート能力など様々な能力に基づいて判断される。
また、他のチームスポーツと異なり、バスケットボール選手はポジションに関係なく、全員が攻守両方を担う。実際、攻守をスムーズに切り替えられる能力もトップ選手になるためには不可欠だ。
バスケットボール:ポジション解説
01
ポイントガード / PG
ポイントガードはチームの要で、アメリカンフットボールならクォーターバックに相当する。なぜなら、“コート上の監督” としてプレーの決定やチームメンバーへの指示を担うからだ。レッドブル・アスリートのコール・アンソニーはこのポジションの代表的な選手のひとりと言える。
アンソニーは、ポイントガードとして活躍するためにはメンタルが重要と考えており、プロキャリアをスタートさせた頃に「NBAにはいくつものレベルが存在することに気が付きました。最高レベルに達するためには、無理に思えるくらいの強度と一貫性で仕事に取り組み、高い規律を備えておく必要があります」と語っていた。
①ポイントガードのオフェンスでの役割
ポイントガードは得点能力も高いが、チームを動かしていくことが第一の役割だ。ポゼッションを獲得し、チームメイトへボールを供給して得点チャンスを作り出していく。
ポイントガードはチーム内で身長が最も低い選手が担うことが多いが、司令塔を任されるため、バスケットボールの知識を豊富に備えている。
②ポイントガードのディフェンスでの役割
ディフェンス時のポイントガードは、相手選手について、ショットブロック(シュートブロック)を試み、ポゼッションを奪い返そうとする。スティールからの高速カウンターを狙うときも少なくない。
③ポイントガードの必須能力
- ドリブル能力:両手でのドリブルとボールハンドリングに長けている
- パス能力:長短両方で高精度のパスを出せる
- スピード&アジリティ:ダッシュスピードが高く、スピーディに相手コートへボールを運び込める
- 自信とリーダーシップ:プレーの決定はポイントガードの最も重要な仕事だ。大きくはっきりとした声で、チームメイトに対して厳しいコミュニケーションを取れる
- チームプレー:チームを動かしていくポイントガードは、常にチーム全員の状況と状態を把握しながら、プレーの指示を出し、そのカギとなる選手にボールを回していく
02
シューティングガード / SG
シューティングガードの主な役割は、ショットを打つことと得点することだ。ポイントガードより高身長の選手が務めることが多く、PGと同じくらいパス能力に優れていることが望まれるが、必須ではない。レッドブル・アスリートのマティス・サイブルとドンテ・ディビンチェンゾは、シューティングガードの代表的な選手だ。
①シューティングガードのオフェンスでの役割
オフェンスでのシューティングガードは、あらゆる距離からショットを放ちつつ、そのときにコールされているプレーに対応できる必要があるが、3ポイントラインから3ポイントを狙うときが多い。
②シューティングガードのディフェンスでの役割
ディフェンスでのシューティングガードは、ボールのスティールを狙う。リバウンドを素早く取れるだけの瞬発力を備えており、そのアジリティとスピードで相手をガードできなければならない。
サイブルは自分がトップレベルに到達できた要因を次のように語っている。「バスケットボールでは、ディフェンスは軽視されがちです。ディフェンスに取り組む選手が少ないことがこの事実を裏付けています。ディフェンスはキツいですし、見栄えも良くありません。失敗したときだけ目に付きます。ですが、私はずっと取り組んできました」
③シューティングガードの必須能力
- シュート能力:シューティングガードはショットに自信がなければならない
- バスケセンス:プレーセンスが優れており、オープンスペースを誰よりも先に見つけ出して、そこに入り込むことができる
- ボールハンドリング能力:ボールハンドリングに自信がなければならない
- スペース活用能力:チームのアドバンテージにできるスペースを見つけ出して活用する能力に優れている
03
スモールフォワード / SF
スモールフォワードは万能で対応力が高い選手が務める。攻守両方に積極的に絡むため、多種多様なスキルを持ち合わせている。
スモールフォワードは名前が示す通り、“小柄” だが、フォーワードやセンターと比べての話だ。このポジションは、あらゆるタイプの選手と対峙できるだけの身長と強さが求められる。反射神経に優れており、攻守を瞬時に切り替えられるダイナミズムも必要だ。レッドブル・アスリートのジェイレン・ブラウンはスモールフォワードの代表的な選手だ。
①スモールフォワードのオフェンス時の役割
スモールフォワードは複数の役割を担う。オフェンスではポゼッションを奪い、オープンスペースを見つけ、スクリーンをかけてチームメイトをアシストし、さらには得点も狙っていく。
②スモールフォワードのディフェンス時の役割
ディフェンスでのスモールフォワードはリバウンドにフォーカスし、相手選手をガードする。
