Best volcano running races: 10 runs you need to attend
© Transvulcania
ウルトラ ランニング

【2020年版】世界の火山マラソン 9レース

地元や国内を走るだけでは物足りないなら、まだ選択肢はある。2020年に世界各地で開催される火山マラソンイベントをリストアップした。
Written by Howard Calvert
読み終わるまで:9分Published on
火山を駆け登るという行為。それは、まず都市部では絶対に体験できないチャレンジだ。その火山が活火山なら、(確率はほんの僅かとはいえ)いつ噴火してもおかしくない、という危険も潜んでいる。
今回は、火山やその周辺のトレイルを走るマラソンに興味を持っている人のために2020年に世界各地で開催される火山マラソンレースをピックアップした。
紹介している9レースはいずれも活火山が舞台で、休火山が舞台のレースは選ばれていない。またその中には定期的に火山灰が吹き上がり、コース付近を常に溶岩が流れているという “営業中” の活火山が舞台のレースも含まれている。
興味を持った人は、あの厚底マラソンシューズよりさらに厚底のマラソンシューズ大量の水、そして他ではまず味わえないユニークな景色を横目に月面のような荒れた地面を登り切れる強靭なフィジカルを用意するのを忘れないようにしよう。そして何より、安全を第一に行動をして欲しい。

1:Volcanic Marathon

  • 総距離:42.195km
  • 開催地:サンペドロ・デ・アタカマ(チリ)
  • 開催日:2020年11月5日
  • 対象:ドMランナー
「このレースはチリ最大の活火山のひとつに数えられるラスカー山からスタートします」 - このマニア向けマラソンイベントのウェブページのイントロ部分にはこのような表記がある。
世界で最も標高が高いデザートマラソン(スタート地点の標高はなんと4,475m。事前の気候順応 / アクリマゼーションが必須となる)として知られるこのマラソンイベントは、世界で最も危険な火山タイプのひとつ “成層火山” の真横を走るマラソンイベントとしても知られている。
9000年前に大噴火をして大量の火山灰を周辺に落としたと言われているラスカー山が最後に大噴火をしたのは1993年。まるで月面のような景色の中、10峰以上の活火山を通過するこの砂漠コースは自己ベスト更新の助けになってくれるはずだ。

2:Volcanic Mt St Helens

全長50kmのVolcanic Mt St Helensに挑むランナー

全長50kmのVolcanic Mt St Helensに挑むランナー

© Go Beyond Racing

  • 総距離:50km
  • 開催地:セント・へレンズ山(米国ワシントン州)
  • 開催日:2020年8月1日
  • 対象:恐れ知らずのランナー
米国ワシントン州のセント・へレンズ山をぐるりと回るこの完全オフロードの50kmトライアルレースは非常に興味がそそられる。巨石群を抜け、急流を渡り、深い森を抜けると “blast zone / 突風ゾーン” という恐ろしい名前が付けられたセクションが待っている。
しかし、このレースはハートが弱いランナーには向いていない。なぜなら、セント・へレンズも成層火山だからだ。1980年の大噴火時にはこの山は大量の溶岩を流出し14.4km上空まで火山灰を噴き上げて57人の命を奪った。

3:Iceland Volcano Marathon

  • 総距離:42.195km
  • 開催地:アイスランド
  • 開催日:2020年7月25日
  • 対象:『ゲーム・オブ・スローンズ』好きのランナー
このマラソンイベントは2枚の構造プレートの真上に位置し、火山がいたるところで確認できるアイスランドで開催される。
スタート地点は島北部のミーヴァトン湖付近に設定されており、温泉と硫黄臭のこの火山湖を出発したあとはクレーター群や間欠泉の間を抜け、脚力を奪い去る火山灰性の黒砂を走る。
この素晴らしいマラソンイベントでは、スタートからゴールまで『ゲーム・オブ・スローンズ』の世界を走っているような感覚が得られる美しい景色を楽しむことができる。

4:Volcano’s Ohi’a Lehua Half Marathon

ハワイ島のボルケーノ・ビレッジを走るランナーたち

ハワイ島のボルケーノ・ビレッジを走るランナーたち

© Ohia Lehua Half

  • 総距離:21.0975km
  • 開催地:ボルケーノ・ビレッジ(ハワイ島)
  • 開催日:2020年7月25日
  • 対象:環境保護に貢献したいランナー
火山噴火が周囲で頻繁に起きることから “ボルケーノ・ビレッジ” と名付けられたエリアからスタートするこのハーフマラソンイベントでは、ハワイ島を構成する楯状火山5峰の中で火山活動が最も活発なキラウエア火山の麓を走ることになる。
キラウエア火山は1983年から2018年までノンストップで噴火を繰り返し、最後の噴火は718軒の住宅を破壊し、クレーターから火柱が吹き上げたことで世界的に知られている。
2019年からスタートしたこのマラソンイベントはキラウエア火山周辺の村を巡るようなコースが設定されており、環境汚染などの問題で絶滅の危機にあるハワイを代表する植物オヒアレフアの保護を目的としたチャリティランになっている。

