Justin Kluivert – son of Patrick Kluivert – training with RB Leipzig during his loan spell from Roma in 2020.
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サッカー

【RBライプツィヒ】ジャスティン・クライファートが明かすプロサッカー選手の栄養管理と食事

料理学校で学んだ経験を持つオランダU-21代表FWが食事と栄養管理の重要性について語ってくれた。
Written by Joe Ellison
読み終わるまで:6分Published on
ASローマからRBライプツィヒへローン移籍中の21歳オランダ代表FWジャスティン・クライファートはアヤックス時代に料理学校に通っていた。本人は「このことを知っている人は少ないんだ」と笑う。
昼間はディフェンダーと戦い、夜は食材と戦っていたジャスティンはのちに子供の頃からの憧れだったアヤックスでファーストチームデビューを果たすと、44試合出場12ゴールの活躍を見せて “血統” を証明した。
ベテランサッカーファンなら知っているはずだが、ジャスティンの父親はアヤックス、ACミラン、バルセロナで活躍した元オランダ代表FWパトリック・クライファートであり、祖父ケネスもスリナム代表歴を持つプロサッカー選手だった。
2018-19シーズンにASローマへ移籍したジャスティンは、チャンピオンズリーグ最年少得点を記録するなど活躍を続け、2020シーズンから今や世界的に有名なクラブとなったブンデスリーガの若獅子クラブ、RBライプツィヒへローン移籍した。
ここまで読めば分かる通り、ジャスティンはミシュランガイドにとっては大きな損失となったのかもしれないが、サッカー界には大きな恩恵をもたらしているようだ。そして、料理学校で学んだ経験を持つこのオランダU-21代表FWほどサッカーにおける栄養学について尋ねるのに相応しい人物はいない。
そこで今回は、ジャスティンに栄養と食事を中心に話を聞いてみることにした。
プロサッカー選手の最低25%は食事が担っている
ジャスティン・クライファート
バイエルン・ミュンヘン戦でプレーするジャスティン・クライファート

バイエルン・ミュンヘン戦でプレーするジャスティン・クライファート

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― あなたはクリスティアーノ・ロナウドに憧れていることを公言していますが、コンディションを厳しく管理している彼のプロフェッショナリズムへの敬意が大きなウエイトを占めているのでしょうか?
彼が今もトップレベルで戦えている理由は、テクニックが優れているからだけじゃない。彼の身体がダメージに耐えられるからだ。そして優れたフィジカルは、良く食べ、良く休むことで得られる。僕は彼のこの部分を特に尊敬している。
彼は、僕だけではなく多くのサッカー選手にとってのロールモデルだ。彼がどのように栄養管理をしているのかについて具体的には知らないけれど、僕もできるだけ長くピッチに立っていられるように栄養管理をしているよ。
― 通常の練習日はどんな食事をしているのでしょう?
朝食はトレーニング施設で摂っている。いつもはイチゴとハチミツを加えたヨーグルトと、タマゴを載せたトーストだね。食べたらトレーニングだ。昼食は野菜と炭水化物を中心に取っている。夜は温かい食事だね。ライスとチキンが多いかな。
チャンピオンズリーグとブンデスリーガが続く時期は3~4日に1試合のペースになるから、食事のバランスに注意する必要がある。プロサッカー選手の最低25%は食事が担っている。
ドレッシングルームではレッドブル・シュガーフリーを飲んでいるよ
ジャスティン・クライファート
― 試合当日の食事はどうしていますか?
試合当日はパスタを大量に食べて炭水化物を摂取している。試合のエナジー源になるからさ。ドレッシングルームではレッドブル・シュガーフリーを飲んでいるよ。
試合終了後はプロテインシェイクでリカバリーしている。試合終了後はかなり空腹だからプロテインシェイクを2本くらい飲むかな。そのあとは夕食だ。野菜は必ず摂るようにしている。筋肉の再生と回復を助けるからね。
― 試合終了時刻が遅い日の食事はどうしていますか?
試合終了時刻が遅い日は食事を摂るのが難しい。チャンピオンズリーグの試合はスタジアムから戻ってくるのが深夜12時くらいになるしね。だから、今のところはプロテインシェイクでカバーしているよ。翌日に向けて体調を整えてくれるからね。
ブンデスリーガ最速FWの称号を狙うサラブレッド

ブンデスリーガ最速FWの称号を狙うサラブレッド

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― あなたは2020-21シーズンのブンデスリーガで6番目に俊足の選手で、バイエルン・ミュンヘンのスピードスター、アルフォンソ・デイヴィスを上回っています。筋肉を増やしながら爆発力を維持するための栄養バランスの実現はかなり難しいのではないでしょうか?
そうだね。でも、ブンデスリーガで6番目に入るような、スピードを売りにしている選手にはそのような栄養バランスが重要だ。このまま4番目、3番目、できればトップを狙っていきたいね。
食事ももちろん大切だけど、爆発力やスピードを鍛えるためにはジムワークが欠かせない。2年前の僕と今の僕はフィジカルが大きく異なっていて、スピードも強さも段違いだ。僕は17歳でアヤックスからプロデビューを果たしたけれど、この年頃は身体があっという間に成長する。だから、ASローマへ移籍したあとも身体がどんどん変わっていった。
身体のメンテナンス方法や食事などについては年上のアレクサンダル・コラロヴやエディン・ジェコから多くを学んだよ。彼らは長年トップレベルで戦い続けているからね。
― ASローマではヴィーガンのDFクリス・スモーリングともチームメイトでしたが、ヴィーガンには興味を持ちませんでしたか?
クリスはヴィーガンのナイスガイとしてクラブへやってきて(編注:2019年夏にマンチェスター・ユナイテッドからローン移籍。2020年秋にASローマへ完全移籍)、試合で活躍を続けたから、クラブの全員がヴィーガンを少し取り入れるようになったんだ。あれは少し笑えたよ。でも、僕は完全なヴィーガンにはなれなかった。チキンが好きすぎるんだ。
でも、クリスのことは理解できるよ。彼はきちんと栄養を摂取しているし、ヴィーガンは彼のフィットネスの助けになっている。クリスにはあの食事が合っているんだ。
― 試合前はパスタを大量に食べるという話でしたが、その点においてASローマは最高の環境だったのでは?
いやはや、信じられなかったよ! イタリアでは食べたことがないパスタを食べ続けていた。アスパラガスのリゾットが大好きだったね。イタリア料理が最高なのは誰もが知っていることだと思うけれど、それを毎日味わえたのは本当に最高だった。
― あなたの自宅を伺ったらどんな料理を振る舞ってくれますか?
知っている人は少ないんだけど、実はオランダで料理学校に通ったから免許を持っているんだ。だから、とても美味しい料理を振る舞うことができる。僕は米、豆、チキン、野菜を使った料理が好きなんだ。父親の出身国スリナムにはこれらを使った伝統料理があって、とても美味しいんだよ。チキンの味付けが最高だし、健康にも良いんだ。