③スモールフォワードの必須能力
- 万能性:スモールフォサードはあらゆる状況に対応できるオールラウンダータイプが務める
- ボールハンドリング能力とパス能力:ボールハンドリングに長けており、精確なパスが出せる
- 中短距離のシュート能力:スモールフォワードは3ポイントラインからでもでも近距離からでも得点できる必要がある
- アジリティ:あらゆるポジションの選手、つまりは自分より高くて強い選手もガードする必要があるので、アジリティが重要になる
- スピード:リバウンドに誰よりも早く反応し、相手をガードする必要があるため、スピードも不可欠
04
パワーフォワード / PF
パワーフォワードはセンターとかなり似ている。両ポジション最大の役割はリバウンドを取ることで、ディフェンスでは非常に重要なポジションとなる。
パワーフォワードは体格に優れており、高身長の選手が担う。チームのフィジカル担当になるため、この名称がつけられており、強力なストレングスが必須だ。
WNBAのスター選手でレッドブル・アスリートのブレアナ・ステュアートは、パワーフォワードは “自分の位置を取られない” ことが重要だとし、次のように説明している。「ポストプレーでは強いフィジカルが求められます。自分より大きな選手とやり合わなければなりません」
①パワーフォワードのオフェンス時の役割
オフェンスでのパワーフォワードは、可能な限りショットと得点を狙っていくことが求められる。また、リバウンドを取って得点チャンスを再び作り出すことも求められる。
②パワーフォワードのディフェンス時の役割
ディフェンスでのパワーフォワードは、ゴール下で相手選手に有利なポジションを取らせないように動きながらパスコースを切り、リバウンドを誰よりも早く取っていくことが求められる。
③パワーフォワードの必須能力
- ボールハンドリング能力:ボールを一度掴んだら絶対に渡してはならない
- リバウンド処理能力:“リバウンド王” としてあらゆるリバウンドを誰よりも先に取ることが求められる
- ジャンプショット能力:得点チャンスが訪れたときに、ジャンプショットで得点できる必要がある
- スクリーン能力:スクリーンをかけてチームメイトをアシストできる能力も求められる
- ポゼッションキープ力:ポゼッションを取ったあと、キープできる能力が求められる
- ディフェンス能力:ショットブロックやゴール下のポジショニングに優れている必要がある。身長が高い方が有利
- アジリティ:フィジカルが求められるパワーフォワードにはアジリティ、スピード、ストレングスが不可欠
05
センター / C
センターは最も身長が高い選手が務める。ローポスト付近が持ち場で、試合開始時のジャンプボールも担当する。
センターは身長が最大の武器だ。センターのドリブルやショットはチームナンバーワンではないかもしれないが、高さを活用してリバウンドを取り、相手を弾き飛ばす。レッドブル・アスリートのブレイク・グリフィンはセンター兼パワーフォワードとして活躍している。
①センターのオフェンス時の役割
オフェンスでのセンターは、リバウンドと得点にフォーカスする。自分で得点チャンスを作り出し、ダンクを決めていくことが求められる。また、スクリーンも得意で、ショットを放てるスペースにチームメイトを送り込んでいく。
また、センターはポストアップも得意で、相手のゴール下に入って相手選手を背中で抑えることができる。
②センターのディフェンス時の役割
ディフェンスでのセンターは非常に重要だ。相手と2ポイントの間に立つ最後の砦と言えるだろう。センターはゴールを守り、相手選手をことごとくブロックし、リバウンドを取れる必要がある。
③センターの必須能力
- フィットネス:センターは高いフィジカルが求められるため、フィットネスとストレングスに優れている必要がある
- リバウンド処理能力:センターもパワーフォワードと同じく素早くリバウンドを取れなければならない
- 身長:センターになるためには高身長が不可欠
- ブロック能力:攻撃的に相手をブロックできなければならない
- ローポストでの得点能力:センターはポストアップをしながらローポストで得点できる必要がある。
06
まとめ
ここまで読んで、センターとポイントガードを非常に重要なポジションに思う人もいるかもしれないが、現実を言えば、1チームたった5人なので、全選手が重要だ。バスケットボールで活躍するためには、ポジションの優劣を意識せず、チーム一丸となってプレーすることが必要だ。
レッドブル・アスリートでプロバスケットボールコーチのリーサル・シューター(クリス・マシューズ)は、次のようにまとめている。「他のことと同じで、バスケットボールが上手くなりたいなら、誰かに教えてもらいましょう。パーフェクトな人間は存在しません」
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