Call of Duty vs Battlefield: Which is better?
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ゲーム
『CoD』と『BF』どちらが上か?
『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア』の発売を来月に控え、FPSの2大巨頭である『コール オブ デューティ』シリーズと『バトルフィールド』シリーズを比較した。
Written by Joshua Nino De Guzman
読み終わるまで:9分Published on
今秋、『 コール オブ デューティ』(以下『CoD』)と『 バトルフィールド』(以下『BF』)のファンは、自分たちの愛するゲームを守るために闘うことになるだろう。 次世代機が登場し、ActivisionとEAは、ファンの期待に応えつつも、ライバル側のファンや迷っているファンを自陣に引き込めるような新作の準備を進めている。両者の戦いの激しさが増す中、今回は両ゲームの特徴について比較してみたい。

これまでの経緯

Activisionは、世界で最も人気のあるFPSのリニューアルを行うべく、今作で初めてカリフォルニアのSledgehammerを開発に起用した。一方、ライバルであるEAの『BF』シリーズは皮肉なことにしばらく動きがなく、開発を担うDICEは、予定されている新作『ハードライン』を、『3』の修正に失敗するという大きなミスを犯した『4』のようにならないようにすることが当面の目標になるだろう。
『バトルフィールド3』及び『4』で、『バトルフィールド1942』の黄金時代に築きあげたファンからの信頼を裏切ってしまったDICEは、『CoD』の新作で世間が騒ぐ様子を、2015年春までじっと見守るだけになってしまった。
とは言え、『CoD』も問題なくシリーズ展開が出来ている訳ではなく、Activisionは信頼できるパートナーを手中にしたものの、獲得していた領地を多少失ってしまった。『ゴースト』はファンを落胆させ、新作『アドバンスド・ウォーフェア』の売り上げも当初の予想よりやや下回るだろうと言われている。しかし、低い期待が功を奏する可能性もある。いずれにせよ、数字がすべてではないが、比較対象が自分たちだけという状況になったのは彼らにとって何よりも嬉しいはずだ。

性能

Battlefield 3
Battlefield 3© EA
通常、新作発表時にはまず改良されたグラフィックがニュースとして提供される。そのグラフィックに関しては、EAのFrostbite 3エンジンを使用した『バトルフィールド4』が、『ゴースト』に対して先手を打った。『バトルフィールド4』の家庭用ゲーム機への移植は、完ぺきからは程遠いものだったが、とは言え、テクスチャの厚み、精密なディテール、シャープな光の演出などが上手く組み合わされば、現代最高レベルのリアルな戦場が体験することが可能で、特にキャンペーンモードでは、自分の意識や感覚がコントロールされる没入感が得られる。
一方、旧式のIWエンジンを使用した『ゴースト』は、2014年後半はライバルゲーム相手に苦戦を強いられるはずだ。シングルプレイヤーモードは退屈で、マルチプレイヤーモードは役に立たない。活き活きとした魅力に欠け、ゲームへの集中が途切れてしまう時も多い。Infinity Wardの『モダン ウォーフェア』シリーズは新作ごとに成長してきたが、『ゴースト』ではそこがぶれてしまった。しかし、『アドバンスド・ウォーフェア』は、IWエンジンのアップグレード版で開発されたにも関わらず、将来性が感じられる。ただし、『バトルフィールド4』はその最新作相手でもグラフィック面では十分に戦えるため、来春の『ハードライン』発売までにActivisionが新作をリリースしない限り、 グラフィック面に関しては『BF』が称賛の声を集めることになるだろう。

ゲームプレイ

Call of Duty multiplayer
Call of Duty multiplayer© Activision
『モダン ウォーフェア』以降、『CoD』シリーズはエイムのアシスト機能(コンソール版)や、キルタイムの短さ、デスしなかった報酬として簡単に手に入るアイテムの豊富さなど、そのプレイのシンプルさを売りにしてきた。
スキルのないプレイヤーでも敵をキルできるチャンスを与えたいActivisionは、プレイヤーを早く成長させ、ゲームプレイの満足感を手早く与えることで、ゲームへの興味を切らさないようにしている。
この工夫は今のところ見事に機能している。しかし、当然ながら、『BF』の優秀なロングレンジスナイピングは、FPSファンならば誰でも感謝すべき機能だ。弱めのオートエイム、長いキルタイム、30分から40分に渡る長時間のマッチは、緻密なゲームプランと安定したショットが求められる。
ハードコアな『BF』ファンは、この特徴がライバルよりも優れたゲームであることを示す証拠だと考え、NPCによる爆弾や航空支援によって簡単にデスしてしまう『CoD』を見れば、その差は明らかだと信じている。実際、『BF』では、かなりの練習が必要とされる乗り物の操縦などがあり、求められるスキルの数と難易度の高さは否定出来ない。
しかし、『CoD』にはパーク(PERK)が存在する。この機能により、リロードスピード、スプリントの距離、隠密行動など、各種能力を組みわせ、自分好みのキャラクターに育てることが可能で、自分のプレイスタイルが反映されるようになる。またゲーム中に他のロードアウトを使用すれば、あらゆる環境にも対応できるようになる。この機能は非常に優秀で、結果的に他のゲームにも真似されることになった。
この機能は新世代のスーパーソルジャーの登場と共に、『 Titanfall』や『 Destiny』に用いられているが、今度の『アドバンスド・ウォーフェア』にはパワードスーツ(Exoskeleton)が用いられていることを考えれば、現時点で更に新しい進化が起きている可能性もある。もしそうでないとしても、伝統的なFPS系ゲーム市場と共に、このような進化がいずれ生じるだろう。世間は常にフレッシュでダイナミックなゲーム体験を求めている。果たして『ハードライン』はその要求に応えられるのだろうか?
どちらのファンも自分がプレイするゲームを熱狂的に支持している。『BF』も、64人までプレイ可能なマルチプレイヤーという、『CoD』のようなこれまでのハイスピードで狭い範囲のマルチプレイヤーとは完全に異なるゲーム体験を提供している。どちらも、ライバルが提供できないゲームプレイを提供している。