5:Ring Of Fire

ニュージーランドの広大な景色が楽しめる

ニュージーランドの広大な景色が楽しめる

© Ring Of Fire

  • 総距離:72km
  • 開催地:ルアペフ山(ニュージーランド)
  • 開催日:2020年3月21日
  • 対象:地球の聖域を走りたいランナー
このウルトラマラソンイベントも成層火山が舞台で、ニュージーランドの北島に位置しているルアペフ山は1945年と1995年に噴火している。しかし、この山は北島随一の人気を誇るスキーリゾートとして機能しているため、ニュージーランド人たちは常に出入りしている。
Ring Of Fireでは “Around The Mountain Track” と呼ばれるルアペフ山周回トレイルがコースに設定されている。ルアペフ山はトンガリロ国立公園が抱くこの世のものとは思えない美しい大自然の中に位置しており、ランナーたちは広大な川原やロープ橋、砂漠、岩だらけのトレイルなどを抜けながらゴールを目指す。

6:Vesuvio Ultra Marathon

細かい火山砂がランナーから脚力を奪う

細かい火山砂がランナーから脚力を奪う

© Vesuvio Sky Marathon

  • 総距離:49km / 25km
  • 開催地:ヴェスヴィオ山(イタリア)
  • 開催日:2020年5月17日
  • 対象:歴史好きのランナー
このマラソンイベントに参加すれば、もれなく世界で最も有名な火山のひとつを登ることになる。
ランナーたちはイタリアの小村、オッタヴィアーノからスタートしたあとヴェスヴィオ国立公園へ向かうが、そこから先は標高1,281mのヴェスヴィオ山の火口までの登山が続く。
ヴェスヴィオ山は活火山だが多くの人たちがこの周辺で生活を営んでいるため、噴火時の被害が心配されている。最も有名な噴火は紀元79年で、ヴェスヴィオ山史上最大として知られるこの噴火は周囲の村や町をことごとく破壊した。

7:Guatemala Impact

  • 総距離:42km / 21km / 10km
  • 開催地:パカヤ(グアテマラ)
  • 開催日:2020年3月7日
  • 対象:暑さ(熱さ)に強いランナー
2014年に噴火したばかりのパカヤは活火山そのもので、ほぼ休むことなく火山灰を空高く噴き上げ、火口から溶岩を流し出している。実際、流れ出る溶岩の観察がここを訪れている観光客の第一目的だ。
このマラソンイベントには3種類の距離が用意されているが、42kmを走ればパカヤの火口まで向かえる。ランナーはパカヤ山頂まで登り、火口で泡立つ溶岩と地球の揺れを確認したあと、麓のゴールまで下山する。

8:Transvulcania

プロランナーも参加しているビッグレース

プロランナーも参加しているビッグレース

© Transvulcania

  • 総距離:74km / 42km / 21km
  • 開催地:ラ・パルマ島(スペイン)
  • 開催日:2020年3月7日
  • 対象:本気のウルトラランナー
ウルトラマラソンシーン最大・最強イベントのひとつとして知られるTransvulcaniaは世界トップレベルのウルトラランナーたちが参加している。スペイン領カナリア諸島のラ・パルマ島で開催されているこのイベントの全長74kmのコース上には複数の火山がそびえ立つ。
スタート地点付近に位置する1971年に噴火したテネギア火山を抜け、標高差数メートルを登るとケンブレビエハ( “古い山頂” という意味)の火口に辿り着く。ケンブレビエハは非常に強力な活火山で、噴火すれば島の一部が破壊されてヨーロッパ沿岸に津波を送り込むだろうと科学者たちは予測している。

9:Etna Super Marathon

  • 総距離:43km
  • 開催地:エトナ火山(イタリア・シチリア島)
  • 開催日:2020年6月13日
  • 対象:登山好きのランナー
このチャレンジングな火山マラソンイベントでは、海抜0m(ビーチ)からスタートしたあと標高差3,000mのマラソン登山を経てヨーロッパ最大の活火山エトナの山頂へ向かう。
コース前半は曲がりくねる舗装路なので安全なレースだと錯覚してしまうが、舗装路を抜ければ深い砂の火山トレイルが待っている。この火山トレイルでは絶景が楽しめるが勾配はほぼ垂直だ。
しかし、このマラソンイベントをハードにしているのは登りだけではない。初夏に開催されるため当日が高温になる可能性があり、さらには頂上が近づくにつれ酸素が薄くなる。また言うまでもないが、地表のすぐ下には1,300℃の溶岩が潜んでいる。