ひとりでも寂しくない!? スマホで遊ぶボードゲーム傑作選!
© Munetatsu Matsui
Gaming
ひとりでも寂しくない!? スマホで遊ぶボードゲーム傑作選!
場所がなくても、ひとりだけでも、スマホさえあればボードゲームが遊べてしまう!?
Written by Munetatsu Matsui
読み終わるまで:7分Published on
いきなりだが、突然「ボードゲームを遊びたい!」なんて思った場合、どうすればいいだろうか。まずは一緒に遊んでくれる人が最低1人は必要になる(2人用のボードゲームの場合)。
遊ぶゲームによっては3人、4人と必要かもしれない。運よく友人が捕まればいいが、無理だった場合はどうしよう? さらに、ボードやカードを広げるためのスペースも確保しなければならない。70センチ四方くらいはほしいので、そこそこ場所は使う。いろいろな下準備が必要であるため、突発的に「遊びたい!」と思ってもそう簡単にはいかないのが現実だ。
いまどきだと"ボードゲームカフェ"が各地にあるので、そこなら1人でもフラリと立ち寄って遊ぶことができる。これを利用すればいいのだが……僕はもっとこう……なんていうのかな、ガッツリと遊びたいし、勝つための研究もしたい。
そういう場所だと、赤の他人とガチな対戦なんてのはちょっとやりにくい印象もあったり。そもそも筆者は人見知りだ。そんなリア充が行くような場所(偏見で申し訳ない!)はひとりでは怖くて行けない。ではどうしたらいいのか。そんなときこそ、コンピューターゲーム化されたボードゲームだ。
チェスや将棋、囲碁といった定番のボードゲームは、どのプラットフォームでもたくさんリリースされているが、それ以外にも、さまざまなボードゲームがPCやスマホなどで配信されている。
ということで今回は、スマホ化されているボードゲームのうち、筆者が最近よく遊んでいるゲームを3作品紹介したい。どれも元のボードゲームは2人プレイを前提としたもので、来たるべき対戦の日に向けてコンピューターを相手に特訓・研究用にプレイしているゲームだ。
まずは『パッチワーク』を紹介しよう。このゲームの作者はウヴェ・ローゼンベルク氏。『アグリコラ』、『ボーナンザ』など傑作ゲームを数多く生み出した人気クリエイターによる2人専用ゲームだ。布の切れ端タイルを自分のボード上に(できれば隙間なく)並べていくゲームで、パズル的な面白さはもちろん、リソースマネジメント要素が非常に重要になっている。
ボードゲーム版『パッチワーク』
ボードゲーム版『パッチワーク』© 2014 Lookout GmbH.
最終的な勝利条件は獲得したボタンの数が基本となるが、このボタンは布タイルを獲得するときにお金の代わりとして支払うことになる。いまここで新たな布タイルを買うべきか、もしかしたらそれだと最終的な獲得ボタンが相手に負けてしまうのではないか……というこのジレンマが面白い。くー、たまらない。
ガチな対戦もできるのだが、このゲームは題材が手芸で見た目にもかわいらしいデザインなため、女性受けがいいとも聞く。「このゲーム、可愛らしくて好き!」なんていう女子の意見をSNSで見かけたりもする。転じて、「このゲームがうまい男性が好み!」なんて展開になるに違いないと信じて、日々精進している。未だにそういうチャンスはないのだが。
オリジナルのボードゲームは、2人用でありながらそれなりに場所を取るタイプなので、デジタル版で気軽にプレイできるのはありがたい。iOS、Andoroid、Steamで配信されており、インターネット対戦、ローカル対戦も可能だ。オリジナルの雰囲気を踏襲した画面デザインもじつに秀逸。キチンと日本語ローカライズされており(※)、ルールを知らなくてもチュートリアルで理解できるから安心だ。
※Steamストアの言語表記は日本語未対応とあるが、最新バージョンではチュートリアル含めてすべて日本語化されている。
iOS版『パッチワーク』
iOS版『パッチワーク』© 2016 Digidiced UG
次に紹介するのは『ハギス』。これは2〜3人用とちょっと珍しい人数構成のゲームだ。トランプで遊ぶ『大富豪』に似ており、使うカードも2から10とJ、Q、Kの絵札とトランプに近い。
ボードゲーム版『ハギス』
ボードゲーム版『ハギス』© 2013 Lone Oak Games,Inc.