サポート

マルチプレイヤーのサポートの酷さに関しては『BF』が抜きん出ている。『バトルフィールド1942』及び「コンクエストモード」は秀逸で、MODにも対応していた(残念ながらその後のシリーズでは不可能)ため、MOD「Desert Combat」は大ヒットとなり、DICEも『バトルフィールド2』の開発用に新たにスタジオを購入することになった。
しかし現時点では、『CoD』が優位に立っている。『ゴースト』こそやや後退した印象だが、『ブラックオプス2』では既に豊富なセレクションを誇るオンラインモードとプライベートロビーオプションを更に強化するために新たにリーグシステムを導入し、毎年拡張している。
『バトルフィールド4』では、設定のカスタマイズなど、自分好みのプレイを行うためにはサーバーをレンタルしなければならない。ランキングによって能力や機能がアンロックされるが、個人への対応という意味では、『CoD』の売りであるスケール感と魅力に欠ける。また『バトルフィールド4』は、コミュニティの停滞と崩壊を招くようなバグが非常に多い。『バトルフィールド3』でEAとDICEの手によって闇に葬られた問題が再び表面化している状況、そして彼らの対応の悪さと遅さにプレイヤー側はしびれを切らしている。
Activisionと『CoD』シリーズの開発側はその点でEAとは異なる。バグ修正はそこまでリアルタイムではないにせよ、コミュニティ側と定期的に連絡を取り合い、アップデートに活かしている。フィードバックがすべてであることを考えれば、多少の問題はあるにせよ、彼らの努力には最大限の賛辞を送りたい。「向こうは理解していて当然だ」と思われている中での対応は簡単ではない。
『BF』のファンは素晴らしいシリーズという評価を再び得られるチャンスがあることを理解している。何故なら彼らを激怒させているのは、ゲームプレイを台無しにしてしまう問題の解決と細部の調整がここ数年無視されているのが理由だからだ。

シングルプレイ

Call of Duty: Advanced Warfare
Call of Duty: Advanced Warfare© Activision
奇妙な話だが、昨今の大作FPSの開発において、キャンペーンモードは一番重要なモードとして扱われていないないように感じられる。 ストーリーの面白さを継続的に追求しているゲームもいくつか存在しているが、それ以外のゲームは「やらなければならないから」という理由だけでキャンペーンモードを盛り込んでいるようだ。そしてこれは『BF』と『CoD』にも当てはまる。勿論、長年に渡り説明書代わりにさえなっていた重要なモードを外すとなれば、熱烈なファンから怒りを買うことは必至で、彼らをなだめなければならないだろう。とは言え、『BF』シリーズのここ数作を見れば、キャンペーンモードがいかにぞんざいに扱われているかが理解できるはずだ。『バトルフィールド4』のキャンペーンモードに触れているあるレビューには「キャンペーンはマジで飛ばしていい」と書かれている。これは予算と時間をかけたにしては、何ともいえない結末だ。「美しいグラフィックだが、キャンペーンモードは負傷兵のような存在」− これが『BF』に対する一般的な見解だ。
『CoD』に関しても、アカデミー賞受賞経験のある脚本家を取り込んだにも関わらず、『ゴースト』発売後から「キャンペーンモードは不要だ」という意見が大きな声で言われるようになってきた。かつて、このシリーズのキャンペーンモードのストーリーは、その常軌の逸脱ぶりから物議を醸し出すことも多かったが、内容は楽しめるものだった。しかし、『ゴースト』は別の意味で常軌を逸してしまった。ストーリーが論理と常識を無視した酷い内容だったのだ。ただ撃ちまくるだけならば、マルチプレイヤーで十分だろう。近年のシリーズでどちらのキャンペーンモードが優れているかという点について、明確な勝者はいないように感じられる。例えるなら100メートル走のビリ争いのようなものだ。どちらが勝っても、数時間後にはその結果を忘れてしまうだろう。
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