Jack Nowell squatting in the gym
© Greg Coleman / Red Bull Content Pool
ラグビー

ラグビーイングランド代表ウイングが教えるスピード&敏捷性トレーニング術

エクセター・チーフスで活躍するイングランド代表ラガーマンが、ウイングに必要なスピードと敏捷性を高めるトレーニング方法を教えてくれた。
Written by Isaac Williams
読み終わるまで:4分Published on
プレミアシップタイトル獲得1回・イングランド代表キャップ数33を誇り、ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズ(イングランド・スコットランド・ウェールズ・アイルランドの代表選手から選抜された特別チーム)に選出された経験もあるプロラグビー選手ジャック・ノーウェルはまだ26歳だが、すでに多くの選手が羨むほどのキャリアを築いている。
その成功を支えているのが彼の多彩な能力であることはすでに知られている。ウイングのノーウェルはトライを決め(ワールドカップデビュー戦で3トライを記録している)、キックをチェイスし、ディフェンスをカバーし、インサイドに切り込み、あらゆる方法で相手を撹乱することができる。
しかし、これらを行うためには、当然ながら縦のスピードを生み出す脚力とサイドステップが切れる敏捷性(アジリティ)を身につけなければならない。
今回は、ウイングのスピードと敏捷性の重要性をノーウェル本人に解説してもらうと共に、これらのスキルの上達方法についてアドバイスを送ってもらった。

ウイングに敏捷性が必要な理由

ノーウェルはウイングとしての敏捷性の重要さについて次のように説明する。
「タックルされたいと望むウイングはいない。そこで重要になってくるのが敏捷性だ。相手にスピードで優り、倒されないようにしなきゃいけない。敏捷性には、優れたフットワーク加速能力も含まれる」
「なぜなら、ウイングはサイドライン近くの狭いスペースでのプレーが多いし、最初のタックルをかわすことが重要なんだ。最初のタックルをかわすことができれば、スペースが得られる」

敏捷性を鍛える方法

敏捷性を高めるには脚の筋力向上が不可欠

敏捷性を高めるには脚の筋力向上が不可欠

© Greg Coleman / Red Bull Content Pool

ノーウェルは、敏捷性と相手を身軽にかわす能力を向上させるためには、脚を集中的に鍛える「レッグデイ」を設けることが重要だとしている。
脚を集中的に鍛えるといっても、長時間をスクワットに費やすわけではない。重いウエイトを使ったトレーニングに終始するのではなく、賢くトレーニングする必要がある。
「脚の筋力は重要だ。ランニングやスピードドリルは好きなだけやって構わないけど、脚の筋力が十分でないとタックルをかわすのは不可能だし、倒れてから起きあがるために必要なパワーも得られない。脚の筋力向上は、ウイングにとって最も重要なトレーニングだ」
“ストレングス” は物を持ち上げられる能力を指すが、“パワー” は物を素早く持ち上げられる能力を指す。ノーウェルがウエイトルームの内外でパワー系トレーニングに取り組んでいるのには理由があるのだ。
ノーウェルは、「エクスター・チーフスではシングルレッグのパワーバウンドを数多く多く取り入れている」と説明している。これは片脚だけで前方にジャンプするトレーニングで、地面に足をつく時間をなるべく短くするためのトレーニングだ。
ノーウェルはさらに次のように説明する。
「チームでは、シングルレッグ・スクワットも数多くこなしている。屋外では、はしごを使ったラダートレーニングで地面から身体を起こすスピードの向上に取り組んでいるね」
ラダートレーニングはアメリカンフットボールで多く見られるトレーニング法で、地面に置いたはしごの上を走るのだが、すべての枠に両足を入れていかなければならない。尚、敏捷性を試す方法は他にもある。
たとえば、シングルレッグ・シャッフルも脚のパワーに効果的だ。地面に置かれているはしごと平行に走り、細かくステップを踏みながらすべての枠に片足を入れていくトレーニング法だ。

スピードを高める方法

ピッチ上でのスピードを高めるため、ジャックはランニングドリルを数多くこなしている

ピッチ上でのスピードを高めるため、ジャックはランニングドリルを数多くこなしている

© Exeter Rugby / www.jmpuk.com

敏捷性と同じく、生まれながらにしてスピードが身についている選手もいれば、そうでない選手もいる。ノーウェルは「先天的なスピードは役立つ」としているが、そうでなくてもスピードを高められる方法はある。
ノーウェルは次のように説明する。
「スピードはトレーニングや努力で高められる。スピードもジムでのワークアウトを中心に脚の筋力を高めていくことで手に入る。また、AスキップBスキップニードライブをはじめとしたランニングドリルもこなす必要がある」
これらのランニングドリルは、脳と脚の協調性を強化してスピードを高めるのに役立つため、正しい筋群をより速やかに駆使できるようになる。また、筋持久力の向上にも役立つほか、可動範囲も広がる。
Aスキップは前向きにスキップしながら、前側の膝を持ち上げて後側の脚をまっすぐ伸ばす。BスキップはAスキップに似ているが、前側の脚を腰の高さまで引き上げたあと前方に伸ばしてから着地させるスキップを指す。