『大富豪』との決定的な違いは、絵札3枚は全員に1枚ずつ均等配分されて、これらはジョーカーの役割を担っている。さらには「ボム」という効果も持っているという点だ。「ボム」とはシューティングゲームのボムと同じように一撃必殺のカードで、これを出せは自動的にリードが取れる(次の手番時において最初にカードが出せる)。
また、『大富豪』は最初に手札を出し切ったプレイヤーが勝利となるが、本作は勝利を競い合う点(もちろん早く上がったほうが、より多く得点できる)にも注目したい。
この2つが新たなゲームシステムが絶妙な効果を発揮し、『大富豪』とはまったく違った悩ましさをプレイヤーに与えてくれる。絵札をボムで使うのかジョーカーとして使うのか。いかにして自分が親のときにカードを大量に出すかがポイントとなってくるため、非常に頭を使うゲームになっている。
筆者はついこの前までデジタル版でしか遊んだことがなく、それでも十分面白かったのだが、先日初めてボードゲーム版を遊んでみたらさらに面白いのなんの! お互い長考しまくりで試合後はグッタリ。女子と遊べば、「頭を使いすぎて疲れちゃったわ。ちょっと肩を借りていい?」と寄りかかってくるに違いないかも!?
さて、そのデジタル版は今のところiOS版のみ。ネット対戦はできずソロプレイしか遊べなくて日本語ローカライズされていない(英語版)。別途ルールを調べる必要があるが、むしろここまでシンプルなのは潔い。見た目はただのトランプっぽくて地味なのだが、遊ぶ価値はあるゲームだ。デジタル版、アナログ版ともども遊んでみてほしい。
iOS版『ハギス』
iOS版『ハギス』© 2014 IQ Games
最後となる3本目は、2人用ボードゲームの中で「これが一番面白い!」と推する人も多い『ジャイプル』を紹介しよう。
ボードゲーム版『ジャイプル』
ボードゲーム版『ジャイプル』© Sebastien Pauchon
市場にある品物を入手し、それを売却することでお金をゲット。市場全体としては6種類の品物があり、その価値は明確にランクがある。高ランクの商品なら高く、低ランクなら安く売れる。市場に並べられた5つの品物カードの中から取っていくことになるのだが、「市場にはつねに5つの品物が並ぶ」というのがポイントだ。
細かいルールは省略させてもらうが、1枚だけ取ることもできれば5枚全部取ることもできる(条件付きではあるが)。市場から品物カードが減ったら5枚になるまでけ山札から品物カードが補充されるのだが、当然何が出てくるのかわからない。自分が安い品物を取ったあと、高額の品物が出てきて相手がそれをゲットしちゃう、なんていう場面は悔しいほどによくある。
なので、残り山札にどの商品が何枚あるのかを考えつつ、めくられる品物カードをうまくコントールしていくのがこのゲームのコツとなってくる。このめくり合いが非常に悩ましく、いい品物が出たあとが自分の手番だと超絶嬉しい。
見た目がじつにインドな感じで(ジャイプルとはインドの都市名)、パッケージは何とも絶妙な味わいの絵柄だ。レッドスネーク、カモーン!とか言い出しそうなおじさんだが描かれているが、ボードゲーム界隈にはこんなジンクスがある。
「パッケージにおじさんの絵が描かれているゲームにハズレなし」
まさにこのゲームはそのジンクスどおりと言えよう。
「ということは、このゲームを教えてくれたおじさん……つまりアナタもハズレじゃなくてアタリなのね!」と言ってくれる女子を探しているのだが、未だ見つからないのはなぜだろう。
それはともかく、本作がスマホゲーム化されたのは2017年5月。単なるソロプレイだけでなく、インド中を攻略していくキャンペーンモードも搭載されているというなかなかの本格仕様。1台でふたり対戦できるモードやネット対戦(別途アカウント登録が必要)もできたりと、かなりしっかり作られている。2017年7月のアップデート(バージョン1.2)は、ソロプレイ時の難易度にエキスパート(高難易度)が加わり、ますます遊び応えのある1本になった。
iOS版『ジャイプル』
iOS版『ジャイプル』© 2017 Digital game published by Asmodee Digital. Game created by Sebastien Pauchon and edited by GameWorks.
その他にもボードゲームがアプリ化(デジタルゲーム化)されているものはたくさんある。有名な『カタン』、『カルカソンヌ』はもちろん、『チケット トゥ ライド』、『パンデミック』、『テラミスティカ』、『宝石の煌き』など、数十タイトルは配信されている。日本語化されてないものも多いが、元のルールがわかっていればすんなり遊べるはずだ。いろいろ検索してチェックしてみてほしい。
関連リンク(外部):
■デジタルゲーム版『パッチワーク』 
■デジタルゲーム版『ジャイプル』
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