Jack Robinson of Australia surfs in Heat 3 of the Round of 16 at the Corona Fiji Pro on August 23, 2024 at Cloudbreak, Fiji.

WSLファイナルズ・フィジー

クラウドブレイク, フィジー

クラウドブレイク

フィジー

Red Bull TVでは男子36名・女子18名が出場するWSL CT 2025シーズン全12戦を配信中。男女ワールドチャンピオンが決まる最終戦WSLファイナルズはフィジーのクラウドブレイクで開催される。
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WSLとは?

World Surf League(WSL)は7地域(オーストラリア&オセアニア / アジア / アフリカ / ヨーロッパ / ハワイ&タヒチ / 北米 / 南米)から約1,000名のサーファーが毎年参加するサーフリーグだ。参加しているサーファーたちは最高峰カテゴリーChampionship Tour(CT)、そしてその頂点のワールドチャンピオンを目指している。
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WSLの構造

WLSは3カテゴリーで構成されている:
  • Qualifying Series(QS):QSは年会費を払ったサーファーなら誰でも参加できる。このカテゴリーでは出場者数50以下の比較的小規模なイベントから出場者数100超の大規模なイベントまでが開催されている。それらは波のクオリティと賞金総額に応じてQS1000からQS5000までランク分けされており、より大きなイベントほどより多くのポイントが獲得できる。各地域のQSシーズンで必要十分なポイントを獲得したサーファーは、翌シーズンにCSへ昇格する。
  • Challenger Series(CS):CSの各イベントは男子80名・女子48名で開催されており、内訳は7地域(オーストラリア&オセアニア | アジア | アフリカ | ヨーロッパ | ハワイ&タヒチ | 北米 | 南米)のQSから昇格したサーファー(男子49名と女子30名)と前シーズンのワールドジュニアチャンピオン2名、Championship Tour(CT:後述)のシーズン前半で上位に残れず降格したサーファー、あるいはCSで上位に残ったサーファーたちとなっている。このうち男子トップ10・女子トップ5のみがCTへ昇格できる。
  • Championship Tour(CT):シーズン最初の7イベントは男子36名・女子18名が出場する。このうち男子22名は前シーズンのCTからの残留組、10名がCSからの昇格組、2名がシーズンワイルドカード、2名がイベントワイルドカードとなっている。一方、女子は10名が前シーズンのCTからの残留、5名がCSからの昇格組、2名がシーズンワイルドカード、1名がイベントワイルドカードとなっている。シーズン後半は男子トップ24・女子トップ12に絞り込まれて開催される。シーズンを上位で終えれば、自動的にCT 2026シーズン出場権が得られる。
各イベントの開催期間は3〜5日間だが、コンディション次第では12日間が設定されるときもある。
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ヒートとは?

QSとCSの各ヒートはサーファー4名で構成される。2名まで絞り込まれたあと、その2名が直接対決して、勝者が次のラウンドへ進出する。このフォーマットは、サーファーたちがスキルを披露する機会を増やすために採用されている。
CTでは最初のラウンドではサーファー3名ずつのヒートが行われ、上位2名が次のラウンドへ進出する。次のラウンドからは1v1のヒートがファイナルまで続く。各ヒートは20〜30分だが、コンディション次第で時間が追加される。
CTのヒートはオーバーラップフォーマットが採用されており、2つのヒートが重なって進行していくが、これは理想のコンディションでより多くのサーフィンが行われるためのものだ。ヒート2本の同時進行はやや複雑に思えるかもしれないが、イベントをスケジュールに沿って潤滑に進行させるための優れた方法と言える。
基本的に1ヒートの長さは20〜30分だが、コンディションによっては、サーファーたちが十分な本数をこなせるように延長される。このルールは非常に重要だ。なぜなら、サーファーたちはジャッジたちによってプライオリティ(サーフィンする順番)が決められるからだ。
ヒート開始直後はプライオリティが決められていないが、最初のサーファーが波をキャッチすると、プライオリティが決められる。プライオリティが低い(順番が遅い)サーファーが間違った順番で波をキャッチしようとすれば、最終スコアから波0.5〜1個分減点される可能性がある。
波を読む力に優れており、良い波をキャッチできるサーファーにとってプライオリティは非常に大きなアドバンテージになるが、波を待ちすぎると、波に乗れずに時間切れになってしまう可能性がある。
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得点方法

サーファーがキャッチした波は、戦略性と一貫性が重視される10ポイント満点で採点される。サーファーは自分のスタイルとコンディションに適した多様な波をキャッチすることを目指す。
サーファーがキャッチできる波の数に上限はないが、各ヒートで最もポイントが高い2つの波が合計ポイントとして計上される。ジャッジの採点基準は以下の通り:
真剣さ・難易度:すべてのターンやカーブ、エアの真剣さ・難易度が高ければそれだけ高ポイントが獲得できる。基本的にはチャレンジングでテクニカルなマニューバが高ポイントの対象となる。
革新性・先進性:より革新的で最新のマニューバであるほど高ポイントが獲得できる。新しいアイディアを試したり、モダンなマニューバに伝統的なテクニックを組み合わせたりできれば評価の対象となる。
コンビネーション:ビッグマニューバを組み合わせると高ポイントに繋がるときが多い。フロウ(後述)をキープしながらこのようなコンビネーションを披露できるサーファーは高ポイントを獲得できる。
バラエティ:ジャッジたちはマニューバのバラエティもチェックしている。ひとつのマニューバだけではなく、複数のマニューバを披露できることはスキルの高さと多才さを示しているからだ。
スピード・パワー・フロウ:これらはサーフィンで最も重要な要素であり、上手く組み合わせることで高ポイントが獲得できる。スピードは波の上で勢いを作り出せる能力に直結し、パワーはマニューバーの強度とコントロール精度として表現される。そしてフロウは異なるマニューバを繋げていくときの滑らかさを意味している。
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カラージャージの意味

WSLのサーファーたちはジャッジと観客に対する視認性を高めるために鮮やかな色のジャージを着用している。このようなジャージは日光や霧、または距離の影響でイベントが見えなくなったときのための対応策だ。
かつてはランキング首位のサーファーはレッドジャージを着用していたが、近年はCT首位のサーファーがイエロージャージーを着用するようになっている。
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WSL CT 2025シーズンのスケジュール

CT 2025シーズンは全12戦が予定されている。フィジーのクラウドブレイクで開催される最終戦WSLファイナルズでは、男女トップ5が進出してワールドチャンピオンの称号を争う。WSLファイナルズはRed Bull TVで視聴できる。

イベント

日程

開催地

1月27日−2月8日

バンザイ・パイプライン(米国 | オアフ島)

2月14日−16日

フダリヤット島(UAE | アブダビ)

3月15日−25日

スーパーチューボス(ポルトガル | ペニシェ)

4月2日−12日

プンタ・ロカ(エルサルバドル | ラ・リベルタード)

4月18日−28日

ベルズ・ビーチ(オーストラリア | ビクトリア)

5月3日−13日

スナッパー・ロックス(オーストラリア | クイーンズランド)

5月17日−27日

マーガレット・リバー(オーストラリア | 西オーストラリア)

6月9日−17日

ロウワートレッスルズ(米国 | カリフォルニア州)

6月21日−29日

サクアレマ(ブラジル | リオデジャネイロ)

7月11日−20日

ジェフリーズ・ベイ(南アフリカ | イースタンケープ)

8月7日−16日

チョープー(フランス領ポリネシア | タヒチ)

8月27日−9月4日

クラウドブレイク(フィジー | タバルア)